D90が観た画像  d90-17027

撮影地 神奈川県大磯町 郷土資料館
撮影日時 2017−01−17
作品のタイトル 大磯に伝わる「さるぼぼ飾り」
作品の概要 二宮町で「雛の吊るし飾り」の取材をしている時に、「大磯町」に「さるぼぼと三角」を船の飾りにしている祭りがある。・・・との情報を入手。

大磯町郷土資料館は、2009/11/28に取材しているので、詳しい話を聞こうと再訪した。
あいにく、飾り船は撤去されており、拡大写真は撮れないが、「高来神社の御船祭(おふねまつり)」の資料を頂く。
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ところで、2014年に山形県の「酒田の傘福」を取材した時、江戸時代から伝承されている「酒田の傘福」のルーツを知った。
家族の健康や商売繁盛、豊漁などの願いを込め、幕を張った番傘に、着物の端切れなどで作った農作物や魚、動物などをつるして色とりどりに飾った。
初期の物は、「さるぼぼや三角」を傘に吊るして、神社やお寺に奉納した。
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「さるぼぼや三角」は縁起物・・・下の2枚目の写真
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災いが「去る」、病が「去る」などの意味で飾られています。
猿=えん=縁ということで縁起が良い、縁に恵まれるという意味もある。
昔の「薬袋」は三角の形をした布袋だった、“病気に無縁でありますように”との願いが込められ、不運が起こらないように祈るお祓いとしての意味もある。
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日本への伝来は、
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「さるぼぼ」は、実は古代中国の風習に由来します。
奈良時代、遣唐使として長安に滞在 した留学生たちが、庚申信仰と一緒に中国から持ち帰ったのが起源だと云う。
吊るして 飾る魔除け「身代わり申」「願い申」として定着したそうだ。

さて、本題に戻すと・・・・下の写真の1枚目
高来神社の御船祭(おふねまつり)の飾り付けを見てみよう。
雛の吊るし飾り同様に、船体に「さるぼぼと三角」を糸で吊るした飾りがずらっと並んでいるのである。

時代は、さらに遡ると・・・
大磯町の高麗山(湘南平)の麓に、高来神社(たかくじんじゃ)が有る。
その昔、高麗の王族の一行がこの付近に上陸する。
天智5年(666)高麗国より副使者の「玄武若光」が来朝し、天智7年(668)高句麗滅亡により帰国できず、日本国にとどまり、その後、大磯に移住する若光は大宝3年(703)高麗王(こまのこしき)の氏姓を朝廷より賜り、霊亀2年(712)関東七国の1799人を連れて、埼玉県の高麗郡に移った。

で、大磯町の「飾リ船」のルーツが見えてくるのである。
「御船祭」は、2年おきに一度、今年は無い。