善福寺のイチョウは、東京都内で最大級のイチョウの巨木です。
浄土真宗の開祖、親鸞上人が善福寺を訪れた際に、地面に挿した杖が芽吹いて成長したものといい、推定の樹齢は780年以上と伝わるもの。
ところで都内の一等地にたたずむこのお寺、平安時代、唐で真言を極めて帰国された弘法大師は関東一円に真言宗を広めるために、高野山に模して麻布山善福寺を開山されました。
天長元年(824年)の事なので、1191年前です。都内では金竜山浅草寺につぐ最古の寺院です。
江戸時代、黒船騒動の後、「安政の仮条約調印」以後、明治初年までアメリカ公使館がおかれ、ハリスらが居住した事を記した「ハリスの記念碑」が有りました。
さて、東京大空襲でばら撒かれた焼夷弾は、麻布一帯を燃やし尽くしました。
かろうじて、イチョウとケヤキの樹は戦火に撒き込まれましたが、焼失だけは免れました。
境内の建物は全て灰となり、現在の本堂は大阪八尾にあった寺院を移築したものです。・・・八尾の寺院は慶長年間に徳川家康が京都東本願寺として建立したもので、その後
、東本願寺をさらに大きく建て直した時に大阪八尾に移築したもので、三百余年の歴史を持つ文化財的建物です。・・・
チョット違和感の有るのが、善福寺本堂の後ろに立ち上がった高層マンション(元麻布ヒルズ)、巨大な和ロウソクの様でした。
最後に、イチョウの樹を正面から見ると戦禍の傷跡は見当たりませんが、左横から裏側に回ると、見るも無残な焼け跡が残ってます。
戦災の前の幹回りは、現在の3倍位あったそうです。 |