D90が観た画像  d90-20124

川崎市麻生区上麻生6−34−1
撮影日 :  2020−6−16
「浄慶寺のあじさい」と可笑しな羅漢さま
川崎市麻生区の南西部(最寄り駅は小田急線の柿生駅)に近い丘陵部に、「柿生のあじさい寺」と呼ばれている「浄慶寺」という寺がある。
元和元年(1615)の開山で浄土宗、本尊は阿弥陀如来である。
開山以来、尼寺で有り、東京小石川傳通寺(徳川家康の実母の菩提寺)より尼さんを迎えている。

浄慶寺の境内は決して広々とした印象ではないが、緑に包まれてひっそりとした佇まいが魅力だ。
春はさくら、夏はあじさい、秋は彼岸花・紅葉、そして冬にはまれに見られる白銀の世界。

その中心になるのが、境内には数十体の羅漢さまの石像が配置されており、そのユーモラスな表情が楽しい。
思わず見入ってしまう表情豊かな羅漢さまには、心も和むものがある。
中でも、カメラや携帯電話、パソコンを操作する羅漢さまは現代風刺の一例である。
馬鹿笑いする羅漢さま、小坊主の雑巾懸け姿には思わず「ぷっ」と吹き出す。

梅雨時になると昭和42年(1967)ごろから植え始めた1000本を超えるあじさいが咲きみだれる。
あじさいは参道から境内の随所に見られるが、何より美しいのは裏山斜面に植えられた紫陽花の景観だ。
本堂の右手へ、細道を登り裏山の斜面へと入り込むと、まるであじさいに包まれているような印象を受ける。
斜面には縦横に細道が辿っており、高みから見下ろしたり、下から見上げたりと、気ままにあじさいの風情を楽しむことができる。
裏山の斜面のほぼすべてがあじさいに埋め尽くされたような景観はまさに圧巻で、場所を変えれば景観の表情もさまざまに変わり、長い時間を過ごしても飽きることがない。
夏の始まる季節の一日、静かな寺に咲き誇るあじさいの中に身を置けば、世俗を忘れて穏やかなひとときを過ごすことができるだろう。

浄慶寺の境内には、秋葉神社の鳥居が有りますが、建てられた時代も目的も異なります。
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経緯を書くと長くなるので、それぞれの解説を紹介します。  秋葉神社に付いて    浄慶寺に付いて