東海館は、昭和3年に庶民の温泉宿として開業し、沢山の方々に親しまれ大いに賑わった。
しかし建物の老朽化が進み、平成9年に旅館としては閉館し、建物の耐震化工事に入り、平成13年から伊東市の新たな観光名所として再出発する。昭和初期には、建築資材や職人たちを集めやすかったようだ。
職人が腕を振るった自慢の建物は、桧や杉などの高級な木材や変木とよばれる形の変わった木々をふんだんに用いた美しい和風建築だ。
廊下や階段、客間の入り口など、館内随所に職人たちの手工を凝らした建築美がいきている。
[一戸建風の客室と廊下の飾り窓]
松川沿いの一階〜三階の客室には、入口に屋根を葺いた、一戸建風になっていて、板敷きの廊下側には、さまざまな形をした飾り窓があって、ここにも、職人の技と凝りようを見ることができ.。
[三階大広間と付書]
かつて120畳敷きだった大広間で、部屋の隅にはたくさんの高足膳が置かれ、毎晩、温泉浴客の宴席が設けられたことを思い浮かばせてくれる。
[唐破風の玄関]
隣の木造温泉とともに、今も昭和初期の温泉情緒漂う、伊東温泉でも数少ない町並み。
その町並みの中に、がっちりとした風格ある唐破風の玄関には旭日と鶴の彫物が飾られてい.。
『牡丹の間』の[書院障子の意匠]
二階客室「牡丹の間」の書院の欄間や障子には、幾何学模様や綱干し状のデザインが施されている。
障子には、幾何学模様や綱干し状のデザインが施されており、
和風建築の技術が最高レベルに達した時期の、職人の腕を振るった技術の結晶の一端を見ることができる場所です。
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