2月の栞 『タワーホール船堀からの夜景』

この日は15時くらいまで良く晴れていたのですが、次第に曇り空に変わり首都高湾岸線を走っている頃には、北東に黒い雲まで出てきて予報通りの下り坂。
またしても遠望冨士は期待できず、テンションが下がり気味で都営新宿線船堀駅前を目指す。

近藤師匠の精力的夜景撮影も、「呑み屋街」から「歓楽街」、究極とも言える「墓地」まで行き着き、題材選びには事欠かないご様子。
その中でも、市川の「アイ・リンクタウン」の作品は、たっぷり富士山を撮影され、また素晴しい夜景に、是非自分も(無料と聞いて)行ってみたくなりました。
それは又別の機会にするとして、同様に無料で結構いい夜景観賞が出来るタワーとして、江戸川区の施設である、「タワーホール船堀」に出かけることにしました。

駅至近なので、車でのアプローチの必要性は殆どありませんが、機材の事を考えれば駅前の交通混雑も我慢しなければなりません。
平成11年に完成した江戸川区の「区民会館を相当ボリュームアップした施設」は、イベント会場、コンサート会場結婚式場は当たり前、映画館まであり、更に115メートルに達するタワーですから凄いです。
しかも無料、500円から800円の価値はあると見ました。
確かに高さは、ランドマークタワーや世界貿易センターより低いですが、荒川の近くにあるため、周囲にそれ程高層の建物がない分、見通しが利くのです。
ここの売りはスカイツリーに近い事、近いといってもスカイツリーに近すぎても撮影は空を見上げてしまうので、そういう意味で撮影しやすい近さの距離なのです。
ですから頑張って、スカイツリーを中心に狙ったのですが、何枚も失敗しました。

初めての場所故、矢張り知らないことや勘違いはつき物。
先ず7階まで普通の来館者と同じようにエレベーターで上がります。
展望台にはトイレはありませんとの案内を見て、まずトイレへ行き、右方向へ廊下を歩くと50メートル程先にエレベーターガールが待っています。
「いらっしゃいませ。三脚ご使用ですか?」と尋ねられる。
「最上階の展望室は、三脚禁止となっております。下の階でならお使いいただけます。」
江戸川区の建物ゆえ、公務員かどうかわからなかったが、浜松町のどっかの展望台の説明より全然丁寧だった。
「判りました、手持ならいいんですか?」
「ハイ」
それからエレベーターに乗り込む。
上がっていく最中は、お決まりの案内をしてくれるのだが、自分ひとりしか乗っていないので、いつの間にか、「ウン」とか「フーン」とか言っていたかも知れない。
ここから問題発生。
降ろされた階が最上階なのかその下なのか判らなかった。
初め、少し明るかったので手持で撮影していたのだが、撮影に熱中してしまい、三脚可能な階なのか否かを確認することなく、三脚の上にカメラを載せて撮影し始めていた。
自分のいる階が把握できていなかったのが、ご注意を受ける発端となった。
少し後から、同じく三脚を使用して撮影を始めたYさん(後で自己紹介を受けた)と二人、エレベーターガールから下の階に降りるように案内された。
「案内された」と記し、「言われた」と表記しなかったニュアンスをご理解ください。
それは非常に丁寧に、案内されたから。
完全に自分の思い込みだった事を、女性に伝え、一つ下の階に下ろしてもらった。
実は最上階には、それなりに家族連れを中心に来館者がいて、子供が三脚に脚を引っ掛ける可能性はあったのです。
こちらとしても、集中して撮影するにはイマイチ周りが気になっていました。

一つ下の階に降りると、そこは全く同じつくりをしていて、殆ど最上階と区別が付かない空間でした。
最初に違いとして発見したのは、折りたたみのパイプ椅子が上には3つあったのに、ここは2つだったというくらい。
そして、最大の違いは、自分とYさん以外誰もいなかったという事。
時折(一時間に一回くらい)警備員の方が見回りに来ますが、それ以外は南と西方向に離れていても二人で会話をしながらの撮影が可能。
おかげで相当集中して事に当たれました。
しかし、出来ればもう少し照明を落としてくれれば、より内部の写りを気にしないで撮影出来たのですが。

屋外での撮影の場合、強風によるブレが心配で、これは風が止んでくれるのを、あるいは少し弱まるのを待てばクリアーできなくもありませんが、ヤビツ峠の様に、木造展望台の上ですと、矢張りブレは気をつけていても人が階段を上がって来れば、防ぎようがなく、帰宅後「やっぱりダメだな」の世界に陥ります。
屋内展望室の場合は最新の注意を払えば、微妙な角度で室内の反射を抑える事ができます。
しかし、上手く行ったと思っても、隅の方に、薄ぼんやりと室内の灯りの反射が写っていたりしますので、矢張り基本は沢山撮っておくことでしょうか?

Y氏は関西から、写真コンクールに入賞したその授賞式に出席する為、東京までいらしたそうで、話をしている内に被写体へ知識欲、イメージそしてセンスを感じさせる言動が多々含まれおり、まだ若い好青年にも拘らず、さぞ腕がいいんだろうなと感じた。
矢張り彼も花火写真をかなり撮っているようで、スマホで拝見した琵琶湖花火のスターマインの写真は、露出バッチリの見事な出来栄えだった。
琵琶湖花火の撮影場所や神戸の夜景のお勧めポイント、京都嵯峨野竹林や紅葉など多くのお話を伺い、お出かけの際は是非ご連絡をと、メール、フェイスブック、ツイッタ一のアドレスが入った名刺を下さった。

それにしても曇天の東京の空はどうしてこんなに変な色なのか?
色々な光の色が雲に反射し何色とも言えない微妙な色。
しかし、それにも負けないくらいのここからの夜景は、スカイツリーだけではなく、荒川沿いを走る首都高速の絶妙なカーブ、荒川に懸かる何本もの鉄橋を渡る電車、一直線に伸びる都道のオレンジ、流石に東京タワーは小さくて気の毒だが、ゲートブリッジや、葛西臨海公園の観覧車まで写し込むことが出来る。
館内には望遠鏡の使用やカメラ撮影禁止の張り紙があるが、エレベータガールのお姉さん(ほんとにお姉さん)に聴いたところ、「花火大会の時などは三脚を使っての撮影は禁止にはなりますが、普段は大丈夫」だそうです。

8時半頃、視界がさらに悪化しつつあったので、これにて退却。
日曜日にも拘らず、天気が悪かったせいか、結局下のフロアーで撮影したのはY氏と二人だけ、何人来ようと無料だから営業利益には関係ないけれど、エレガ付き、バックミュージックが流れる展望台、時々のガードマン巡回、何か申し訳ない至りつくせりで、江戸川区の太っ腹を感じてしまった。
勿論、「暗幕使用禁止」なんて文字はどこにもなかった。
だからY氏は黒色のコートを大きく広げて撮影されていた。
駐車料金も500円と言うのもお手軽。

次の目的地、豊州目指して出庫。
5分ほど走って、フロンとガラスにポツリポツリと雨が落ちてきた。
天気予報より若干早い降雨に、車を走らせながら行くかどうか迷う。

撮影日:2016−2−28  東京都江戸川区船堀4丁目1番1号にて

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