今年に限り、雅叙園のひな祭りは様子が一変した。 ここまで、雅叙園の早春恒例のイベントが追い込まれたことはない。
「にっくき新型コロナ」のせいである。
そもそも、「雅叙園の雛まつり」は、地方(東北・北関東・飛騨・近江・九州)のブロック単位での雛祭りを誘致している。
そのため、雛人形の借り出しや運搬、飾り付けの人員と・・・ものと係わる人たちの人海戦術である。1月1日から始まっている「百段階段の百の縁起もの」に、2月2日〜3月14日の期間中に、稲敷市の愛好家団体と市商工会の有志に出展を打診したとか。同市の愛好者らによる「吊し雛(びな)の会」(筧英子(84)代表)が端切れを使って作ったつるしびなと、毎年春の「江戸崎の雛まつり」用に制作した「ねずみの嫁入り行列」の人形が出品される。
約15年前の発足当初20人ほどいた会員は現在10人で、年齢層も70代がほとんどで、活動を終えようと思っていた矢先の出来事。
感染拡大防止のため、会場の換気が必要になることから、人形の傷みを防ぐための湿度調整ができなくなったからだ。
雅叙園では、乾燥に強い現代の人形「木目込み人形・原孝洲のお雛さま」(特別協力:五色株式会社)とつるしびな「江戸崎の雛まつり」を組み合わせることで、開催にこぎ着けたのである。
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