| 3月の栞 『大岡川プロムナード』 |
事前調べが十分ではなく、ライトアッブは今日もあるものばかりと思い、18時を待った。しかし実際にはライトアッブは金、土、日、たけだった。すっかり、灯りがつくものとばかり思っていたものだから、夕方は弘明寺商店街や弘明寺観音周辺を、撮影に集中するでもなくブラブラしていた。
実は、自分は高校時代あるクラブの部長をやっていた。そのクラブが全国組織を持っていた関係で、他校との交流も盛んだった(最後には神奈川県連の委員長までさせていただき、組織がお金を出してくれ四国まで行った)。月イチ程度で神奈川県単位の会合があり、わざわざ横浜駅東口迄出かけなければならず、交通費がばかにならなかったのだが・・・。当然そこに集まるのは各校の部長や副部長。自分もある女子校の部長と、当時で言うグループ交際的な形で山下公園や港の見える丘公園などに集まって、お弁当を広げたりした。もっとも、そんなグループ交際もほんの数回で終わり、そのうち高3で部長を引退する頃には、大学受験が頭をかすめてきて、電話や手紙のやり取りで時は流れた。高3の秋、文化祭の時だった。当然自分は部員たちを連れて、山手の丘のきつい坂を上がって、某女子校にたどり着いた(あの辺りは女子高が4つほど固まっている)。当時の記憶は殆どないが、大ぴらに女子高に入れる気分は、高校生としては最高の経験の一つだろう?!何を見学し、何を話したのかは全く覚えていないが、生徒会関係の生徒が、他校の生徒は退出するよう見回りに来たのだが、自分達が見つからないように、何処かに隠れさせてくれた記憶がある。最後まで居てね!という部長の言葉に部員達が反応した結果だった。
問題はそこでは無く、この女子校文化祭に行った際、一人の女子部員と(多分部長が忙しくて、話をしていなかった時)話をしている内、相手から連絡先を渡されたか、自分が相手から頼まれて住所を教えたか忘れてたが、数回電話で連絡を取り合った。そして、成り行きで会うことになったのだが、次元が違った。電車でトボトボ出かけるなんてことではなかった。ドライブなのである。彼女の運転で!高校にも車で通学しているので運転はうまかった。彼女曰く、「生徒手帳には、自転車通学は禁止と書いてあるけど、自動車通学は禁止とは書いてなかった」と言ったその言葉だけは、今でもハッキリ覚えているが、どこを走ったかなんて全く記憶にない。おそらく女子高生の運転する車でドライブするなんて、この世の出来事とは思えない程自分を失っていたのだろう?確か車はいすゞの「ベレット」だったと思う。車に詳しい年配の人でなければ、いすゞ自動車が乗用車を造っていたことさえご存じないだろう!?
その後、噂、いえ事実はすぐに広まり、当然そのクラブの部長からも連絡が来た。問題は当時の高校生としては複雑で、彼女も何を問題にしていいのか?自分を攻めあぐねていた感じで、冷静にふるまっていた感じがした(ビクビクしていたのは自分の方)。とりあえずは事実確認に始まり、部長として言うことだけ言っておこう!程度で済んだ。つまり、部員が自分とドライブしたことを攻める訳でもなく、学校のクラブ同士の禁止事項でもないから、なんとなく回りくどくあまり好ましくない感じのことを言われた。一方で、部長としてではなく、個人的感情を顕にすることも当時の女高生としては、(今の時代とは違って)憚れたのだろうか、個人的お付き合いのことは言い出すほどの図々しさはなかったのだろう。その後、こちらとしては、車の女子高生と会うことは止めた。それが、部長に対する答えだと相手はわかってくれたようだ。相手から「貴校のT君から手紙をもらいましたが、きっぱり断りました。」との電話の向こうの声に、言葉を失った。答えに詰まっていると、「これでいいんですよね?」と。今思えばこれが青春のほろ苦さかもしれない。彼女は現役で中央大学に入り、自分は浪人が決まった段階で、THE
END.となった。
実は、商店街をウロウロしているうち、こんな思い出が思い出され、彼女が弘明寺で下車している事は知っていたが、実際にはこの街を歩いたのは初めてだった。だから、中里町という地名まで記憶が蘇ったが、流石に番地までは???第一、町名表示も変わってしまっただろう?下町情緒を感じる事ができる、ノスタルジックな雰囲気な街に、あの人は住んでいたんだと言うことだけは味わうことができた。
ライトアップありと信じて疑わなかったので、一向に明かりに照らされない桜を不審に思いだながら、少なくても夕方明るいうちに歩いた限りでは、申し訳ないがカメラに収めるギリギリのラインで、「なんで此処が、神奈川県の桜の人気度で上位に位置しているのか?」解らない。桜の木は老木が多く中には伐採されて、間隔がまばらで後方の建物が丸見えで、個人的にはこういう撮影はしたくない方なので残念だった。確かにライトアッブされれば後方の灯りもうまい具合に利用できるのだが、やはり桜は少し寂しい感じがしてならない。尚、ライトアッブ風景をしっかり撮影されている近藤師匠の作品(2015年4月3日)がございますのでこちらからご覧下さい。→ クリッリ
19時をまわってもつかない明かりを確実に不審に思い、ようやくスマホを見る。そして水曜日にはライトアップが無いことを知った。幸い、車を止めたコインパーキングが770円と、この付近では最安値の最大料金だったので救われた。時間の無駄はこの際、己の下調べ不足として諦めようと思った。勿論、コロナが無くなりライトアッブがされたとしても、近藤師匠の作品を拝見する限り、桜の下での宴会色が印象的で自分にはノーサンキューな被写体だ。この時期ほとんど同時に満開を迎えてしまう桜を考えると、ここへの再訪の優先順位はそれほど高くはないと感じた。 |

|
|