相棒の栞  (音声読み上げ)

長野県下高井郡山ノ内町
撮影日時 : 2020−10−18
10月の栞 『志賀高原・田ノ原湿原』
自宅を3時20分に出、関越道周りで上信越道「信州中野」ICまでガラガラの高速を走る。6時40分ごろには現着したかったのだが、やはり4時間弱はみておかないと、いくら空いていると言っても無理があった。7時には朝日が笠ヶ岳を照らす。手前の紅葉に光が当たり出す前、且つ、日差しが届いていない霜で真っ白になった湿原を撮りたかったのだが、到着したのが、ちょうど7時。既に路肩にある駐車スペースは、10台ほどの車が止まっていて残り一台の余地に急いで入れる。初めての場所故、そこからどう行くのかは知らなかったが、幸いにも立て看板の地図があり、坂を下ればいいことが分かった。

前日の雨で多少ぬかるんではいたが、湿原の入り口に立つと、一面の霜で真っ白な世界が目に飛び込んできた。残念ながら、急いでカメラのアングルを決めたころには、太陽が白樺の木々を照らし始めたころで、湿原のブルートーンには間に合わなかった。ただ、一面の白さだけは何とかとらえることが出来た。カメラマンは、ちらほら点在していたが車の台数の割には少なかった。おそらく、そのうちの何人かは一山超えた「木戸池」に行っているようだった。「木戸池」は10数年前撮影しているので、今回は「田ノ原」に絞った。

標高1600メートル、日本で一番標高の高いところに発生する「石の湯ゲンジボタル」生息地に近い。ここのホタルもいつかは撮影したいとは思っているが詳細を把握しきれていないため、いまだに訪問が叶わない。「田ノ原湿原」自体はレンゲつつじやニッコウキスゲが有名らしい。何せこの日が初訪問ゆえ、予備知識なしの突撃に近い。その大昔、志賀山の噴火によって流された溶岩が角間川をせき止めて湖を造った。不確実だがその湖は「志賀湖」と呼ばれた?ようだ。
ミズゴケが腐らずに数メートルの厚さに積み重なって出来たのがこの湿原である。と案内板にはあった。

早速、木道を渡りポイントを探したかったが、入口付近で撮影をしているカメラマンが二人いて、彼らのことを考えると、湿原の中に渡された二本の木道に足を踏み入れる事を遠慮した。彼らのあとからついて行くのがマナーだろう。しかし、彼らは木道に足を踏み入れず帰っ行った。もう撮影が終了したのか?、進む気がないのか?
と言うのも、真っ白な霜で覆われた板は滑りやすく、怪我が心配。片足を湿原に落とせば、完全に足を取られ下手をすればカメラもどうなるかわからない。ただ、湿原の奥の白樺の木々の辺りには、数名のカメラマンが確認できた。彼らが行かれるのなら自分も・・・。こうなると多少のリスクを冒してでも、この木道を渡るしかない。一歩一歩歩を進めつつ、周囲の絵になりそうな様子風景をを探す。クマザサやドウダンつつじ?などに霜がうっすらと乗り、綺麗!白樺の木立も、黄葉した色が霜で薄黄色状態。ゆっくりと霜が解け始めると、あたりはザワザワした例えようのない音を立てる。そして、霜はあっという間に消えてゆく時の音だ。太陽が、その光の強さを増すと、湯気となって湿原の上に立ち上る。その頃になると寒さは一変し、日向ぼっこをしている感じ。気持ちがいい。短い時間の中で、自然の風景の移り変わりを諸に感じた「田ノ原湿原」であった。

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