テンボウ油蝉の悲しい結末

テンボウ・・・野口英世の幼年期、火傷の後遺症で左手が開かなかった。

7月30日朝7:40、ゴミ出しの為、庭に出るとコンクリートの踏み段の上に、7年間地中で生活していた油蝉がうずくまっていた。
おそらく、近くの杏の木から滑り落ちたのであろう。

本来なら、夜中の内に脱皮しているはずなのに、木から落ちた瞬間に、失神でもしてしまったらしい。

とりあえず、7:41に杏の木の幹に載せてあげる。

抜け殻を調べて見ると、地中にいたときから、右の前足はダメージを受け、変形していたのである。
脱皮の際に、右の前足からは出血の体液が流出していたのだ。

 

無事に脱皮を終え、羽の成長を待つのだが、午後からは雷鳴とどろく集中豪雨、油蝉は杏の木で一晩を過ごした。
夜勤から帰った翌31日、陽射しも強くなり、遠くの森からセミの声も聞こえてきたので、背中をつついて、「嫁さんでも探して来い!!」・・・・・

テンボウのセミ君、驚いて、空に飛び上がって行った。

夜勤から帰った翌8月1日、杏の木の真下に、車にひかれた油蝉の死骸が有った。

結局、7年間の地中生活、2日間の地上生活、結婚も出来ず、あえなく散って行った。