相棒の栞  モバイル版

静岡県伊豆市徳永1097
撮影日時 : 2020−6−16(火)
6月の栞 『伊豆自然村キャンプ・フィールドのゲンジボタル』
2014年,2015年,2016年と三年続けて行っていたのに、ずいぶんと足が遠のいてしまったものだ。気が付けば4年が経過している。19日までは県外への移動は慎重にとか、できるだけ自粛などとアナウンスされているので、少し躊躇したのだが、先月末に6月の予定を立てる時、この日を選んでお休みにしてあった。久しぶり伊豆冷川訪問のためだ。ただし、18時までに入場して、500円が蛍見学料。拙宅から現地までおよそ二時間少し。決して近いわけではない。にもかかわらず、今年のHPは全く更新されておらず、蛍情報がない。おそらく今年は新型コロナ・ウイルスの影響でキャンプ場が閉鎖されているか、ホタル見学を実施していないかで、案内していないのだろうと思った。過去に自分は、変な時間にここを訪れて養魚場のご主人にえらく叱られたことがあった。そのせいか、一度怒られるのも二度怒られれるのも一緒とばかりに、開き直って出かけることにした。一本気な性格で、正義感が強く話の筋を通す感じのご主人だから「コロナの影響下、県外からノコノコ蛍の写真を撮りに来る奴がいるか!」と雷が落ちる覚悟で現地まで車を走らせた。松川湖付近から風が急に強くなり木々が大きく揺れていた。なんか嫌な予感がしないではなかったが・・・。

18時ぎりぎりに場内に入る。いつもなら車が入ってくると、遠くから歩いて来て「お金」を徴収するご主人が今日は来ない。仕方がないので受付事務所まで坂を上がる。事務所には人気がない。洗い場で二人の男性が夕飯の準備をしているようだが、声もかけられないのでトイレを借りてそのまま戻る。ウロウロしてみたが、とにかく人がいない。いつもなら、いくら平日でもカメラマンは5名ほどは来ているし、テントも五張以上は設営されている。この日は隅の方に一張しかなかった。多摩ナンバーの「スバル・レボーグ」が一台止まっていて、中に人影が見える。2本の三脚が車の外に立ててあり「同じ穴のムジナ」を発見した気持ち。ともに越県同士、目と目が合い会釈をすると、すぐに車から降りて来てくれた。会話を進めていくと、どうも養魚場のご主人は、あまり体調がよろしくないらしい。奥さんが運転する車で帰ったとか?キャンプ場を管理する人に500円を払おうとしたら、「今年はあんまり蛍が出ていないからいい」と言って受け取らなかったそうだ。相手のカメラマンは調布から来た人で、昨年も一昨年も来たと言う。

時刻は19時近くになったので、話を切り上げ周囲をロケハンしながら車に戻った。キャンプ・フィールドの最大の撮影ポイントである橋は、50センチほどの幅で木製の橋が拡張されていて、三脚を置くのに便利になっていた。ただし、人が一歩足を踏み入れるとガタガタに揺れる。今日は人が少なかったから被害は少なくて済んだが、見物人も低い石の欄干に腰を掛ければ、蛍見学に持って来いの造りとなっている。あながちカメラマン用でもなさそうだった。

19時を回っても、強めの風は収まる気配がない。調布のカメラマンも悲観的な言葉を発していた。自分もこのままの風だったら、蛍は飛ばない(飛べない)だろうとは思った。しかし、これまでも夕方まで強風でも、夜の帳が下りるころには、風は止んでくれたことは幾度もある。そして、まさにこの日もその通りになった。19時半近くになって結局カメラマンは2人だけ、若い男性の3人組、そして地元に住みながらここへは初めて来たと言う20代の女性2名。あり得ない人数の少なさ。おかげで橋の上から気兼ねなく撮影のしまくり。今まででの中でも、かなり納得のいく撮影ができた。蛍に関しては、通常19時40分が目安の発光時間なのが一向に光らず。調布のカメラマンさんが、管理人の話として今年は少ないと言ったのが現実となりそうな雰囲気だった。

20時近くになって橋を挟んで下流の方から3頭が飛び始め、やがて10頭くらいが気持ちよさそうに高く飛び始めた。なんてことはない、ちょうどその頃風が突然止んだのだ。蛍もそれを待っていた。カメラは予め下流に向けて一台置いておいたので(置いただけで準備はしていなかったので、画角に不満あり)そちらの操作に構いっきりになった。少しして「こっちも飛び始めましたよ!」の声に振り替えると、上流も結構な数が飛んでいた(上流はバッチリカメラのセッティングをしてあった)。急いでタイマーをオンに、20時半くらいまで上流も下流も長い間シンクロした光の点滅を「鑑賞」することが出来た。見学者も、皆初めは「すごい」とか「きれい」とか言っていたが、シンクロの最高潮時には皆黙って「蛍劇場」に吸い込まれてしまっていた。

21時ごろには、ひと段落したと見え、少し大人し目の飛翔になったので、見学者は帰路につくなり、バンガローに戻るなりこの場を去って行った。21時半過ぎには、調布のカメラマンさんも機材の片づけ準備を始め、22時前には挨拶を交わして去って行った。あとはほぼ貸し切り状態になった。一旦休憩後、冷川起点(沢口川)にあるダム(下尾野第一砂防ダム)に移動。レリーズの不調をチェックするのに時間がかかり23時近くになって修復不能。仕方なく手動で撮影に臨む。時間が遅かったのであまり期待はしていなかったのだが、どうしてどうして乱舞とまではいかなかったが、結構元気に休むことなく間髪入れずに飛んでくれた。コロナの自粛の影響で、伊豆スカイラインを通る車がほとんどなかったため、「光害」を気にすることなく撮影ができた。

ここの蛍の「元気度」は他のほたる観賞地に比べて群を抜いている。自然に恵まれた環境下にあるからかもしれない。ただ、今後養魚場のご主人が体調不良で交代ないしは廃業する可能性も捨てきれない。そうなったら、と一抹の不安はある。確かに、蛍の数はピーク時に比べれば少ないのかもしれない。しかし、適当にこの日時辺りが見ごろだろうと予想して、20日も前に予定を立てた自分にとって、これだけの飛翔は感謝しかない。

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