東京都内で一番の雛まつり会場が「目黒雅叙園の百段階段」に有るそうだ。
田舎者には、ついぞ縁の無い豪華な結婚式場である。
新館は、煌びやかな飾り付けや目を瞠る大きな壁掛けが多数有るので目の保養にもなる。 館内は無料で写真撮影も注意されなかった。
・・・ 便所(化粧室)も、あなどるなかれの設備であった。 ・・・さて、「百段雛まつり」は、東京都指定有形文化財になっている『木造建築の九十九段の階段』と『6つの座敷』に、お雛さまを飾り付けしているのである。
今年は「大阪藤井寺・佐藤禎三邸」、「京都・さがの人形の家」、「埼玉の料亭・二木屋」の所蔵するお雛さまを借り受けたそうだ。
ところで、私が最も興味を抱いたのが、『漁樵の間』の彫り物である。
床の間に、左右、巨大な床柱に彫刻された「漁夫と樵夫(きこり)の透かし彫り」、欄間には檜の一枚板に彫られた彫刻は、左右の図柄の内容が対称的(春の図に対し秋の図、直立している人に対して座している人、立っている老人に対し座っている若者を描く) そうそう、上を見上げれば「花鳥の格天井」の彫刻も良かった。
・・・・ 『漁樵の間』 ・・・・の謂れは、
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『漁樵問答』とは、漁夫が言うには、釣竿や糸など完璧にしていても、釣れなければ釣れない。
樵夫が言うには、背負えるだけ背負ってさらに薪を背負っても転んで怪我をするだけですよ、と。
意味するところは「身分をわきまえよ。限界を超えてはならないし、結果は天命のなすところ。」と言う中国の故事から名付けられた。
欄間彫刻の図柄も「漁樵問答」に似かよった作風でした。 |