座敷に入るなり、3つの建物が渡り廊下で繋がり「一塊の御殿飾り」となっているのには度肝を抜かれる。
後の屏風までをいれると、「一間四方(一坪)」の代物。
御殿の屋根は桧材の白木造り、そして、なにやら家紋が付いている。
家紋は、「丸に3つ柏」・・・掛川城(山内一豊)に見られる旗のマークと同じ。
おそらく、人形店の遊び心で、京都御所を模した建物に、岡部宿の藩主の建物に写し重ねての事だと思う。
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解説によれば・・・・、江戸時代の終わりごろ(安政3年)に京都の人形店に発注したもので、「柏屋」の親戚筋の山内家の先祖の娘(安政2年生れ)の初節句に贈られたものとか。
当初は、雛人形は50体以上あったらしいが、現在は45体が残っている、ただし、内裏雛は明治時代のものと判明している。
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「柏屋」の説明員の饒舌を聞きながら、「御殿飾り」を拝見するのもお薦め。
説明員は、京都まで、出掛け、「京都御所の紫宸殿、清涼殿、宜陽殿」を見てきたと・・・。
雛人形は遠近法で作られており、人形の仕草(天皇に奏上する為、階段を駆け上っていく)や、酔っぱらって、足元がふらついている役人や、すっかり酒に飲まれて仕事放棄の仕丁たち。
おすまし顔の官女達・・・雛人形の一つ一つをじっくり観察するのに時間が足りないくらいであった。とに角、13年間も雛めぐりをしているが、初めて出会った「珍しく貴重な、ユーモアにあふれた雛人形」ものだった。 |