8月の栞 『いなしき夏祭り花火大会』
| 昨年春、宮城県白石川千本桜で知り合った、平山君(中3)から福島の桃が届いたのは、8月10日だった。 早速御礼の電話を入れ、今年で最後の野球部の結果を尋ねてみた。 「県大会まで行きましたが、一回戦で敗退しました。」 「県大会まで行かれれば、いいほうだよ。いよいよ受験だね。」 今年は大曲の花火で仲間がC席の抽選に当って、「余っているので、よろしかったらどうぞ」と連絡してくれていた。 そこで、平山君を福島の自宅まで迎えに行き、秋田入りする計画でいた。 が、しかし22日の大曲(大仙市)の天候が思わしくない。 雨のち曇り、殆ど無風、湿度高し、有料指定席(といっても当選した当人は、タダで良いと言ってはいたが、そうは行くまい。)のお金と平山君のがっかりした顔が、頭の中を巡り決断できない。 彼の住む福島県で行われる、須賀川花火でもよかったのだが、福島の天気もよくない。 大曲も、平山君との再会も諦める事にした。 そして、大曲へ行くなら割り勘にしようとしていた、K氏にもその旨伝えた。 すべてが白紙となり、知人友人との絡みから、ほっぽり出されたと言う方が気持ち的にはあたっている。 開放されたくてそうなった訳ではないから、ここを乗り越えるためには、近場で花火大会を捜すしかない。 神奈川では、相模原8000発、横浜市金沢区金沢祭り3500発、綾瀬市2500発、あしがら1500発、鶴見川1400発、東京都の調布花火大会は、以前行っているのでパス。 埼玉県では少し目ぼしいのが2つほどある。 三郷と千葉県流山合同の三郷サマーフェスティバル10000発、と東松山5000発だ。 しかし、どうしても、茨城県のいなしき市合併10周年記念花火大会が気になった。 8年ほど前の、花火師匠のT氏の観覧記を読むと、当時は山崎煙火店さんが担当していたとある。 勿論有名な花火業者であるが、そのまま現在も担当しているかは不明だった。 が、此処に決めた。 更にT氏の観覧記(残念ながら、現地の小野川だけが写っている写真しか掲載されておらず、肝心な花火は全くわからず。)には、小野川の川面に写る花火が綺麗とだけ有った。 独断と偏見で、この川の対岸から打ち上がる花火を想像して、地図確認。 風は南からなので場所的にはメイン会場よりはいい感じであった。 天気は東北地方よりはよさそうだが、関東でも夕方から雷雨の可能性はあった。 幸いな事に、35度近い気温が復活、夕日も綺麗に見えたので、雨の心配は消えた。 14時ごろ、会場周辺を一周した後、小野川に沿って農道を走る。 が、此処で驚いたのは、5メートルから8メートル四方のすずらんテープで、びっしりと場所取りされてしまっていたのだ。 土手上の萱類の雑草は、綺麗に刈り取られていて,(おそらく機械で)所々にデッキチェア、バーベキューセット、テントまで置いてある。 荷物卸をしている、母娘がいたので声をかけてみた。 「この辺は、お盆の時草刈をして、皆場所とりしてしまっています。」 「では、自分で草刈すれば場所は取れるんですね。」と応えたものの、この暑さ、積み込んである芝刈り用のハサミではおそらく刈り終えるより熱中症で倒れるほうが先だろう! いろいろ候補地を尋ねてみたが、「対岸なら空いている」とか、「もう少し下流の船着場」を教えてくれたが、前者は、川の反射がないので没、船着場は、手前に送電線が入り、これも却下。 「川岸に三脚を立てさせて欲しい」と頼んでみたが、「小さい子が興味を持って川岸まで行くと危ないので・・・、」と言われ、それ以上話しても無駄だと察した。 なんとなく、この近辺にはいて欲しくないような、よそ者には冷たい人だなと感じたからだ。 スペースの空いている場所を探して歩いていると、遠くでワンボックス・カーから、三脚を川岸に置きに行く人を見つけた。 彼の置いた場所は、水門の近くで、コンクリートになっているところだった。 先ほど自分が頼んで断られた水路を挟んだ反対側のところ。 「矢張りそこだよな。」と思った。 早速、その方のカメラの画郭に入り込まないように、少し離れた場所での設置をお願いしたが、快く承諾してくれた。 千葉県から来られたと言うその方は此処で仮にHO氏としておく。 昨年もこの場所で撮影をされたそうで、ほかに全くカメラマンが居ない中でラッキーとしか言いようがなかった。 打ち上げ方向に対してのスターマインの角度とか、縦位置か横位置かのアングル、果ては使用レンズまで丁寧にアドバイスを戴いた。 初めての場所では色々ロケハンで歩き回っても、成功の確率は半分くらいしかない。 HO氏から、一度来たのと変わらない詳しい情報とご指導を受け、此れほど有り難い事はなかった。 プログラムは主に10号と4〜5号玉、それにからめたスターマインだ。 打ち上げ場所は稲敷市江戸崎総合運動公園なので、伊勢原花火同様、横幅はそれ程広くは取れない。 HO氏曰く、「縦位置で全ていけますよ。」の言葉に、初め、一台は横位置で保険をかけようかと思っていたが、今回初めて2台とも縦位置で臨んでみた。 近ちゃんギャラリーに掲載すると、どうしても、縦位置写真は大きさが小さくなってしまうので、極力横で撮りたいのだが、自分は結構縦が好きなので決断した。 と同時に、HO氏の画郭説明も的確で、「フルサイズ24ミリでぎちぎち位です。」の言葉から、当初5Dに24〜105を、7Dの16〜35を着けていたのを反対にした。 結果、尺玉は5Dで21ミリ(川面をある程度入れて)、その他はハミハミ覚悟で7Dに24〜をつけ、換算38.4ミリとした。 案の定、7D装着では全く画郭オーバーで話になりませんでしたが、5Dは21ミリでバッチリ決まりました。 もし此れをHO氏のアドバイス無しで撮影していたら、2台とも撃沈、どちらもまともな写真が僅かとなっていたことだろう。 特に此処は、トラの3カ所打ちから4号5号乱れ打ち、ラストに中央から尺が天に昇るパターンが特徴的で、その10号が開花すると同時に再びトラか扇を広げるので、撮影には凄く向いていました。 風も、日中南の風が少し花火には強い感じで吹いていたのが、日が暮れてからは弱めの風になり、しかも若干背中に回ったように感じられ、味方してくれました。 実は、失礼ながら、田舎の見物客を楽しませるナンチャッテ花火(10号でも、ピンキリで、色悪し、形崩れなど酷いものもありますから)、プログラム途中の2,3箇所をスタマで盛り上げて「お・し・ま・い・」程度に思っていましたが、どうしてどうして、質もかなりよかったです。 今年は合併10周年記念だったせいか、HO氏も、「昨年よりよかった。」と感想を述べられておりました。 個人的には、川面に十分花火色を映せたので、ロケーション重視の自分にとって、HO氏との出会いも含め、此処へ来てよかったと思える選択でした。 大曲へ行ったW氏も、昼花火中に小雨が降ったものの、夜になって、雨は降る事はなかったそうで、風もまずまずだったとか。 一緒に大曲へ行く約束をしていたK氏は、小千谷(新潟)花火へ、何とか曇り空で持ちこたえたようだった。 仲間がそれぞれ各自の判断で決断する事の大切さを感じつつ、中3の平山君にはなるべく近いうちに償いをしなければならないと思います。 途方に暮れ、色々迷いながら決断して出かけた稲敷、そこで又一人頼りに成る方と知り合えたのは、とても嬉しい限りです。 HO氏に感謝申し上げます。 有難う御座いました。 撮影日:2015−8−22 茨城県稲敷市椎塚・小野川河畔にて |
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