4月の栞  『一目千本桜(ひとめせんぼんざくら)と船岡城址公園』

当然のこと、教え子達の田舎は日本全国あちこちだが、そのうちの一人、おばさんが仙台にいると言う中学生から、白石川の桜の話を聞いたのはもう4年前だ。
東北にしては早めに満開になってしまうので、ほかの一本桜とのはしごが出来ず、機会を失っていた。
行ってみて、お恥ずかしいことに一本桜との「はしご」どころではない。
そんなことをしたら、ここの古木たちが「こんな見事な花をつけているのに。そんな考えなら来ないでくれ!」と怒り出すに違いない。

大河原町の千本桜だけですら、写真を撮りながら歩けたとしても半日はかかる。
「歩けたとしても」と書き込んだのは、実は歩けないかもしれないからだ。
一方通行ではないから、土手道路は結構な混み具合で、流れが止まり渋滞することもある。
特に大河原駅付近の道は土手の法面までもが花見客で一杯だ。
しかしそんなことが問題なのではない。

JR東北本線大河原駅と、となり駅の船岡駅の間は線路上の距離で3キロ。
電車に乗れば所要4分。(実は戻る時、歩くだけの時間と体力がなくて乗ってしまいました。)
その二駅の間だけを白石川の桜を観ながら土手を歩くと3.5キロ。
桜並木はその2倍以上8キロあるという。

車を何処に止めようが、3.5キロの往復=7キロは歩く。
理由はその間にJRを渡る踏切がないのだ。
よって船越公園に行かない場合は、絶対にR4号線側に止めたほうがよい。
疲れたらすぐに戻れるからだ。
但し来年春には、県道白石〜柴田線からJRを跨いで土手に出られる渡線橋が完成するらしい。

午前4時半出発、350キロをおよそ4時間で船岡城址公園駐車場に到着。
しかし、既に駐車場に入る車で、100メートルの渋滞。
両方向から駐車場に入ろうとする車が列を作っていて、実質200メートルか?(尚この渋滞は夕方まで解消されませんでした。)

実は、外出時にとんでもない時間的ロスをしてしまった。
ETCカードを忘れ,(軽ワゴンに入れっ放し)横浜まで走ってしまい慌てて戻ると言う失態。
その時の1時間のロスが全てに響く一日となってしまった。

まず、入場に20分近くかかり、8時から撮影開始をもくろんでいたのが9時を過ぎた。
次に、船越公園駐車場は、多少は船越駅に近いものの、自分としては、公園前の道路に出れば、てっきり近くに踏切があると思っていた。
少し歩いたがそれらしき踏切はない。
嫌な予感がしたので、すれ違った親子に尋ねると、「駅まで行かないと渡れません。」
ガァーン・・・。  トホホ・・・。
駐車場を変えたいくらいだったが、何処ももう既に簡単には入れまい。

10キロはあるカメラとレンズ(28〜300,100〜400の白レンズが特に重い)が入ったリュック、カーボンとは言え途方に暮れた感のあるショックでやたら重く感じる三脚。

初めていく場所で体験する想定外の「知らなかったシリーズ」の幕開けだ。
実は、韮神堰は、カメラマン定番スポットであり、8時ごろまでに撮影したかった場所。
しかし、車を置いた場所が、JRの線路を挟んでほぼ向かい側に位置する地点。
線路を横切れば100メートル先にある撮影ポイントが、2キロ歩かないとたどり着けないなんて・・・。
致命的失態である。
最も近い踏切がある、船岡駅まで歩いたら、駅舎の時計は9時を少し回っていた。
駅横の踏切りを渡って白石川に出ると、そこは既に多くの見物客がひしめき合っていた。

人を入れずに撮影するのは最初から諦めるしかなく、いかに順番で撮影箇所を譲ってもらうかが先決事項。
しかし、カメラマンもいるにはいるのだが、それよりも圧倒的人数のスマホ客で、カメラの前を平気で通り過ぎるのは当たり前。
私がアングルを決め、風が弱まるのを待っていると、おそらくここがいいポジションなんだろうと思って、私のレンズの前にそれらしき機材をかざし、目的達成後は無言で立ち去って行く。
「お前がスマホをかざした時が丁度風が止んだ時なんだよー。  挨拶もなしかよ!」と何回思ったことか。

結局、韮神堰に着いたのは12時。   THE END.

桜は太陽の角度が悪く、黒ずみ、堰の先端に立ったまま動かないカメラマンが邪魔になり、対岸にもブルーシートを敷いた花見客(この青色が又目立つ)がランチタイム。
第一、一番肝心な条件だった風が、結構強くなり水面が鏡にならないので桜の花の写り込みもなし。

これだけ条件が悪化したにも拘らず、敗北感がなかったのは、予想を遥かに上回る大きな桜並木のスケールが、「小さなことは気にせず、好きなだけ桜を撮影しなさい。蔵王連峰も見えるし、桜も満開なんだから。
東北本線の列車と並行する桜だけを撮りに来る鉄ちゃんもいるくらいだし。」と言ってくれていたように感じたからでしょう。

「旅は道連れ・・・」とはよく言ったもので、途中から案内人が付きました。
福島市から一人で電車に乗ってきた、中学2年生の平山君です。
私が撮り鉄モドキで、電車を撮っていると、「次は上りがOO分に来ます。」と教えてくれた。
自分にとって、この無案内な土地では、どっちが上りか下りかも一瞬迷う。
更に時刻表を開きながら、「この間とこの間が空いているので、貨物列車(金太郎とか言っていました)が通るかもしれません。」などと説明、彼が可也の鉄道ファンであることが分かった。

結局、彼は「一人で回るのも心細いので一緒について行ってもいいですか?」と船岡城址公園まで荷物持ちをしてくれた。
城址公園の見晴台から線路を眺めながら色々話をしていると、突然電車の警笛の音を聞いて、「あっ、国鉄だ!」と叫んだ。
「撮って下さい。」

私は何のことか分からず線路を眺めたが、そこには今のJRの前進である旧国鉄で使われていた、クリーム色に窓枠部分に赤のラインが入った381系らしき? 臨時電車が走っていた。
慌てて100〜400ミリを一杯伸ばして何とかゲット。

モニターを見せると、少し興奮した表情で「住所教えますので送ってください。」と言い残して、16時に城址公園の急坂を駆け下りて帰って行った。
どうも貴重な車両のようだった。

夕方になると風も更に強くなり気温も7度くらいまで下がった。
日中の暑さは何処へやら、寒さをこらえて少しだけライトアップされた染井吉野を撮影し、19時30分車に戻った。

高速道路の休日割引率も減少、ガソリンもレギュラーガソリンがハイオク並みの価格、ハイオクは・・・。(絶句)
桜、花火そして蛍、その他あらゆる被写体を求めて出かける時、これまで以上に充分な下調べと、安易な妥協をせず、厳格な決断を強いられることになりそうです。

今回は初めて訪れた場所ゆえ、とんでもない失敗もありましたが、素晴しい場所がそれをカバーしてくれ、70〜80パーセントの成功としておきます。

撮影日:2014−4−13  宮城県大河原町及び柴田町にて

1.船岡駅時刻表 2.駅の看板すらない船岡駅
3.白石川に出るといきなりこの風景 4.船岡城址公園を臨む
5.船岡駅から大河原駅に向かう 6.蔵王連峰を見ながら歩きます
7. 8.
9.JRと船岡公園 10.人が通り過ぎるのを待って
11.これ以上混雑すると立ち止まれなくなりそう 12.
13. 14.12時、韮神堰(にらがみぜき)に到着
15.手前の桜の色が今一です 16.蔵王連峰もきれいです
17.いつまでも眺めていたかったです 18.電線を無造作に入れてしまいました
19.桜三昧の散歩です 20.現地で知り合った中学2年の平山君
21.韮神堰で記念撮影 22.大河原駅近くの末広歩道橋より
23.船岡城址公園に到着 24.ナツメロのステージをやってました
25.福島の花見山を思い出しました 26.後方は全てソメイヨシノ
27.いい雰囲気。 急な上り坂ですが 28.平和観音
29.今度は上から白石川を臨む 30.さくら歩道橋と柴田大橋
31.撮鉄シリーズの開始快速 32.仙台行普通
33.望遠レンズにて 34.これでも四輌編成です
35.JR貨物EH1500電機機関車 36.編成が長くおさまり切れません
37.17時でも車の渋滞は解消されません 38.平山君が欲しいといった臨時列車
39.スロープカー 40.17時20分夕日に照らされる桜並木
41.「樅の木は残った」で有名な木だそうです 42.ライトアップがはじまりました
43.中央、満月2日前の月 44.夜桜見物にお客さんは絶えません
45.月です 46.19時18分本日の最終

拡大写真でご覧頂けます。

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