6月の栞  『EL/SLふくしまDC号、SLふくしまDC号』

昨年、宮城県の白石川千本桜で知り合った福島市在住の平山くんから先月手紙が届き、「7月で野球部を引退するので、何処かの花火大会に一緒に行きたい。」と書かれていた。

彼との出会いは昨年4月、私は桜を追っかけて白石川に、彼はその横を走る東北本線に関心が有ってそこに来ていた。
我々は意気投合し、子供の頃乗り物、(特に車や列車)に興味があった自分は、平山君に幼い頃の自分を重ね合わせていたかもしれない。
そんな彼が、6月27日、28日にSLが福島を走る事も合わせて書き加えてくれた。


一方、花火仲間のK氏は長岡花火の有料席が外れたとの連絡を下さり、2日ともの「ペケ」にがっかりしている様子だった。
実は、彼は花火撮影より『撮り鉄』を第一の被写体とする男。
6月20日の土曜日にメールがあったので返信すると、「今、福島に来ていて、SLの試運転を撮っています。」との返事。
すかさず、「来週の日曜日に自分も行く予定にしています。」と応答した。

そして、間髪入れずに彼から撮影ポイントの写真と、印のつけられたた地図が送られてきた。
当日会うつもりにしてはいたが、彼のこうした木目細やかさには、頭が下がる。
人にばっかり頼っていても進歩は無いので、一応地名と場所を出来るだけ一致させるべく頭に叩き込み、彼が教えてくれた5箇所のポイントをナビにもインプットして準備完了。
しかし、K氏は、仕事の関係で28日に来る事は出来なくなってしまったのだ。

こうなると誰にも頼らず、事前に少し調べておいた頼りない知識を元にして行くしかない。
平山くんを誘う事もできたが、天気が雨予報(東北南部が梅雨入りしたばかり)だったので、雨の降り方によってはSLは走ったとしても、途中で自分から撮影を断念してしまう可能性もあったので、ヤメタ。

早朝5時出発なので、既に太陽が昇り、方角によっては直視せざる得ない角度での危ない運転となった。
関東は晴れているのに、東北本線郡山駅と福島駅を往復する列車を撮影する為、わざわざ400キロ先にある低気圧をめがけて走って行くようなもの、覚悟は出来ていた(郡山までは300キロほど)。
栃木県を過ぎるまで、雲は多めだったが晴れていた。
福島県に入り郡山に近づくにつれ、どんよりした曇り空、やがて霧雨、そしてシトシト雨に変わり、郡山駅前駐車場に車を入れた時は、しっかり降ってきた。

郡山発9時54分、ED75電気機関車牽引の福島行きを撮影する為に立寄ったのだ。
最もこの天候、場合によってはK氏ご案内の撮影ポイントで、しっかり写真が撮れるか否かのリスクも増えてくる。
ただでさえ未知の土地、何がどう影響し、どんなハプニングが待ち受けているかも予測なんて出来やしない。
場合によっては走行シーンが一枚も撮れない事だって考えられる(逗子花火のように、水玉はもう載せたくないしね)。
いえ、そう考えたからこそ、ホームの停車している列車を撮っておきたかった。
いわゆる「保険」なのだが、結果から言うと、K氏の案内してくれた5箇所中、たどり着けたのは3箇所、その内、まともに撮れたのは一箇所だけだった。
(そのまともな一枚と言うのは、皮肉にもSLではなく、ELだったりするのです)。
理由は簡単、カメラマンの人数が尋常ではなく、橋の上のオーバークロス等ポイントが限られた処は撮影場所が無いのです。
駐車車両も何処へ行っても100台は下らないし、更に拍車をかけるのが、沿道のギャラりーの凄い人数。
例えるなら、箱根駅伝を応援する沿道の人にも似ているのだ。
彼らは、列車が通過する時には乗客に手を振るのだが、乗客もまた手を振ってくれる。
乗っている方は、手が痛くなるだろうが、この光景が実に良かった。

笑っちゃったのは、自宅に帰ってプリントアウトした写真の電気機関車の運転手までもが、手を振っているのがしっかり写っていた。(余裕の運転だな!)

撮り鉄カメラマンは結構偏っているもので、郡山駅停車中の車両など、凄い混雑で撮れるわけ無いだろうと不安を抱きながら入場券を買ったら、ホームは思ったほどの混雑ではなく、撮り鉄よりも子供連れの家族の姿が目に付きました。

それよりも出発前のイベントが賑やかで、天気が悪くSLが撮影できないことが気になっていた自分としては、このイベントのおかげで十分な埋め合わせが出来た。
そして、最後尾に連結された復路の主役となるD51ー498蒸気機関車も苦も無く画郭に納めることが出来、郡山駅を後にし第一ポイントへ。

此処の移動は、主に国道4号線を使うのだが、思いのほか車の量が多く、第一ポイントへ到着すると同時に、汽笛の音が聞こえ、慌てて車を水田の畦道に止め、手持撮影する失態。
本来なら、五百川駅(東北道本宮IC近く)から少し本宮駅よりの陸橋の上から撮るようにアドバイスを受けていたのだが、辿り着けず。
続いて第二ポイントである、二本松駅近くの二本松ICと4号バイパスを結ぶ陸橋上は絶対間に合いそうもないのでパス、安達駅の少し先の橋へと向かった。
二本松駅10時54分発だから、ナビチェックでも余裕の到着の筈だった。

此処は、上りと下りの線路間隔が少しはなれているため、単線感覚で撮影できるのがいいらしい。
場所を見つけるには全く苦労は無かった。
なぜなら、お目当ての橋の上には傘の花が咲いていたから。
横一列に綺麗に並び、その下には三脚がずらり。
遠くからの光景に感心していると、今度は手前に駐車車両の列。
目的地に近いところなどに駐車場所を捜している暇はない。
最後尾に車を着け、道具一式を抱え、傘も差さず、雨にも負けず、目標ポイントへ。
ただ行くだけ無駄だった。
入る余地がないのだ。
こういう時に、幸運の女神はいるものなのか?女神ならぬ爺さんが近寄ってきて「あそこの橋でも撮れるよ。」と。
振り返ると北側に古い橋が東北本線を跨いでいて、何人かのカメラマンも見えた。
まだ入れそうな余地が有りそうなので、びしょ濡れになりながら走った。
時計を見る暇も惜しいし、第一何時に此処を通過するのか正確な時間を知らない(勝手に11時少し過ぎくらいだろうと予想)。
一通りセットが終わると、すぐに遠くから汽笛が聞こえた。
撮り鉄さん達も、持っている道具が凄い。
百メートル先に来た、赤いED75と、それに牽引された青い12系(ブルートレイン)は、高速連写による凄まじいシャッター音で迎えられた。
それは一瞬で終わり、まるで蜘蛛の子を散らすように走り去っていく。
自分はと言うと、びしょ濡れのカメラのほうが気になり、そのまま車に戻った後次への目的地など行く気も失せてカメラを拭き拭き、自分も拭き拭き、調理パンを食べた後、お休みタイムとなった。
30分ほどして、(おそらく今頃福島駅では列車の到着に大賑わいだろう頃に)第四ポイントである金谷川駅すぐ手前野第4ポイントを視察。
此処も駅手前に何本かの線路があり開けていた。
歩道橋から30度ほどの角度で狙えばいい写真になることは想像するに難しくない。
矢張りK氏の案内はバッチリだと検証結果が出た。
最後は、南福島駅(永井川)手前を案内してもらっていたが、現地ロケハンをせず、福島駅へ車を向けた。

郡山も、この辺のJRの駅と同じかそれ以上大きい駅だが、福島駅は各方面のターミナル駅だから、発着本数の少ない大船駅のような感じ。
他の車両も撮れるのではないかと思って、早めの到着を目論んだ。
もとより、今度は郡山へ向けての先頭車両がD51だ。
ホームに入ってくるところから撮影したくて、反対側のホームに陣取った。
ここでも、「ふくしまデスティネーションキャンペーン」のクロージングに合わせて、色々な催しがなされていた。
福のしま福島のキャンペーンスタッフの踊り、ゆるキャラ、太鼓、SL入線間際に福島県知事が挨拶に立つという念の入り様。
飽きる事はなかった。

15時少し過ぎ、自分のいる3番ホームで視界を遮っていた、仙台からの快速が回送電車となって発車、車庫に向かうとすぐ向かい側の4番線に主役入場!。
それにしてもこのホームの景色、コメントをつけなければ、JR藤沢駅のラッシュにも似ている。
唯一違うのは、横断幕を持ったグループが何組かあって、感謝の言葉が書かれていたりして明らかにイベントである事がわかる。
撮り鉄の連中の何人かは、「白線から出ないで」の駅員をも無視してカメラを差し出すものだから注意を受けていたし、カメラマンからもブーイング連発だった。
自分は、余裕の位置で待っていた筈なのに、結構前に出る人が多く、誰かのカメラが写っていたり、腕らしき気持ちの悪い被写体がかぶっていたりで、ちゃんと撮影できているものの方が少なかった。

SLを待っている間に、色々な車両が出入りし、なかなか楽しい時間を過ごすことができた。
しかしながら雨は一向に止まず、駅ホームで待っていても、飛沫が白線の内側までしっかりと入ってくる。
帰りのSLがどれだけ鮮明に撮れるか、怪しくなってきた。
更に、十分な余裕を持って福島駅を後にし、目指すポイントに向かった筈なのに、市内を出るまで結構な渋滞、大型ショッピングセンターの駐車場などは軒並み満車で、入庫の列。
一体此処はどこ?福島市は矢張り都会だった!

そんな訳で、目論みは見事にはずれ、4号線を走りながら「駐車車両」と「並んだ傘」を捜しながら郡山方向に走り、人だかりを見つけては道路に近い線路付近で車を止めると言う方法でSLを追いかけるしかなかった。
SLに追いかけられ、SLを追いかけ、手持撮影で2箇所から撮ったのが精一杯、いわゆるスナップ写真の範疇。
アップするにはレベル低すぎ、しかしSLの撮影に行って、その走行シーンがないのも考えもの、渋々お載せいたします。

この時点で、降り止まない雨に「やんでくれ!」と願懸けしたところで無駄な抵抗と悟っていました。
たとえ、しっかりポイントで待ち構えたところで、おそらく靄と雨で視界不良の写真しか撮れないと判断。
そして最後の本宮〜五百川駅間17時30分過ぎに通過する撮影に際しては、辺りの暗さも加わって来たので、写真でのSL撮影を止め、短い動画撮影に切り替えました。
傘をたたく雨の音が、やけに大きい事からも、この日のコンディションの悪さを解っていただけることと思います。
動画一本のほか、写真集は4部構成となっております。
(各部名称をクリックすると、プログラムは分岐します)

第一部

郡山駅ホームでのイベント

第二部

福島駅ホームでのイベント

第三部

D51クローズアップ 

第四部

EL・SL走行シーン

動画

汽笛を鳴らして走り去る蒸気機関車

近ちゃん撮影おまけ動画

JR東日本所有のイベント専用「D51498」蒸気機関車 2007-2-10〜2-12に撮影

撮影日:2015−6−28  福島県郡山駅〜福島駅間にて

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