作品の概要 |
平林寺の林は、武蔵野の自然環境を今に残す林として1968年5月に国の天然記念物に指定され、奇跡的とでも言うべき規模でその景観を存続させている。
さらに1970年になって寺域一帯が首都圏近郊緑地特別保全地域とされ、約43万平方メートルに及ぶ寺域の自然は多様で
鬱蒼としたスギ、ヒノキの古木が諸堂を取り巻き、手入れが行き届いた庭園と相まって修行道場にふさわしい静寂な雰囲気を醸し出している。
平林寺の総門に立つと、まず目に入るのが一直線に並ぶ禅宗様式の伽藍の美しさである。 修行の寺だけにきらびやかさはないが、いかにも武蔵野の禅寺という風情である。とくに、秋の紅葉の頃は素晴らしい景色で有る。
中でも赤や黄に葉を染める楓は、派手さのない武蔵野の紅葉の中では
一際目を引き、山門や御堂との取り合わせが美しい。 |