5月の栞 『新穂高ロープウェイ』

ここを訪れるのは今回で3度目。
残雪と新緑の美しいこの時期に、時々行って見たくなる場所の一つ。
たまたま夕方からの塾生が藤沢市の体育大会で帰宅時間が遅くなるというので振り替えとなった。
何気に見ていた天気予報は、沖縄を除けば全国的に晴れマークが目立つ。
気圧配置は2つの高気圧の一番目が日本海側から本州に張り出してくる(雨を降らせた低気圧の過ぎた後の、この「張り出し」が大事)。
風は北寄り、乾いた空気、よって湿気は少ない。
この一つ目の高気圧が接近する時を狙わないと、標高2156メートルからの北アルプスの山々の眺めは最高のものとはならない。

岐阜県高山市、長野道松本インターを降り、R158上高地釜トンネル前を通過して安房トンネルを抜け、一時停止を必要とするETCゲートを過ぎて直進、R471を下る。
栃尾温泉を右折、県道(R158同様、この道も昔に比べトンネルが貫通し、随分走りやすくなった)を行き止まりまで走れば新穂高温泉郷、第一区間のロープウェイの駅へ着く。
行きは4時間30分、帰りは5時間10分、往復10時間近くの運転で現地滞在は、たった2時間半しかいないナンセンスな企て。
「勿体無いとおっしゃるなかれ!」再三申しますが山の天気は、午前中が勝負。
まして、こうした気圧配置は自分との都合を考えると滅多にあるわけではない。
たとえ現地に丸一日居たって、天気には勝てない。
居るだけ時間の無駄。
さらにお金のことは言いたくないけれど、(言ってしまえば)交通費として1万円チョッとはかかっている。
天気を読まなければ、お金も無駄。

もしロープウェイが8時半始発でなく、6時頃から動いていたら絶対それに合わせて現着しただろうに。
前日の雨が、その日の夕方には上がっていて、次の日の早朝はかなり高い確率で雲海が期待できるから。
そして空気中の塵をも、綺麗に洗い流してくれるので、視界もいい。
現着したのは午前7時前、Pには2〜3台の車が止まっていたが、こんなに早く来る必要はなかった。
買い置きの菓子パンを食しても、まだまだ時間がタップりある。
車を降りて散歩でもしようかと思ったら、メチャ寒い。
車の気温計を見たら4度、慌てて防寒ズボンと上着を着る。
松本辺りで発生していた深い霧も、日の出と共にあっと言う間に消え、新穂高ロープウェイの駐車場にも強い光が差し始め、気温は一気に二桁表示となった。
朝からこれほどブルーの空になるとは予想はしていたものの、実際目の当たりにすると素晴しいの一言。

過去二回の訪問時も、天気を読んで行ったので外す事はなかったが、今回は本当に雲ひとつない快晴。
一番初め、にここを訪れたのはフィルム時代。
ニコンのF50とか言う銀塩カメラに、パノラマ機能が付いていて、何枚も残雪を頂いた山々を撮りまくり、カメラのキタムラで現像してもらった記憶がある。
今でも部屋に飾ってあるが、細部がつぶれていて、腕の悪さ(おそらく、手振れや、ピントが甘かった)は当時からあまり進歩していない。
二度目は2004年5月25日、初期のコンデジを手に入れて嬉しくなって出かけたみたい。
これも当時日本で初めての2階建てロープウェイをしっかり写真に収めて、さぞ満足だったのだろう?フイルムよりも、もっとつぶれまくっている写真をA4にして残している。
今回、時間の都合で、第一区間のロープウェイの乗り場からではなく、第二の始発駅「しらかば平駅」の駐車場へ車を入れる。
本来なら第一ロープウェイの終点駅、「なべ平高原」付近を散策して撮影したかったのだが、2時間半の滞在時間は、それに回す事を許さなかった。

第二ロープウェイ8時45分の始発に乗るべく、支度を始める。
重さ6キロを越える荷物は別途お金が懸かる。
実はカメラ2台、白レンズ2個の重量合計だけで4910グラムある。
リュックにはその他諸々な物も入っているので、おそらく計量されたら危ない重さ。
切符を買う時チョッとドキドキだった。
本当なら、三脚も大型を持参してロープウェイに乗りたかったが目立ちすぎるので、一脚にした。

駐車料金600円、第二ロープウェイだけでも2800円(往復)かかる。
上る時は、二階部分に50名が先に乗車、51番目以降からは一階部分に案内される。
だから少し早めに並べば、どこかの窓際には立てる。
窓は上部だけ幅20センチほど開けることは出来るが、両手を挙げて届く位置なので、ファインダーを覗いての撮影はちょっと難しい。
勿論ガラスを通せば撮影は可能だが、乗車7分間の中で、ガラス(強化プラスティックかアクリルかも?)反射を考慮して撮ろうと思っているうちにシャッターチャンスを逃してしまのがおち。

標高2156メートルの西穂高口駅で下車し、屋上展望台まで2フロア程上がるだけだが、荷物が重いせいか、空気が薄いせいか、はたまた単に自分の体力がないだけか、息が斬れる。
気温は9度との表示、この場所にしては暖かい方。
過去2回は、本当に寒い記憶しかなかったのに、今回は寒さは感じない。
それもそのはず、風がこれだけの高度にも拘らず全く気にならないくらい弱いのだ。
展望広場には、しっかりガイド役の男性がいて、ロープウェイが着くたびに全く同じ案内を繰り返していた(オウム同然)。
カメラマンも2名いて、各自持参した自分たちのカメラで撮影を依頼すると「チーズ」と言う代わりに「ロープウェイ」と言ってシャッターを切る。
大抵はその言葉でスマイルを浮かべるのを狙ったのだろう。
その後で、彼らカメラマンが持っている一眼レフでも撮影し、「よろしければ買ってください。」と言って、掲示板コーナーに程なく展示される。
1枚1200円の値段を付け、かなりくっきりと写っている。
プログラムオートで撮影していると言っていたが、バックの山をはっきり写すには、絞っているに違いない。

今回は過去2回では達成出来ていなかった、「望遠レンズによる拡大」をテーマに7Dに100~400ミリを着けての撮影も試みました。
少しでも、山の険しさを感じていただければ幸いです。
そして、実際には行けそうも無い焼岳、西穂高岳、笠ヶ岳、そして剣岳などを、至近距離でご覧いただけたら本望です。
ガイドさんの説明によると、「今年は本当に雪が少なく、あと一ヶ月もすると殆どなくなってしまいそうだそうです。」と、又「このように晴れ渡るのは大体一週間に一回ぐらいの割合しかない。」とも。
確かに、以前訪れた時には、仙石園地は雪の回廊と呼ぶに相応しく、両側を一メートルほどの雪の壁で覆われていたのだが、今年は見る影もない。
一部の木陰に残雪が残っているだけ。
被写体に成るものが殆どなく、11時45分のしらかば平行きに乗り、帰ることにした。

撮影日:2016−5−18 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷新穂高温泉にて 

作品は以下の三部構成となっております。
第一部・しらかば平駅〜西穂高口駅
第二部・展望台からの絶景
第三部・千石園地散策

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