D90が観た画像  d90-21046

東京都台東区上野公園13−9 東京国立博物館
撮影日 :  2021−3−10
おひなさまの原型と享保雛
あまり世の中では知られていないと思うが、東京国立博物館のお雛様展示は毎年内容が違う。
一般的に博物館での雛人形展示は、同じ作品を毎年並べることが多い傾向にあるが、東京国立博物館では毎年テーマを決めて展示を行っている。
そのため、滅多に展示しない作品も多く、是非とも毎年注目して頂きたいと思う。

今日、多くの方々がイメージする華やかな衣裳を着た雛人形を「古今雛」と称するが、これはそもそも大坂出身で江戸日本橋十軒店(じっけんだな:現在の中央区日本橋室町の三越前駅近く)に店を構えた初代原舟月が安永年間(1772〜1781)頃に創作し、二代舟月によって寛政年間(1789〜1801)に完成された形式に仕上げられたものである。
にもかかわらず、京都製の多いのは、それは圧倒的に江戸で作られた人形の現存例が少ないからなのです。
江戸の町は度重なる大火に襲われ、また関東大震災や東京大空襲によって壊滅的な打撃を被り、こうした中で江戸製のお雛さまは、その多くが失われてしまった。

今年は東京国立博物館が所蔵している身の丈50センチの「享保雛」が出ている。 当時は町方の競争意識が高く、他所で持っていないような雛人形、または、他所より大きな雛人形を作ってほしい・・・と、お金に糸目を付けづに競い合った。
下の一枚目の写真は、宮中で流行った「天児(あまがつ)・這子(ほうこ)」や立雛(たちびな)の歴史によって、雛人形の発展を、衣裳人形の優位を垣間見ることができた。
なお、このガラスケースの下段には、三つ葉葵の紋所のある雛道具があった。