中山町の伝説 
  『生き達磨』伝説

  昔、達磨寺村の名主市兵衛(史実では助 
左エ門)のもとに見すぼらしい僧が訪れた。 
 心をこめてもてなしたが、その晩急に苦 
しみ出し「須川のほとりの桜の根元に埋
めて三十五日たったら掘り出してくれ」と言い
残して息をひきとった。
 村人たちは手厚くほうむり、遺言どおり
に掘り返してみると芦の葉に身を託し、波
濤を一気に乗り切ろうとしている「渡海達
磨図」の掛け軸が一幅でてきた。 
  村人」たちはありがたくまつっていたが、
表具がいたんだので、修理に出すことになっ
た。 
  完成したとの知らせに、わざわざ都まで
やってきた市兵衛は、表具師に同じ図柄の
掛け軸を六本も並べて見せられ、ほとほと
困り果ててしまった。 
  宿に帰った市兵衛は、床の中で「笹の葉
で目をこすってくれ」、とのお告げを聞く
とまばたきをした。それを持ち帰り、達磨
大師の化身「生き達磨」とあがめ奉るよう
になったという。

  平成九年四月
   中山町教育委員会
    管理者 中山町