| 5月の栞 『寝覚の床』
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辺りも次第に暗くなりつつある国道19号を帰宅の途に就く。途中「目覚の床」の看板矢印が目に入る。しかし、車を停めるにはコイン駐車場しかなさそう。既に観光みやげ店は店を閉め、そばを食べたくてもかなわず。営業時間外だから、ここに止めても良かったかもしれないが、やめておいた。
坂を下り右手のガソリンスタンド横の下り坂を下りると上松町営駐車場があり、こちらの方は無料。高度差がないので『目覚めの床』へのアプローチは、木立を通ってすぐに出られる。ところが、歩き始めたころは既に林の中は暗く、ヘッドランプをつけての散策となった。5分ほどで奇岩が並ぶ展望の開けたところに出る。こんな時間一人で立っている人を見て不審に思われないか?それほどこの景色をこんな時間に見に来る変な奴はいそうにないだろうと内心思う。ただ、そういう気持ちが芽生えるのも、この不気味なまでに形の整った直方体の岩や、妙な形の石が変な連想をさせ、とても穏やかな気持ちになれなくさせているからかもしれない。さぞ天気の良い日中に来れば撮影のし甲斐もあるし、岩を渡り歩きながら面白い形の岩の発見や、エメラルドグリーンの川とのコラボも楽しめるのではないかと容易に想像される。
残念ながら、じっくり周囲を眺める時間も短く、辺りはすっかり暗くなり、岩の上まで歩を進めるには、いささか危険すぎると思い、公園を通って戻ることにした。ライトの灯りだけが頼りとなった足場のあまりよくない散策路は、道しるべもなく、自分の勘で駐車場の方向に歩く。駐車場横の休憩所の灯りが木々の間からチラチラ見えたときは自分が方向音痴でなかったことにホッとした。昭和50年ころまで活躍したという森林鉄道の汽車の撮影には、さすがにヘッドライトをフラッシュ代わりに使わざるを得なかった。当時、東京大阪間に匹敵する総延長を誇った木曾のヒノキの運搬に活躍した汽車を暗闇で見ていると、何か大切なものを日本の林業が失ったのではないかと感じざる得なかった。
駐車場に一台だけ止まっている自分の車を見たとき、さすがに疲労を感じ、これから、5時間以上かけて帰るのが重荷になっていた。少し仮眠を撮ろうとしたが、なぜか、この日の景色が次々に思い浮かび、頭だけは元気みたい。途中眠くなったらという条件付きで車の電源ボタンをON。国道19号は、比較的すいていて走りやすかった。それがまた睡魔を呼ぶのだが、国道361(権兵衛峠道路)に入ると二車線の素晴らしく走りやすい道路となり、俄然目が覚めた。
「阿寺渓谷」中心に一日で三か所の立ち寄りで、かなりハードではあったが、充実したゴールデンウイークの一日の収穫となった。 |

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