2月の栞 『箱根大観山からの富士山雪景色』
| 撮影場所に関しては、過去に何度も此処からの富士山をご紹介しており、珍しいものではありません。 しかし、前日遅く雪が止み、満月を二日ほど過ぎた月が輝いていると成れば、貴重な偶然が重なったと感じなければならないでしょう。 マツダターンパイク入り口の大観山レストラン駐車場が撮影場所としてピンと来なければ、みすみすチャンスを逃す事になる。 結局、藤沢では雪が積るどころか、霙が降ったのかどうかも判らず、22時に生徒を送った時には、空には月が輝いていた。 矢張り、余程の条件が重ならなければ、湘南海岸に雪が積る事はないのだろう。 箱根の降雪状況を調べた後、3時間ほど寝床に入り、午前3時半出発。 西湘バイパスの路面は半分程度渇き、小田原でも雪は積った形跡がない。 箱根新道も畑宿を過ぎ、七曲のカーブ付近から、道路端に掻き分けられた雪が有る程度で、路面は綺麗に除雪されていた。 勿論これなら、ノーマルタイヤでも難なく走れる状態だ。 県道75号に入り、雪は完全に掃かれてはいなかったものの、除雪車が一回はスイープしたらしく、全く走行に問題なし。 流石にノーマルでは無理だが、雪の降った翌日の未明に、雪道をスタッドレスタイヤを着けないで走る車はまず居まい。 それどころか、すれ違う車さえ皆無。 雪道ゆえ、でも富士山が見えるのか確かめたかったが、そこは一瞬のハンドルミスがとんでもない結果になるので我慢。 やがてカーブの先の撮影ポイントに駐車車両5,6台を発見した時には心配は一気に吹き飛んだ。 富士山が見えるか否かは、その車が教えてくれたも同然だからだ。 路片には三脚の壁10メートル、更にもう一つ上のポイント付近にも同数の車と三脚、矢張り考える事は皆同じだったし、彼らは自分よりはるかに熱心だ。 品川、習志野、伊豆などのナンバープレートから判断すると、昨夜のうちに出発、日付が変わって間もない頃の到着と察する。 私もこの場所を候補にしていたが、余りにも熱心な諸先輩に脱帽、あえてこの場所をパスする事にした。 理由は3つ。 一つは、道路上ゆえ危険性が低くない事。 二つ、除雪作業の邪魔になること。 三つ目は、これが一番大事なのだが、此処からだと、芦ノ湖と富士山の形はとてもいいのだが、今日のお月様は、方向的に画郭に収まらず、当初の目論見からして頂上まで走る必要があったからだ。 ターンパイク入り口には、たった一台の車が止まっているだけで、しかもカメラマンは車中で暖をとっていた。 この場所がどうしてこれほど人気がないのかは判らないが、傾向としてカメラマンが数人居ると、後から来た人は間違えなく、その横に三脚を並べたがる。 大観山だって、自分が一人で撮影を開始していると、一時間もしないうちに、『おはよう御座います。』とマミヤの中判カメラの方が声を掛け、少しして又一人『横、いいですか?』と、ニコンD810が三脚を立てる。 こうして、富士山がピンク色に染まる頃には、それなりの三脚の数となった。 降ったばかりの新雪が、15センチほど積っていたが、足跡一つない場所を勘を頼りにポイントまで歩くのは注意を要する。 何処に段差があり、何処からが斜面になっているか、ヘッドライトにキラキラ光る雪は、美しさと危険性を併せ持っているな、と感じながら一歩一歩慎重に歩を進めた。 足下から目を離し、その方向を見ると、富士山はくっきりとその姿を月明かりに照らされ、対峙してくれた。 この場所から動くことなく、刻々と変わる大自然の移り変わりを、そしてその瞬間をカメラに収める事はとても楽しいが、それよりもましてこの場に居られる事の方が幸せだったりする。 降った雪が夜半に止み、天気が急速に回復し、月が見え、星が瞬く好条件。 贅沢を言えば、この日があと2〜3日早ければ、満月がもっと富士山に近く、そして太陽が顔を出す前にもう少し地平線に近づいてくれただろうに! 時系列でその変化をご覧下さい。 撮影日:2015−2−6 足柄下郡湯河原町鍛冶屋にて |
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