件  名 第38話 「35年ぶりの再会、そして別れ」(宇奈月温泉)
入浴日 :2003/1/15
編集日

「まもなく 列車は 魚津駅に到着します・・・」と、
「特急・はくたか4号の車内アナウンス」に、せかされるように、
座席に広げていた荷物類をバックに詰め込み始めた。

列車は、定刻の11:20に、北陸本線・魚津駅のホームに入った。
35年ぶりに再会する女性との距離は、50メートルと縮まった。

改札口を見るが、それらしき人はいない。 一瞬、不安が横切った。 
とりあえず、改札口を通り過ぎ、駅舎の外に出てみた。

と、すると、記憶の片隅にあった(事前に当時の写真を見ているが)
丸顔の22歳の顔に、幾分か似ている女性が近づいてきた。

「・・・しばらく・・・」なんだか、会話になっていない。

35年間のブランクは、年賀状の交換と、最近の2年間で4回程の
電話と3回のメール交換である。

そもそもの出会いは、学生時代に、一ヶ月の西国旅行に行った折り、
大分観光バスを利用した際に一緒になり、東京に戻り、彼女たちの
クリスマスパーティーに招かれ、国立音大の寮に行ったことと、
就職後、下北沢の街で、偶然に再会した。
その後、読売ランドの遊園地に一度、松田のミカン狩りに一度の
デイトをしたらしい。
・・・ らしいとは、・・・
(二人とも、記憶には、別々の一回キリとなっていた。)からである。

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さて、今回の再会のきっかけをかいつまんで話しておかないと、なるまい。

近ちゃんの「温泉シリーズ」において、北陸3県がまだ、未踏の地であった。

せっかく、金沢に行くのだから、富山県で途中下車すればいい。
名の知れているのは、「宇奈月温泉」、その宇奈月の近くに住んでいるのが、
35年ぶりに再会する彼女だ。

途中下車して、往復の所要時間を聞くつもりで、自宅に電話した。
あいにく、彼女はまだ、職場から帰っていない。
退職して、毎日サンデーの旦那さんだけ、でも、近ちゃんは怖じけず、
話を続けた。

数日後、彼女から、メールが入り、職場に電話して、ひょんな事から、
車で、案内してくれることになったのだった。
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  ・・・35年ぶりの再会!!・・・
  
 一瞬で、22歳の時の友達感覚になってしまった。  
お互いに、連れ合いや子供がいることも、全て、飲み込んでの、
つかの間の、夫婦気取りで、二人きりの世界になってしまった。

早速、駅前広場の駐車場で、彼女の車の助手席に乗り込んだ。

魚津ICから、北陸自動車道に入り、次の黒部ICで降り、
一路、「宇奈月温泉」を目指して、「再会物語」は走り出した。

しばらく走っていると、「地ビール館」が見えた。
早めの昼食をと、館内に入り、席についてメニューを見たら、
ビール・セットばかり、二人とも、アルコールは全然ダメ。
食事の品もなく、結局、ケーキ・セットになってしまった。

再び、車は、黒部の山へと登っていく。
「宇奈月温泉」駅前の写真を写し、一通り、温泉街を車で一回りした。

結局、彼女が先月の忘年会で利用した「ホテル延楽」に決めて、車を止めた。

昼食は、ホテルでは、やっていないので、向かいのそば屋に入った。

「鴨肉そば」と、「刺身の盛り合わせ」を頼んだ。

彼女をホテルのロビーで待たせ、一人で、「延楽」の大浴場「丹頂の湯」
、露天風呂「琴音」を貸し切った。

デジカメ片手に、すっぽんぽんで、露天風呂やら、撮影やら。

結局45分くらい待たせて、再び、車に乗り込んだ。 
JRの時間を調べると、1時間ある。

「1分・1秒でも長く一緒にいたい。」との、二人の気持ちが、
高速道路を使わずに、一般道を選ばせた。

彼女の口から、33年間の連れ合いへの不満がグチとなって漏れてくる。
連れ合いより、古い友達の近ちゃんだから、そんなグチも聞いてあげられた。

再び、魚津駅に着いたのは、特急「はくたか10号」の発車時間
(15:24)の7分前だった。

別れるときには、頭の中では、「ああしよう、こうしよう」と、
考えてはいたものの、結局は、お互いに手を差し出し、手を握って、
「元気でね!」