東京都内で「八重桜の桜並木」がないかと、ネット検索すると、足立区の都市農業公園前に有る事がわかった。
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現地に着いて、「五色桜」と「里帰り桜」のエピソードに付いて初めて知った。
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まず「五色桜」とは。
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明治19年(1886)、江北村(現在の足立区江北付近)では、荒川(現在の隅田川)の堤防の改修工事にあたり、堤防の補強などを目的として、78品種3000本以上の桜を植樹しました。
当時、染井村の桜専門の植木業者が、あまり根が張らず、樹高も高くならないサトザクラを移植したそうです。
それらのサトザクラは、白あり紅色あり黄色あり紫ありで、あたかも五色の雲がたなびくように見えたために五色桜と呼ばれ、花の時期にはたくさんの人が集まる桜の名所になりました。続いて「里帰り桜」とは。
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明治42年(1909)11月、横浜港から2000本の桜を乗せた船がワシントンへと出航しました。
ところが、翌1910年1月にワシントンに到着した桜は病害虫に侵され、防疫検査を通過することができず、泣く泣くすべてが焼却処分となってしまった。
明治45年(1912)、荒川堤の五色桜の12種3000本の桜の苗木は、再び横浜港を出発し、アメリカ西海岸のシアトルに到着、そこから冷蔵貨車で大陸を横断してワシントンへと届けられました。
検疫検査の結果ですべての苗木が健康であることが確認され、ようやく植樹できるようになりました。
この時の苗木は貴重な品種が多かったため、明治45年に新宿御苑にも植えられた。 後日(4月25日)に新宿御苑に撮影に出向く。
しかし、本家の荒川堤では、第二次世界大戦による被災や戦後に手入れが行き届かなかったり、材木不足で切られたりして、昭和20年代にはほとんどなくなってしまったそうです。
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昭和27年(1952)、足立区と東京都の希望がかなえられ、桜たちの里帰りが実現します。
残念ながらこのときの桜はすべて枯死してしまったようです。
さらに昭和56年(1981)、700本あまりの桜が里帰りを果たし、足立区各所に植えられているということです。
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さて、話を最初に戻すと、都市農業公園前の道路に車道と歩道に3列の桜並木が有ります。
目測では、450〜500メートルの八重桜(関山)の桜トンネルが出来ていました。
現在、都市農業公園には、49品種290本の桜の木が有り、うち19品種がワシントンから里帰りした桜です。
今回、他所(日本国内)では目にしたことのない「ワビヒト」と「マノガ」に出会いました。 |