『くくり雛』は「押し絵」の技法で作られた雛人形のことで、岩手県の水沢地方独特の呼び名です。
厚紙の部品の上に綿をのせ、布で包み組み合わせて押し絵に仕上げていきます。
水沢地方では、綿を布で包むことを「くくる」と言うことから「くくり雛」と呼ばれています。
くくり雛の起源は、江戸中期にさかのぼり、その後、水沢の画人、砂金竹香(いさごちっこう)が女性や子供達に教え伝え、明治時代から大正時代に盛んに作られました。
内裏雛や三人官女、五人囃子のほか、歌舞伎やおとぎ話などを題材にしています。
くくり雛の背面には、竹などの串がつけられ、木製の台にこの串をさし、ひな壇に飾ります。私の「全国雛めぐりの旅」でも、『押絵雛』の人形は数ヵ所で見て来た。
@ 山形県酒田市 A 長野県松本市 B 長野県上田市 C 長野県須坂市
なかでも長野県松本市は「押絵雛」の宝庫であった。 |