4月の栞 『熱気球ホンダグランプリ第1戦』

9日は体が4つ欲しかった。
気になる花火大会が目白押し!
西から、風祭り(豊橋兎足神社)、熱海海上花火大会、渡良瀬遊水地(栃木県栃木市藤岡町)、辰ノ口親水公園(茨城県常陸大宮町)。
内、前出二つは行った事が有り、天気次第のサブと考えていた。
本命は野村花火が桜並木と見られる辰ノ口だった。
少なくとも前日まではそこへ行くための下調べらしき事を行っていた。

今年は桜の開花は例年より早い所が多かったが、開花後は気温が低い日が続き見頃が長く続いた。
もっとも、自宅の花桃は、満開後、南からの強風で半分以上散ってしまったが(一枚目に掲載)。
神奈川より北に位置する茨城、栃木は、花チラシの強風の後満開になったようで、どこも見頃のようだった。
辰ノ口は、小野里先生が昨年行かれ(今年も)、評価が高かった大会で、照明が桜を根元から照らしているので、花火と一緒に撮影する事が(腕さえよければ)可能のようだった。
果たして自分に出来るかは、やってみないと判らないので挑戦するつもりでいた。

一方、バルーンフェスタの方は、「おじや風船一揆≪新潟県≫」をチェックしていた数年前から花火とバルーンを一緒に撮ってみたいと思っていた被写体で、こちらも関心度高し。
ただ渡良瀬の花火は、あくまでもバルーン主役のアシストでしかありません。

渡良瀬に決めたのは、意外にも真岡鉄道のSLでした。
ご承知の方も多いと思いますが、菜の花を前景に桜並木をバックに走る11時13分真岡駅発のSLです(一日一往復)。
実は、ここへは一度、近藤師匠と行った事があるのですが、その時はSLの時間には間に合わず、普通列車を撮っただけでした。
SLが走る真岡鉄道は有名で、例え満開の桜と菜の花の中を走る普通列車(気動車=ここは電化されていません。よって架線が無い=電信柱が少ない事が又撮影には好都合)を撮ったとしてもSLと比較して、どれだけ他人に見せられるでしょうか?
その時から、いつかは・・・の気持は持ち続けていました。
「瓢箪から駒」は少しオーバーですが、意外にもここを撮影してから、渡良瀬までは一般道で一時間半ほどでバルーン会場へ着くので、現地ロケハンにたっぷり時間をかけても大丈夫そう!

仕事関係の社長さん達のお孫さんの中には、乗り物大好き男児が数名いて、SLを含む列車、船、飛行機などは差し上げると大変喜んでくれます。
勿論へたくそな写真は上げられませんが、蒸気機関車は上手く撮れていなくても結構許してくれたりします。
真岡〜北真岡の間の一キロに渡る撮影ポイントには11時15分頃と15時20分過ぎごろ通過するのですが、西田井駅15時11分発を待ってらいれませんので、11時15分一発(一本)勝負です。

現着は10時45分、真岡駅に着いてから撮影ポイントは直ぐに分かったのですが、車が止められません。
線路の南側の住宅地の道路は付近の住人の玄関先を気にして、そこを避けながら上手い具合に路上駐車してあり、自分もウロウロ空きスペースを捜していたらミニパトが回って来ていて、この場所は諦めるしかありませんでした。
反対側の田圃(畑)の農道は流石に取り締まりフリーと見え、路肩にずらり。
そのずらりが半端でなく一キロはゆうに続いて、最後尾はどこなのか確認できません。
時間は迫るし、駐車場所は見つからないしで焦り始め、仕方なく四輪駆動車でなければ絶対埋まりそうな荒地へ突っ込む。
駐車場所を探しながら目に飛び込んできていた光景が又凄い。
一体、どれほどのPRをすればこれだけの人数が集まるのだろうと思えるほどの人、ひと、ヒト(真岡の一万本桜祭り期間中ではありましたが)。
実際には、PRなどしなくても毎年この時期はこうした光景なのだろう。
動画と静止画、三脚二台で臨もうとしたが、絶対無理。
結果、惨めにも静止画用カメラ一台。
しかも、三脚は諦め場所的に臨機応変度の高い一脚使用。
殆どのカメラマンは、大型三脚2〜3台体制、脚立持参、一脚を持ってウロウロ歩く自分をチラ見しながら、「今頃来たって遅いんだよ!」と思っているに違いない。
入念に少しの隙間を探しながら歩く。
二メートル程カメラとカメラの間隔が空いている所を発見、しかしその間はコードが地面を這っている。
片方のカメラ付近には人はいたがもう他方にはいない。
なるほど4台のカメラは一人のカメラマンの所有だ。
三脚の高さで、菜の花を多めに入れたり、少しにしたり、画郭によってSLアップか、桜と菜の花を多目にするか、静止画だけでなく動画も・・・、4台体制も納得だ。
ピンときたので、「この間よろしいですか?」と聞く。
「コードを踏まなきゃいいよ!」
「ハイ、少し後ろで構いませんので。」
こうして何とか場所確保。
SL通過時間10分ほど前にセット完了。
といってもカメラバックからカメラ一台を出し、一脚のネジに付けるだけ。
おそらく朝早い時間から場所を確保していたカメラマンには自分は「ナンチャッテ」に思えたことだろう。
ファインダーを覗きながら、SLの走る姿を想像してカメラ(腰)を振ってみる。
「流し撮りですか?」と場所を提供してくれたカメラマンが話しかけてきたが、そんな芸当は出来っこない。
一発勝負、失敗は許されない。
何度もイメージして練習するだけ。
そんな事をしているうち、一面に咲く菜の花の中にあぜ道でもあるのだろうか、しっかりそこまで入り込んで来るマナーの悪い奴らが画郭に入る様になってきた。
SL通過間際になって、場所にあぶれた人たちだ。
一人が遠慮勝ちになるべく手前の所でカメラを据えると、直ぐその奥(前)へと入り込む輩がいて、結局線路際まで黒い頭がポコポコ出っ張っている。
全く洒落にならない。
帰宅後、母にその写真を見せたら、「案山子(かかし)かと思った。」と言うではないか!
菜の花畑に案山子がいる筈無いが、彼らは案山子よりタチ悪い事は確かだ!
案山子なら絵になるが、人の頭では真岡鉄道の観光用ポスターにもならない!
さらに最悪なのは、SLが近づいてくると間際にスマホをかざす馬鹿!
ここまで徹底的にマナーが悪いと、来年から規制が厳しくなるだろう?

(後日、タイヤショップの社長の息子さんにプレゼントする為と冬と夏のタイヤ交換をする為、店を訪れると、写真を見るなり問題になっていることを教えてくれた。
真岡鉄道側から「マナーを守れないカメラマンはもう来ないでくれ!との警告が発せられていたのだ。
無理も無い、あの踏みにじられたであろう菜の花を見れば誰だってそう思うだろうし、そう思わない、あるいは感じない人は来るべきではないかもしれない。)

せめて静止画だけでも28〜300ミリで遠くから走ってくるSLをズームしようと考えていたのだが、はるか遠くのSLをズームした写真は全て黒い頭(よりによって赤のフードをかぶったご丁寧な奴もいて)が点々としていて全て没(証拠写真として2枚ほど掲載いたします)。
SLが接近してからしか撮影できなかった。
よって枚数も僅かなので、コーナーを独立させる事が出来ず、やむなくバルーンフェスタの中へ組み入れることに。

渡良瀬運動公園に着いたのは13時、かろうじてそれ程遠くない駐車場へ入り込むことが出来た。
今回はSL絡みもあって、花火仲間に声をかけず、単独行動。
もっとも今日は四つも行きたい大会がある位だから誘ったところで行きたい場所が食い違う確率の方が高い。
それにしても、渡良瀬は広い。
広すぎるのと、初めての場所故どこがどうなっているのか方向音痴。
とりあえずは大会本部のある場所を駐車場の誘導員に訪ねる。
ついでに「この風では15時からの競技は中止ですかねー」と聞く。
「サアー、そこらへんは本部で聞いてください。」
そうだよね、愚問だった。
会場付近では、主催者(社)であるホンダの新車が5〜6台展示してあり、スーパーGT(GT500カテゴリー)で走ったレーシングカーHSV-010の実物も展示してあった。
知る人ぞ知る、新型NSXのベースモデルだ。
このNSX、日本には100台しか入ってこないと、会場のホンダ担当者から聞いた。
「1800万するんでしょう?」と聞くと、ニコニコして、「各県に2台程度ですね。」と答える。
「でも買う人はいるんですよね。」
「はい」
もっと色々話していたかったが、この人に聞きたいことはNSXのことではなく(当然買えるわけねェー)、午後の競技が行われるかどうかと、花火の打ち上げ場所なのだ。
残念ながら二つとも答えなし!
別のスタッフが「風が強いので15時に最終決定いたします。」と教えてくれた。
花火の打ち上げ場所はついに判らず、バルーンの並ぶ場所だけ教えてくれた。
とにかく土手上のどこかなのだが、どの辺なのかそれが判らない。
土手上を歩いてみたが顔見知りはいない。
小学3年生の子供と来ていた若いお父さんが三脚を立てていたので聞いてみたが、今年初めてで判らないという。
仕方なくその横へ脚立を置き、とりあえずの場所取りをし、車に戻る。

会場付近は桜が満開で、折からの強風に桜吹雪となっていた。
車の中で仮眠を取るには勿体無いロケーションで、脚の向くまま辺りを散歩。
渡良瀬川の河原に広がる黄色の絨毯、花びら舞う中での少年野球の試合、残念ながら余りの人出で、桜のトンネルの写真は撮れませんでしたが、時間つぶしとはいえない景色に感謝。
強風で結局競技大会は中止になってしまい15時過ぎには競技参加者の車が続々と帰って行く。
この日の早朝6時半からのバルーン競技は行われたようで、機会があったらぜひカメラに収めたいものです(5月の連休中に佐久平で第2回が開催。)

15時過ぎ土手道路に上がってみると自分らの右横(会場に向かって)には20メートルほどの三脚が並んでいた。
結論から言えば、もっと右側が正解だった。
バルーンの中央に花火を持ってくるにはもっと右側でないとダメだと言うこと。
しかし、初めての場所にありがちな失敗。
手前の桜並木が余り右側に寄ってしまうと切れてしまうので、桜並木がある場所を選択したのですが、これも結果からいうと桜の花なんて花火が始まると真っ黒で写らない。
と言うより4メートルほどある木の高さは、15〜20メートルは有るであろうバルーンと、さらにその上に上がる花火を画郭に入れたら(横位置フルサイズで18〜20ミリ)、桜の木4メートルが50センチほどの低木の草木程度に過ぎなくなってしまうのだった。

それにしても今回は知っている人が誰もおらず、当惑した。
そして、こういう場合、誰とも話が出来ず一人で時間潰しをする羽目になることが最大のつまらなさなのだが今回は違った。
埼玉から来られたと言うS氏(東武日光線が事故で2時間遅れの到着をこぼしておられた)と花火開始まで歓談できた事は大きな喜びだった。
勿論、初対面だ。
色々な話をするうちに打ち溶け合い、その後、お互いの名前を名乗るといういつももパターンだ。
S氏は、動物写真とりわけ野鳥の写真がお得意で、かわせみが魚を捕らえた瞬間や、鶴の飛び立つ時の一瞬の羽ばたきなど、自分は撮らない分野の作品を沢山見せてくださった。
鎌倉腰越漁港からの夕日と富士山の作品も、地元にいながらなかなかシャッターチャンスの無いものまで、各地足を運ばれていて、こちらにおいでの時は是非とも再会したい人だと思った。
神奈川には時々来られている様で、横浜大桟橋に停泊する大型客船についても、浦賀水道を通過している時でも撮れることを教えて頂いた。

19時30分、バルーンイリュージョンと題し、巨大な熱気球が10個程膨らむ中、花火も打ちあがった。
「バナー・オン」とアナウンスされると、瞬時に気球に灯(炎)が入る。
それは係留されたままの気球といえども迫力満点。
今まで見たことがない光景だ。
当然予想はされたものの、花火は最大でも8号くらいの単発打ちが多く、多い時でも打ち上げは三箇所程度。
昨年は、スターマインのトラがあったが今年は単発打ちが多く、花火は完全に脇役に徹していた。
反面、気球の数は昨年より多く、二重、三重に重なってチョッと多すぎるのではといった感じ。
これだけ多いとトラの足などむしろあっても見えない。

夜になり日中あれだけ強く吹いていた風も殆ど気にならなくなり、露光中のバルーンが揺れるのを何とか防いでくれた。
実は花火の撮影に気を取られ、長めの露光をしてしまうとバルーンが微妙に動いていて文字まで綺麗に撮る事ができない。
「バナー・オン」でバルーンが明るく輝きその後花火が上がるパターン。
「バナー・オン」にあわせてシャッターを開けると、バルーンは露出オーバーになり勝ち。
よって、花火が開く瞬間にシャッターを開ける方法に変更。
それでもタイミングがなかなか上手く行かず、失敗多数。
レンズは24ミリの横位置では花火が切れてしまうかギリギリでチョッとキツイかも?
潔く縦位置なら楽勝、但し左右端から端までの全てのバルーンは入りきりません。
S氏もその難しさに感嘆の声を上げていましたが、初めての場所故、皆似たり寄ったりの出来。
これを踏み台に次回の成功を目指すのみ。
終了後、S氏から握手を求められ、再会を約束して会場を後にした。

撮影日:2016−4−10        栃木県真岡市東郷及び栃木市藤岡町・藤岡渡良瀬運動公園にて

作品は以下の三部構成となっております。
第一部・真岡鉄道C11ー325/SL
第二部・渡良瀬バルーンレース会場ウォッチ
第三部・バルーンイリュージョン(夜間係留)+打ち上げ花火

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