4月の栞  『江川せせらぎ緑道』

近藤師匠のお友達(?)のHARUKO様が住んでおられる横浜市都筑区、地元の方なら殆どの方が一度は出かけたことの有る桃源郷がここにある(またまた、近場で妥協してすみません)。
江川といっても遥か上流の湖、あるいは丹沢山系から流れてきた川ではない。
源は下水処理場!
都筑下水処理場で処理された水は、高度処理水といって、大変綺麗だそうです。
飲んでも平気かどうかは知りませんが・・・。
しかし、川には魚がいて、元気に跳ねていますし、水草も生えていました。


10年ほど前、第三京浜港北ICを降り、市ヶ尾へ行く途中、たまたま赤信号で止まったのが江川の流れる橋の上、その左手に当時はまだ桜の木はそれ程成長しておらず、川の両側に可也遠くまで見渡せるスカスカの状態で、花が咲いていました。
こんなところに?と言うのが最初の印象。
と同時に記憶から消える事もなかった。
最近ではインターネット上に、両岸から空を覆い隠すほどの枝が伸びた、凄い写真が掲載され出し、その桜の成長にびっくりする程です。
本来、都内や県内の人工的建造物がチラつく桜や、護岸工事がされた河川の桜並木には興味がない自分ですが、ここはチョッと、いえ、だいぶ雰囲気が違うのです。
周りは工場と住宅が混在する場所、私が撮影に臨んだ午前1時でも、山崎製パン工場からおいしそうな焼き立てパンの香りはするし、電気で動く無音に近いフォークリフトが盛んに作業していて、トラックの出入りも時々ある。
いえ、それが他と違う雰囲気と言う訳ではありませんよ。
両側の土手に植えられた桜並木は何処でも殆ど同じ眺めとしましょう!
その土手から降りて、散歩道がずっと続く場所が在るのも、それ程珍らしい事ではない、これも譲りましょう!
問題は川幅です。
狭いところで1メートルチョッとしかありません。
その川を跨ぐには、短足の自分にはチョッと無理がありますが、川幅が狭い(むしろ小川と言える)からこそ両側からの桜がトンネルになってくれるのです。
さらに、地元の方や小学生が植えると言うチューリップ、水仙や菜の花まで小路と小川の間などに植えられていて綺麗。
そろそろ20年近くなるこの場所は、桜がスクスク枝を伸ばし、すぐ後方にある工場の建物、マンションなどを上手く隠してくれるおかげで、上手く切り取ると見事な風景となります(一部どうしても人工物が入ってしまいますが)。
今回、色々な方が投稿された、江川の写真をパソコンの画面で見る限りでは、その多くが、日中に撮影されたものが多く、桜の下を歩く見物客が写っているのが当たり前の写真ですが、ここはひと工夫して、真夜中の1時から4時までの時間帯で撮ってみました。
撮影中は勿論、誰一人カメラマンはいませんし、フレームの中にも人を入れずに仕上げられた事に満足しています。
たまたま、こんな怪しい時間になってしまったのも、この日発達した低気圧が北海道を通過するまでは南風が大変強く、通過後は北風に変わるので、その変わり目の、無風に近くなる時間帯を狙ったのです。
それが海岸に近い自分の所では、12時だったのです。
遅い時間に躊躇もありましたが、軽ワゴンに機材を積み、横浜新道、第三京浜の港北ICまで30分ですから、チョコット撮影には持って来いです。
流石に強風で、桜の花びらは結構散っていましたが、まだまだ満開状態、チューリップは一部が咲き出しただけでしたが、夜間撮影では花が開いている筈も無く、蕾でも大して変わらない状態といえます。
祭りやイベントなどはせず、提灯や屋台もありません。
開花状況に関して、都筑区が発表する事もしていません。
勿論駐車場なんてあるわけない(近くにコインパーキングはありますが、少ないです。路駐は物流の大型トラックが入ってくるので営業妨害になります)し、当然ライトアップなどありません。
散歩がてら足を運んでみて、未だ蕾なら又来ればいいし、見ごろを過ぎ桜吹雪になっていたら、水面を覆い尽くす花びらを楽しめばいい。
本来、満開の桜に限らず、人が植物を観賞する最良の方法を、この場所で教えてもらったような気がします。
枝一杯に花をつけた桜を主役から外さず、又いたずらに盛り立てる事もせず、ありのまま静かな雰囲気を重視、地元の方が大切に守り育ててきた江川のせせらぎ、このまま大切にそっとしておきたいと思いました。


{追記}  4月8日、そろそろ花びらが地面を覆う頃ではないかと思い、このテーマを完結したくなり、再度出かけてきました。
NO1〜14までが前半、NO15〜26までが散り行く桜です。

撮影日:2015−4−4 4−8  横浜市 都筑区=さえど、いこのべ、かわむこう、各町境にて

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