D90が観た画像 d90-12135 |
撮影地 |
海老名市文化会館 大ホール |
撮影日時 |
2012−10−16 13:35〜15:36 |
作品のタイトル |
創作おわら「白椿の精」 |
作品の概要 |
海老名の、昔話より引用しています。
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国分の薬師様の境内に大きな白椿があって、毎年白い花をたくさん咲かせていました。
薬師様の境内の下には、大山街道が通っていて、大山参りの旅人などでにぎわっていましたが、白椿が咲くと、街道を行く人たちは思わずその美しさに足を止めてみとれるのでした。
このころ、日が暮れると決まって薬師様の門前の茶店に一人の美しい娘が現れました。
黒髪をすっきり後ろに垂らし、きめ細かな肌に薄いすずやかな着物を身につけ、何ともいえぬよい香りをただよわせて気品にあふれていました。
この娘がどこのだれか知る人はいませんでした。
娘は茶店で一杯のお茶を飲んで休むだけでしたが、不思議と娘が立ち寄る店は栄えて行くのです。
しかし、白椿の花がみんな散ってしまうころになると、ぱったり娘も来なくなってしまいます。
ある年の春、例の娘がまた現れ始めると、もの好きな若者がある晩、そおーっと後をつけましたが、薬師様の石段の途中でぱっと姿が消えてしまいました。
そこで、次の晩は針に長い糸をつけておき、娘にいいより、さりげなく着物のたもとに針を通してそしらぬ顔で別れました。
翌朝、その糸をたどってみると、糸は薬師様の白椿の梢高く続き、針は一枚の花びらにつきささっていました。
「さては娘は白椿の精であったか」と大評判になりましたが、それっきり娘は二度と姿を現すことはなかったそうです。
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