樹木は語る |
「円通寺」と「飛木稲荷神社」は同じ番地(押上2−39−6)です。
お寺の開山は応仁元年(1467)正月三日らしいです。
何度か江戸の大火に巻き込まれ、本堂は焼失しているので、古文書が有りません。
最後の火災は、昭和20年3月10日の東京大空襲で全焼し、現ご本尊の阿弥陀如来坐像は昭和の仏像です。
さて、私は、広い境内の本堂前に、記念樹として植えられた様なので、350歳になります。
隣りの樹齢700年のイチョウの木の惨事と同様に、私も戦火に巻き込まれました。
燃え盛る炎は私の全身を丸呑みしたよ。 熱かったよお〜。
一旦は丸焼けになり、再起不能かと思われたのですが・・・
樹木と言うものは不思議なものですね。
樹木の年輪と言うのは、中心から一つ一つの輪が有りますね。
そう! 一年毎に、樹皮が誕生していくのですね。
円通寺の境内に入って、葉っぱの生い茂っている私を見ると、本当に戦火に遭ったのかしら・・・と、疑われるけど、根元を見ながら一周していただくと、『こりゃぁー 酷い大火傷をしたんだなぁー』と思いますよ。
なにしろ、木の中心部分がそっくり朽ちてしまって、樹皮と言う衣を70枚着ているだけなんですよ。
でも、中を見せないように、70年前の火傷の後の瘡蓋(カサブタ)で、体の中を見せないように、蓋をしているのさ。庫裏の裏手には、真っ黒焦げになった「無縁仏石塔群」もあるので、大東亜戦争関係殉難者の石碑と一緒に見に来てね。 |