江戸城には、当時19もの櫓が存在しましたが、現在では、伏見二重櫓と桜田巽櫓と富士見櫓の3基を残すだけです。 当初、太田道潅が「精勝軒」と呼ばれた櫓を作り、富士山や海の眺望を楽しんだといわれていますが、
富士見櫓は、その跡地に作られました。
富士見櫓は、高さ15.5メートルほどの三重の櫓で、万治二年(1659)に再建されたものが今に残っています。
江戸城の建物の中では、現存する貴重な建物です。
どこから見ても美しいその姿から「八方正面の櫓」と呼ばれ、火事で焼失し再建されることがなかった「天守閣」に代わって、江戸城のシンボル的な役目を果たしてきました。
富士見櫓を支える石垣は、自然石をそのまま積み上げた堅牢な「野づら積み」
工法を採用しています。
姿の美しい「富士見櫓」は、「新年一般参賀」の時だけ、石垣下の広場に入れるのですが、普段は、「皇居東御苑」内から見るため、大木のすき間からかいま見えるだけです。 |