白河市から棚倉町へ移動の旅。
路線バスが国道289号を走っている。
国道289号を走っていたバスが突然奇妙な行動に出た。国道289号から、バス一台の車幅分の一本道に入ってしまった。
対向車が来たらどうするのだろうか??
私の心配を無視してか、田んぼの真中の一本道、民家の間を、交差する道も一旦停止する事も無く、まるで、気持ち良く、電車道を走っているようだ。
一方通行とも違う。 のどかな田舎道に、交差点なのにミラーが付いているのも仰々しい。 バス停も屋根付きの立派なもの。
さらに極めつけは、『JRバス関東専用道」につき「一般の人車通行禁止』という看板が立ててある。
ちなみに、同社の対向バスが来たら、無線で連絡をとり合い、待機場所ですれ違うそうだ。
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このバス路線は東北本線の走っている白河と水郡線の走っている棚倉(磐城棚倉)とを結ぶ白棚線である(「はくほう」線と読む)。
現在はバス路線だが、ここにはもともと鉄道が走っていた。
白棚鉄道といって1916年(大正5年)に開通している。
戦時中の1944年(昭和19年)には資材の有効利用を理由にレールが撤去されバス路線に転換されてしまった。
戦後も線路が復活することはなく、1957年(昭和32年)逆に線路跡をバス専用道路として活用して、一般道路経由よりも高速で定時運行できるバス運行を目指した。
鉄道からの転換という歴史を持つので、踏切と同じで、一般道路と交差するところではバス専用道路が優先(鉄道線路待遇)で、一般道路の方が一旦停止するようになっているのだ。
1987年の国鉄民営化と同時に当時の国鉄バスは地域ごとにJR旅客各社に移管され、JR東日本の地域に含まれる白棚線はJR東日本バスとして運行されることになった時のものだ。
ところが、翌1988年に本州3社の持つバス路線は分社化され、関東甲信越地域のバス路線を運行するJRバス関東が誕生した(JR東日本のバス路線はJRバス関東とJRバス東北に分割して分社化された)。 |