D90が観た画像  d90-21066

新潟県村上市
撮影日 :  2021−3−19
城下町らしい昔ながらの黒板塀の景観
「黒塀通り」・・・何とも耳障りの良い言葉。 たしかに、戦後になって安易に設けられた「ブロック塀」は、工期も早く、安全性にも優れているが、見た目には悪い。 しかし、角館の武家屋敷を訪ねると「黒板塀」は城下町としてしっくりする。  東京の「神楽坂」を歩くと、黒板塀の中から、三味線の音色が聞こえるのも、なんと風流なものか。

さて、村上も同様に、城下町地区にある黒塀通りは、かつて芭蕉が通ったとも言われる歴史の小路で、重要文化財の寺院などが並び、城下町の風情を感じさせる小路なのだが、それをつなぐ塀のほとんどが時代の流れでブロック塀となっていた。
1998年から市民による「町屋の人形さま巡り」や「屏風まつり」が開催され、全く観光客が訪れていなかった町に全国から10万人を超える観光客が訪れるようになったが、観光客が通る小路に並ぶブロック塀によって景観が阻害されている状況をとても残念に思っていた。

そんな中、2002年に市民による「黒塀一枚千円運動」が始まり、住民を中心に市民が集まり、既存のブロック塀に板を張るという奇想天外な手法で小路のブロック塀を黒塀に作り替え、これまでに460メートルの黒塀が完成したと言う。
黒塀づくりが進む中、小路に緑を植えることで黒塀通りが見違えるように素敵になると気づき、2008年より「緑一口千円運動」が始まり、これまでにモミジやヒバ、イチョウなど60本の樹木が植えられ、さらに景観が美しいものになってきているそうだ。