7月の栞 『源氏ホタル(その4)箱根千条(ちすじ)の滝』

2010年7月17日、2011年7月2日と2回、この場所を師匠と訪ね、師匠は珍しい光景の撮影に成功し、大きな成果を収めたので、この場所での一区切りをつけた。
一方私はと言えば、蛍撮影もキャリアが浅く僅かな数の蛍が飛び交う写真を撮るのが精一杯で、背景など全く写せる余裕などありませんでした。
勿論j当時は「相棒の栞」などというコーナーは無かったので、せいぜい自宅でダイレクトプリントしたのを眺め、来るべき機会に備え、色々カメラの数値を確認したり、背景をイメージしたり、近藤師匠の作品を参考にしたり研鑽の日々でした。

当時、師匠から「この場所はヒメ蛍も出る」と言う情報を得ている事を教えられて、昨年も一度7月に訪ねたのですが、それらしき姿は確認できず。

千条の滝の反対側を蛇骨川が流れ、その川に架かる木橋から、川の流れをからめた源氏蛍の飛翔が撮影可能なのです。
場所的には自分は気に入っている処で、ヒメと源氏の二兎を追わず、源氏の飛翔だけでも十分絵になる場所だとと思います。
ただ、此処のピークが全く分からず、今年は何回か足を運んで、自分でデータを取る覚悟をしました。

訪問1回目・・・6月14日(日)20時到着。
全く誰もいない。
少し怖いが、かえって気が楽。
蛍は15頭ほど。
動きはそれ程活発ではなく、暫く飛んだ後、葉に止まる。
気温も低めだが18度くらいは有ったのではないか?
それでも、蛇骨川付近では、思い出したように時間的間隔を置きつつ源氏が飛翔してくれた。

訪問2回目・・・7月5日(日)19時到着。
またしても誰もいない。
小雨が降り続く一日だったが、夕方止んだので、撮影目的より調査目的で出かけてみた。
19時24分発光、その後暫くは飛び立つ様子がなかった。
やがて一頭が飛び始めたのをきっかけに、10頭位が一瞬飛翔したが、すぐ木に止まってしまい、その後動き無し。
やがて発光もしなくなったので、一カットのみ撮影して帰宅。(御殿場のヒメ蛍に回るつもりだったが、気温の関係で止めにした。)
気温が16度だったせいもあるが、前回よりも数が少ない事を考えると、やはり6月初旬と20日前後に再訪して、調べてみないとはっきりした事はいえないと思った。

訪問3回目・・・7月12日(日)19時半〜
またまた誰もいない。
今回、師匠も同行して下さったので、恐怖感はゼロ。
日中の真夏日を考えれば、気温に関しては全く問題なし。
もしこの時期がピークなら、乱舞間違えなし。
しかし物事はそうは上手く行かないものだ。
敵は強風にあり!
5〜10頭ほどが、ひかってくれたのは19時45分過ぎ、しかし飛ばない。
結局飛んだのはほんの数匹、しかもほんの僅かな時間。
飛ばないのではなく、飛べないのである。
自分は橋の上で撮影しており、風の通り道、風速5メートルはあっただろう。
最後の写真が12日のもの。
画郭を大きく取って足下から川面を飛んでくれる蛍を期待したのだが、この寂しさ。
しかしこれが現実。
またしてもワンショットのみとなった。

(総括)
秩父のヒメ蛍にしても、御殿場のヒメ蛍にしても、知人の何人かは、シーズンに10回以上足を運んでいる。
そういう方たちはピークにバッチリ出合い、凄い写真を撮っている。
そんな熱心な彼らから言わせれば、3回ぽっちでピークを知ろうなんて甘いと思うだろう。
確かに甘いのかと思う。
結果が全て、収穫無しで今年の千条の滝の蛍撮影は終った。

足柄下郡箱根町小涌谷507にて(箱根登山鉄道小涌谷駅から急坂を上り徒歩15分)

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