D90が観た画像  d90-18372

東京都目黒区下目黒  「雅叙園・百段階段」
撮影日 :  2018−12−08
「創業90周年特別企画・百段階段の漁樵の間」
雅叙園・百段階段を昇り始めて二番目の部屋は、漁樵の間(ぎょしょうのま)と言う。
この部屋の見どころは「欄間」や「天井」や「床柱」などの彫刻である。
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漁樵の間は、尾竹竹坡(おだけ ちくは)の下絵に基づく彫刻と、菊池華秋(きくち かしゅう)の絵で飾られており、床柱などは浮き彫りというより彫像が丸太にくっついているようだ。
天井画もよく見ると花びらなどがひとつひとつ彫られた半立体だ。
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この部屋を見る前に、次なるウンチクを知っているのと知らないとでは観賞する目が違ってくる。

室内は、すべて純金箔、純金泥、純金砂子で仕上げられ、絢爛豪華仕上げ。
床柱は左右とも樹齢300年の直径二尺余の巨大な檜(ひのき)で、 格天井には「菊池華秋」原図による四季草花、欄間は尾竹竹坡原図の藤原時代上流風俗を 極彩色浮彫され、廻り廊下は黒漆喰で、障子建具は火頭型の黒漆喰枠縁です。
床の間に、左右、巨大な床柱に彫刻された「漁夫と樵夫(きこり)の透かし彫り」、欄間には檜の一枚板に彫られた彫刻、床の間の美人画の内容が対称的(春の図に対し秋の図) そうそう、上を見上げれば「四季草花の格天井」の彫刻も良かった。
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・・・・  『漁樵の間』  ・・・・の謂れは、
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『漁樵問答』とは、漁夫が言うには、釣竿や糸など完璧にしていても、釣れなければ釣れない。
樵夫が言うには、背負えるだけ背負ってさらに薪を背負っても転んで怪我をするだけですよ、・・・と。
意味するところは「身分をわきまえよ。限界を超えてはならないし、結果は天命のなすところ。」と言う中国の故事から名付けられた。
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欄間の彫刻は「五節句」を題材としている。

1月7日 人日(じんじつ)の節句・・・中央の床の間(牡丹の花と3人の美女)の『上の欄間の男女の彫物』

3月3日 上巳(じょうし)の節句・・・床の間に向かって右手に(梅),(桜)を図柄とした欄間が有る。

5月5日 端午(たんご)の節句・・・左の床の間の欄間(父と子とアヤメ),右の床の間の欄間(祖父とアヤメ)の彫物。

7月7日 七夕(しちせき、たなばた)の節句・・・床の間に向かい合った欄間2枚に(七夕飾り)の彫物。

9月9日 重陽(ちゅうよう)の節句・・・床の間に向かって左手の欄間に(菊の花を描いた)2枚の彫物。
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天井の彫物は、畳に仰向けに寝転び、顔面にカメラをくっつけてシャッターブレを押さえて撮影した。

1999年のホームページ作成時からの作品集です。
		画面表示のためのツールも技術習得の為にいろいろと取り込み、
		数多くの技法を習得し、シリーズ作品集として、管理しております。