「恋のときめき」・第8話
MLの仲間には内緒の二人だけのオフ会。 すっかり、近ちゃんの頭の中は、
アンに暗示をかけられたように、「アメリカナイズされたようだ。」
次の予定は源氏山公園のハイキングコースを歩き、葛原岡神社近くで、梅や桜の
花を見せるつもり。
腕を組み手を握りしめて、ハイキングコースの登り坂を息を切らしながら
登っていく二人の鼓動は、単なる坂道のせいだけでもなさそう。
・・・・どうも、キッスの話が頭に残っているのでは無かろうか?・・・・
近ちゃんは、言った。
「・・・・キスしても良い・・・・・。」すかさず、「アメリカでは、あいさつよ」
“ブチュ”・・そして、舌を入れようとした。・・・・
アンに叱られた。
「挨拶だから、“チュッ”と、軽くなの!」
「ハイ! チュッ」
「OKよ ・・・近ちゃん、上手!」
それから、気をよくしたのか、10メートル歩いては、チュッ!の繰り返し。
人通りのないハイキングコースまさしく、『二人の世界』だった。
顔は紅潮し、心臓の鼓動は、坂道の登りと、久々の口づけとの相乗効果で、
張り裂けんばかりであった。
さすが、アンはダンスで鍛えているだけ有って、息切れせず、しっかり体を
くっつけてついてくる。
そして、近ちゃんの耳元で、囁く。「アメリカでは、挨拶よ」
すっかり、罪悪感なしで、くちづけが出来るように仕込まれてしまった。
この調子だと、アメリカに行けば、ハッピーな人生が送れるのかしら?
アンは言う。「誰でも泊まりに来れるように、一部屋空けてあるよ」
悲しいことに、今の近ちゃんには、渡航旅費もないし、何しろ、語学力がない。
“チュッ”のし過ぎはあったかも知れないが、枝垂れ梅の木の下で、
記念写真を写した。