5月の栞  『雨中の逗子海岸花火』

雨が、逗子市長の開会の挨拶が始まるのを待っていた。
カウントダウンは、花火の打ち上げ合図のみならず、雨脚をより強くするための呼び込みでもあった。

確かに天気予報はよくなかったけれど、夜には雨は止む予報だった。
19時30分が夜ではないというなら仕方がないが、一度止んでいた霧雨が、打ち上げ時刻と同時に、アルミの脚立が音を立てる程しっかりした雨となって降ってくるとは・・・。
風向きは北からの追い風、悪くは無かった。
しかしこの時期に吹くのは、大抵海からの南風だから、天気が悪いのは仕方ないかも(二年前は例外として)?
でも、どーしてオープニングまで小康状態を保っていてくれた雨さんなのに、この時を待って降り出すのよぉー。
カメラが濡れるのは当然だが、砂浜の雨はどうにもたちが悪い。
置いてあるバッグ、三脚、傘などすべてが砂まみれでベットリ。
おまけに傘は、誰かに持って行かれ行方不明。
雨に悪戦苦闘して撮影していたので、いつ持って行かれたのか全く気づかなかった。

自宅へ戻る途中、鎌倉では霧雨、藤沢市に入ると路面は半渇き、結局逗子海岸だけ「いじめ」にあった感じ。
機材を拭き拭きした後、映り具合をモニターで見た。
煙こそ後方に流れていたようだが、強風注意報が出されていただけあって、花火は見事に左後方へ引っ張られていた。
当然湿度も高く(伊勢原のK氏が、彼の仕事中にも拘らず送ってくれたデータによると湿度88パーセントとメールに書いてあった)空全体が花火色、ないしは盆の半分が雲の中状態。
流石に、アップしたくなくなりました。
ただ今回やめてしまうと、伊勢原に続いての不掲載となり、チョッとそれは・・・?
レンズの曇りとかではなく、結構雨がレンズを直撃していたみたいで、余りの水滴のしっかり写りに唖然。
こんなの恥ずかしくて恥ずかしくて、レンズ拭き拭きは基本だろうに、何やってんだ自分・・・。
ただ、言い訳ですが、逗子花火の第四部を撮影中に、そんな拭き拭きの余裕なんて無い!
今回、動画は撮るつもりではなかったのですが、こういうケムケムの時は、どーしてもお助け願わないとなりません。

プログラムは昨年と同じ四部構成でしたが、昨年感じたコロワイド・プレゼンツの「グランドフィナーレ」ばかりが目立ったのと異なり、オープニング良し、二部の型物は、お子様向けで歓声が上がり、第三部はかなりがんばったボリュームで、このくらいのゆとりあるテンポがホントはいい。
昨年指摘した、コロワイドにおんぶに抱っこのイメージを払拭するに十分でした。
しかし、やはり今年もコロワイドは凄かった。
グランドフィナーレだけでも、この近辺の花火大会で、この内容を観覧できるのは、神奈川新聞と双璧か?
ますます磨きがかかった迫力に脱帽。
バックミュージックも昨年の流行曲中心のものから、大人が懐かしがる相当に古い『ナツメロ』がかかり、雰囲気十分でした。
個人的には、イギリスのロックバンド、プロコル・ハレムの「蒼い影」のイントロと共に打ちあがった、尺玉を含むあのゆっくり空を上る間合いの長さに、心が揺さぶられました。
その玉も、かなり豪華なものばかりで、全国一流煙火店から仕入れてきたのではないかと思われる代表作が散りばめられていたように感じました。

雨だったので、出だしこそ鈍かった人出ですが、開始間際には昨年と変わらぬ混雑となり、相変わらず高校生カップルが目立ちました。
但し、目と鼻の先にある逗子開成は、6月2日からの中間テストを控えているせいか、男子校のせいか(多分こっち)見る限りでは、周囲に生徒を捜せませんでした。
たまたま名古屋から来た長尾氏と京浜逗子駅近くの道でばったり会い、「待ち合わせたって、こんなにすぐにお互いは見つからないだろう!」と笑いながら、その遇然に驚いた。
というのも、彼とは、あの広大な秋田県大曲の会場で、坂を上がってくる姿を見つけたり、つい先日も伊勢原花火で、おそらく殆ど知られていないと思われるお墓の前の撮影場所で出会ったり、気持ちが悪いほどだ。
又、今回はたまたま先にブルーシートを敷いてあった横に三脚を立てたら、後からそこに見えた方が、花火師匠のT社長ご夫妻だった。
久しぶりに昔話に花が咲き、昨年誰とも会わず暇していたのと対照的にいい時間つぶしが出来た。

質のいい花火が数多くあったのですが、諸条件の悪さから、何とかお見せできるものだけ、そして愛嬌で水滴たっぷりの水玉模様のそれを付け加えさせて頂きます。
今年もまた不本意ながら動画を入れさせていただきます。

                  ****    撮影メモ   ****
いつもの駐車場は、13時30分入庫時、残り2台分、14時には満車、以降出庫なし。
台船3台態勢の中央は、主催者テントがあり、どちら側かに多少ずれての場所取りしか出来ません。
昨年撮影した焼肉くらが、今年は焼肉何とかに名前変更、但しこの前だと、台船左寄りになる(台船位置が少しずれたか?)。
レンズは、横位置で20ミリ辺りが必要。
R134の歩道上に三脚を置いている場合、なぜか間際になって、毎年警察が撤去の叫び声を上げるので、ご注意。

撮影日:2015−5−29  19時30分〜20時15分逗子海岸にて約7000発

拡大写真でご覧頂けます。

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