相棒の栞  モバイル版

長野県下伊那郡泰阜村
撮影日時 : 2025−11−21
11月の栞 『JR飯田線秘境「為栗駅」周辺を訪ねて紅葉ぶらりドライブ』
まず、「為栗」が読める人は、そう多くはないのではないでしょうか?「してぐり」と読みます。勿論、自分も読めませんでした。飯田線には秘境駅がいくつかありますが、為栗駅は絶対に印象に残ること間違いなし。もしかして、一日の乗降客は、0人かも知れません(2018年の統計では一日の乗降客は2人とある。)線路を挟んだ向かい側の「ぽつんと一軒家」には数年前までは、お元気であれば御年86歳になられる男性が一人で住んでおられたそうですが、今では施設に移られたとか?また、この駅から一時間半も歩く所にある自作の家屋に時々来るという御婆さんが、この駅で下車する姿が見られたというお話も聞く。それでも戦前は集落の存在があり、平川ダムの完成により水没、2軒を残すのみとなった。もちろん今は無人家。

為栗の由来を簡単に。「為」とは「湿(しと)」が変化したもので水のこと。「栗」は抉る(えぐる)を意味する。「水に抉られたところ」ということになる。実際この地に立てば、天竜川が大きく湾曲していて、為栗駅を出発した電車は大きくカーブをして鉄橋を渡りトンネルに入っていきます。橋の手前までは県道430号線がありますが、全長1キロもありません。その区間に民家もなし。つり橋を渡らなければ為栗の駅には絶対に行くことはできず、この駅の最終22時53分平岡行きで下車したとしたら、怖くてつり橋を渡れるかどうか?ホームから110メートルチョットかけて歩き、つり橋を渡った後また500メートルは歩かないと車の通りには出られません。角には飲食店があったそうですが2022年閉業。

自分がこの天龍橋を8時過ぎに渡った時は、霜で相当滑りました。ましてや怪情報で「天竜川をクマが泳いでいた!」なんて話も聞いていたので、つり橋を渡るのも冷や冷やものです。朝の6時半から、14時近くまで当地滞在時間で人と話したのは、最初に「唐笠」駅近くの渡線橋で会った撮り鉄君(なんと同じ神奈川県から来た(相模原市)という若者、一泊二日の遠征)ただ一人でした。

全く土地勘もない(寧ろ、殆ど撮影場所さえ決めていない)天竜川に沿って走る飯田線の景色の良い場所を探しながらのドライブは、探究心を唆るものがあります。この橋の上からは飯田線見えるかな?この先の道路を進むと絶景あるかも?河川敷に降りたら頭上の橋梁を走って来てくれないか?無駄足の中に、ごく稀に当たりが有るのが楽しい。それにしても昼近くになると電車は1時間に一本も無いことがあり、時間のロスは相当なもの。しかし、待ちに待ってレールから音が聞こえると倦怠感は一気に吹き飛び、シャッターボタンに力が入る。ホタルや花火、ましてや動体の入らない風景写真とは又別な感傷が味わえる。

それにしても、この辺りはダム建設なのかダンプトラックが行き交う。通行車輌の半分くらいを占める。撮影場所によっては歩道のない道路端だったので、多少怖さを感じた。紅葉はそれ程綺麗ではないが(時期的にではなく、場所的に)、大いに秘境駅の雰囲気を味わい、鑑賞できた。今でも記憶にあの哀愁漂う駅舎の雰囲気が蘇る。まだまだ知らない日本が沢山ある。

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