百段階段の最上階「頂上の間」に足を踏み入れると、部屋の奥真正面に鮮やかなブルーライトに尾羽根を扇型に広げた『孔雀』がいた。
原寸大の大きさなので、まずは圧倒されることまちがいない。
そして、左手の壁を見れば、赤い照明で照らされた白い鳥が3羽飛んでいる。
照明を受けている鳥は、翼の両端まで130センチの実物大の『朱鷺』である。それぞれの鳥は剥製(はくせい)かもと疑いを持つほどの作品である。
それらが、「ゴミの日に集積場所に出す・ペットボトル」を、原材料としている事は解説を聞かなければわからない。
朱鷺に関しては10種類ほどの羽根がある。
1.5リットル大ペットボトルから羽型に切取り、紙やすりで細かい羽筋を模様する。
朱鷺一羽で550枚の羽を重ねており、3羽で合計600本のペットボトルを使用している。
孔雀の羽の先端を見れば、細かくハサミが入れられており、楕円形の丸の中を良く見れば、細かなつぶつぶが見える。
熱した半田ごての先端で模様付けしているそうだ。
半田ごては重宝な物で、プラスチックは熱すれば曲りを作ったり、真っ直ぐにも出来る。
さらに熱すれば溶けだし別のものに溶着する。
ようするに、セメダインなどの接着剤を使用していないので、純粋な資源として再利用できる。
『カワセミ』の作品は、ストーリーがある。
渓流でイワナの稚魚を捕らえたカワセミ、それに驚いて飛び出したトンボ、そのトンボを逃してしまったアマガエルは初夏のある日と題して、生き物たちの生と死の一瞬を描いている。
本間さんは、女子美術大学絵画科卒業・同研究科2年終了。
その間に知ったのが動物園や水族館の展示物をつくる仕事でした。
偶然にも大学時代に建築会社でアルバイトしていたので、図面を読むことができるし、半田ごての扱いも熟練している。
ところでちょっと余談だが・・・・・、
孔雀の撮影で熱中していると、テレビのスイーツ番組で聞いたような声がする。
振り返ると、相撲取りのような巨体の人がいた。
夫人と付き人の三人連れ・・・・、芝田山親方だった。 |