相棒の栞  モバイル版

新型三菱アウトランダー試乗記
撮影日時 : 2022−4−18〜4−20
4月の栞 『新型三菱アウトランダー試乗記』
本来なら一泊2日の貸出なのだが、三泊4日の大盤振る舞い、ではなく単に藤沢店の都合ということにしておきます。だからと言って全日乗り回したわけではなく、遠出が出来たのは、仕事を無理やり休みにした1日のみ。それでも、今のアウトランダーを購入する時にお借りした半日よりは、ずっと長く多くのシーンを体感出来た。 
有難うございました。

勿論、担当のセールスマン(この言葉あまり好きではありませんが)の気持ちを汲み取り、十分な試乗記事を書く事で、ご厚意に報いたいと思います。

発売以来、かなりの反響があったようで、あっという間に納車半年待ちになった。しかも、決して安いとは言えない最上級グレードのP7人乗り(532万程)が、かなりの売れ筋だというから驚く。先日、車を返しに行った時も、上海のコロナによるロックダウンも加わり、もっと納期が延びそうだとも言っていた。

今回、全面改良されたアウトランダーだが、まずスタイリッシュな外観が目を引く。中型SUVとしてはその存在感は他を圧倒する。先代のアウトランダーはダイナミックシールドとのネーミングにより大幅な「リ・フェイス」を受け、それなりの反響はあった。ちょうど各社がオラオラ顔を競っていた頃だ。自分も排気量が2400ccになった段階で購入したわけだが、購入ポイントとしては電気の走りと、いざという時の給電に重きを置いての決断となった。

走りに関しては十分満足出来たし、ディーゼルエンジンのSUVからの乗り換えだったので、その静かさは長距離走行の帰路などでは、疲労軽減と安らぎを感じたほどだ。また、一度だけだが、拙宅が停電になった時、アウトランダーから電源供給を受けた。エアコンと一部屋だけだが、照明が使えたため、仕事に差し障りは殆ど無かった。高台にある拙宅の窓から真っ暗な周囲を眺めて、ここだけ明かりがついている優越感は、なかなかなものだ。まあ、災害はないにこしたことはないのだが…。

昨年暮れ、アウトランダーのスタイルを見た時、「なかなかいいな。」とは思った。ダイナミックシールドも、かなりデリカD5で激変したが、エクリプスクロスも含め個性的であることには間違いない。大胆ではあるけれど品がないかと言われれば、それなりの品は維持している(尺度的にはスピンドルグリルを下品と思っている人間の基準)。全体のまとまり感もあり、どっしりした安定感と存在感は、先代を大きく上回る。

室内に関しては評論家の皆様が高い評価を与えているので、そうなのかもしれないが、自分的には水平基調のすっきり感は感じるが、先代に比べてどれだけ高級になったかは上手く説明出来ない。ただ着座位置が低くなったのか?(調節で高くはできる)はたまたボンネットのスラントがあまりなく、先端まで高いままなので近くの視界が良くない様に感じた。又これも着座位置が低いせいか、リアワイパーの付け根部分がやたらに目立つ。試しにボンネットを開けてみると、エンジンを囲むフレームの上に突起物を溶接し、高さを稼ぎボンネットを固定している。これによりフロントグリル部分の表面積を大きくし、押し出し感を増幅させている。二台のアウトランダーのフロントを比べてみると、先代のそれは繊細さをも感じてしまう。購入した時は派手なフロントだとさえ思ったのに。

自分が車を購入する時、最大の購入ポイントに挙げているのは走りのみ。t31ディーゼルは、トルクの太さと長距離走行での燃費の良さと軽油の安さが最大の魅力(当時ハイオクとの差が40円もあった)。アイドリング時のガラガラ音が、60キロを超えたあたりからガソリンエンジンかそれ以下の静かさになるのも、変に好感が持てた。そう言う点では、長距離走行が多い自分にとっては、ベストだった。あっという間に13万キロも走ってしまった。流石に前輪の駆動系から異音がしたり、オルタネーターがいかれかけてきて、次はクラッチだろうと修理の事ばかり気になり出して、先代のアウトランダーに乗りかえた。

残念ながらコロナの影響で各地イベントがことごとく中止。自粛ムードに染まりすぎた自分は、段々外に出るのが億劫になってしまった。結果、三年経っても3万キロしか乗っていないが、自動車評論家が、「 先代と比べて」という比較試乗記よりは「先代」に長く乗っていることは間違えないので、自信を持って比較して行きたいと思います。

実は、今回の二泊三日の貸し出しの前に、担当セールスマンからお決まりのテスト・ドライブコースだけは店頭に新型が到着してすぐ試乗させて頂いた。6センチばかり幅が広がっていますと言われたが、全く違和感なく自分の車の様に走り出せた。ノーマルモードでの出足は、素早さを増していた。助手席のO氏に自分の車で言うスポーツモードに切り替えをお願いした(自分では操作の仕方がわからない)のだが、その走りは、やや過激と言う表現に近い加速を見せた。助手席に座る人は、jza80の加速に男女問わず「背中が押しつけられる」と言うが、この新型も「やや押し付けられ感」がある。フロントモーター、リアモーターそして駆動用バッテリーの三つがおよそ4割増しの出力になっていて、これ以上速いのが欲しければ、RAV4PHVで直線を楽しむか、スポーツカーを買いなさいと言っても過言ではないと感じだ。

二泊三日の貸出の間、毎日走りたかったが、平日ゆえ仕事との関係で、なかなかそうはいかなかった。それでも500キロ以上は乗ることが出来、それなりの感想は書けそうであった。が、その前に今自分が乗っているアウトランダーで、唯一気に入らない点を先に言ってしまい、喉元に引っかかっている小骨を取り除いてしまおう!
それはガソリンタンクの容量だ。床一面に電池が敷かれているのだから、初めは仕方ないと思っていたのだが、長距離を走るにあたっては、そのほとんどがエンジンを併用するので45リットルのタンクは流石に小さい。東北や中部信越地方に出かける時は必ず携行缶にガソリンを20リットル入れていく。それでもギリギリで帰って来たり、やはり高速で高いガソリンを入れる羽目になる。入れることが問題というよりは、残量を気にしながら走る気分の悪さが、精神的によくなかった。その点ではせいぜい関東圏を往復すること程度のレベルでしかなかった。長野市でギリギリか?今回のフルモデルチェンジで56リットルになり、180キロ前後は余分に走れるものの、せめて60リットル程度は欲しかった。
もっともこの車で殆どガソリンを使わないで日常生活を送る方にとっては、単に重いものを余分に積んでいる様なものかもしれませんが。

3万キロ乗って気がついた点を二つほど。
これは、目をつぶれる程度のことですので聞き流して下さい。 

一つは山岳道路を激走して、頂上まで辿り着いた時、マフラーのチリン-チリン言う音がやたらに大きいこと。1970年代、排ガス規制が始まった当初なら兎も角、興醒め。

もう一点は、もっと聞き流し(出来れば殆ど無視し)てくださると嬉しいですが。
中央道の長野方面に向かうダラダラの上り坂で2度ほど経験したこと。
86あたりが、それなりの速さで坂を上がって行くのに追従して行くと、電池温度との関係かわかりませんが、「出力制御」の表示が出る。よってスポーツモードのパワーは愚か、ノーマルの力があるのかも疑われる走行となる。結果86とはどんどん距離が開き、やがて遠く小さくなり見えなくなる。こんなことが2度ほどあった。2400ccのエンジンだけでも、もう少しパワーがあってもいいはずなのに、電池との関連がかえって邪魔をしているのかしら?こんな時二トン近い重さを感じたりして。

[先代との大きな違い]
☆エコモードでの距離の違い。
藤沢店を起点にして、自分のアウトランダーは、普通の交通量なら電気だけで箱根登山鉄道の大平台手前のヘアピンカーブまでがやっと。ところが新型は静岡県との県境、乙女峠まで辿り着いた。しかも、あと5キロほどの残量表示。これは大変助かる。なぜなら、トンネルを抜ければあとは坂を降りるだけ。パドルを使えば電気は溜まる一方だ。結局、138号の水土野ICまで引っ張ることが出来た。エンジンを使わずに、ここまで走れたのには大変満足している。
EV走行時の感覚として、乱暴な言い方をすると、新型のエコモードが先代のノーマル、新型のノーマルが加速性能的には旧型のスポーツモードの走りに近い(そこまではステップアップはしていないが、近いことは感じることが出来た)。


☆エンジンが別物
清里高原の先まで走れば、当然エンジンで走ることも多くなる。アクセルペダルの踏みしろが大きくなった感じはしたが、電気のアシストがある間は、強く踏み込むことなどできない。帰路、国道141号線が小海線の踏切を渡って少し走ると「海の口」と言う地名あたりからヘアピンの上り坂となる。追い越し車線があり、ここでアクセルを床まで踏込む。すると少ないながらも電気のアシストがあるかの様なトルクたっぷりの加速をするではないか!エンジン音も大きくはなるが、全然嫌な音では無い。踏めば比例して加速していく感じが暫く続く。先代のエンジンが2400ccだとしたら2800ccぐらいには感じた。実際にはたった4キロ・ワット、500回転のアップでしかないのに。意地悪く言えば先代が2000cc、今回ようやく2400ccになったか?何はともあれ、今回の新型はエンジンだけでも、アクセルに対しての反応にダイレクト感があり、楽しいクルマになっていた(先代は出足はまずまずだが、途中からの加速がイマイチだったし、アクセルレスポンスもキレが甘い)。元々、足回りは低重心と相まって安定していたから、ヘアピンカーブをアクセルペダルのコントロールで安心して操れる。運転していて思わず口元が緩んでしまった(マスクのおかげで外からニヤニヤしている自分は見られずにすんだが)。

ただ一点だけ不満がある。それはパドルシフトだ。自分のアウトランダーはパドルシフトが9時15分の位置で固定してあるのだが、新型は、ハンドルと一緒に動く。ハンドル操作時、パドルが6時方向の時は、まずパドル操作はできない。今、このパドルを操ることを楽しんでいる自分にとっても、残念至極である。しかも、このパドルは小型化されてしまった。バンドルと一緒に回すなら小型化もやむを得ないが、元々の発想が違う。
ワンペダルを使えばパドルの代行可能なのか?機会があれば、チェックをしてみなければならない。

長々と書きましたが、次から次へと書きたい事が湧いて来て、作文に詰まることはありませんでした。それだけ、奥の深い車だと言うことが言えます。おそらく、かつてのランエボオーナーも納得出来るクルマに仕上がったのではないかと思いました。

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