D90が観た画像  d90-20122

静岡県熱海市東海岸町
撮影日 :  2020−6−9
「ジャカランダ遊歩道」は珍しい花壇
熱海市東海岸町には、いまでは昭和の時代の忘れ形見の「寛一お宮の像」が有り、「お宮の松」も二代目です。
『金色夜叉』熱海での場面(前編第8章)より、名場面ですが・・・
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「吁(ああ)、宮(みい)さんかうして二人が一処に居るのも今夜ぎりだ。お前が僕の介抱をしてくれるのも今夜ぎり、僕がお前に物を言ふのも今夜ぎりだよ。一月の十七日、宮さん、善く覚えてお置き。来年の今月今夜は、貫一は何処(どこ)でこの月を見るのだか! 再来年(さらいねん)の今月今夜……十年後(のち)の今月今夜……一生を通して僕は今月今夜を忘れん、忘れるものか、死んでも僕は忘れんよ! 可いか、宮さん、一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らして見せるから、月が……月が……月が……曇つたらば、宮さん、貫一は何処かでお前を恨んで、今夜のやうに泣いてゐると思つてくれ」
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貫一の映画(戦前は映画化だけで23本)や戦後のテレビドラマで「来年の今月今夜のこの月を僕の涙で曇らせてみせる」という名セリフがたびたび上映、放送されて当時の観光スポットになり、「お宮の松」ももともとは「羽衣の松」と呼ばれていましたが、昭和9年頃から「お宮の松」に。

話は大きく変わるが、「ジャカランダ遊歩道」には、たくさんの珍しい花木が植えられています。
いまは百合の花が咲いています。
続いて「ポップブッシュ プルプレア」と看板があった「花」。
調べてみると、ドドナエア・ポップブッシュというムクロジ科の常緑低木で、原産国はオーストラリア、ニュージーランドです。
寒さには、マイナス5度までは耐えられるということで、関東南部以西なら育つようです。
花のように見えますが、花ではなく「さや」なのだとか。

「遮光器土偶 (しゃこうきどぐう)」の目のような「花のような種のような」ものは、たわしの毛(ブラシの花の毛)が抜けたようなもの。

遊歩道(プロムナード)の花壇は、とても素敵に作られていて、ゆったりした良い心地です。