5月の栞 『小田急及び箱根登山鉄道アジサイ電車』

これもまた、「相棒の栞」のコーナーが設けられる前、近藤師匠に「大平台〜宮ノ下」間を登山鉄道に乗って、アジサイ撮影のご教授を授かった事がある。
師匠にとって、アジサイ電車は毎年のように取材されている被写体で、各駅に下車しては撮影ポイントを案内して頂いた.。
何度も、足を運ばれている場所だけあって、多くのポイントを知り尽くしておられる。

今回、千条の滝での源氏ホタル撮影へ向かう途中、大平台に寄ってみると、数名のカメラマンが、電車の来るのを待っていた。
師匠に案内されて、ご一緒したのは、もう10年近く前だから、アジサイがこれほど綺麗で、人気が有るという認識と記憶が大分薄れていた。
ただ、ここは完全に撮り鉄フィールドで、、狭い通路や遮断機のない小さな踏切での撮影ゆえ、皆同じアングルでの写真しか撮影できないような気がした。
むしろ電車が走っていなければ、アジサイだけでも色とりどり、種類多数で、ブルー系で統一されたどこかの人気スポットよりいいのではないかと感じた。
この日は小雨が降っていた事と、夕方、ホタル撮影に向かう序(つい)でに立寄ったので、数台の電車は撮影したものの、下見の領域を出ないで終わってしまった。

箱根登山鉄道のHPにもあるように、標高差があるので当然アジサイの見頃にタイムラグが生じる。
よって、箱根湯元で見頃なら大平台でも見頃を迎えるものの、その上になるとチョッと早いか?
それ程自宅から遠い訳でもないから、何回か赴き、小分けすることなく一つのコーナーにまとめ上げる事にしました。

電車とアジサイ、被写体は極めて単純。
ただ、電車だけを撮る訳ではなく、アジサイと絡めると成ると、師匠のように沿線の撮影場所を熟知していない自分は、ポイント探しで歩いている時間ばかり多かったような気がします。
師匠のように、電車に乗りながら撮影ポイントを探すのが一般的なのだろうが、箱根まで車で来てしまうと電車に乗る気が起きない。
普段ハンドルを握って、ただ通り過ぎているばかりなので、如何に箱根を知らない、知らな過ぎるかを痛感。

                  第一部 小田急とアジサイ
まずは、車から見えるポイントとして気になっていた、箱根湯本駅手前の小田急とアジサイの絡みからご案内いたします。
ここは、千条の滝へ行く途中の6月26日に、自宅を早めに出て撮影に臨みました。
しかし早川の遊歩道沿いのアジサイは既に、「見頃過ぎ」と言う状態でした。

実は、小田急とアジサイのコラボは他に大きな訳が有るのです。
小田急の特急といえば「ロマンス・カー」(ロマンスと言う言葉すらチョッと古めかしい哀愁を感じますが、団塊の世代を中心に、わが国の高度経済成長を担って来た世代には、小田急のロマンス・カーをご存じない方は殆どいらっしゃらないでしょう!)。
朱色(オレンジ・バーミリオンと言うカラーだそうです)とグレーに白のラインが入ったあの車両です。
デビューは1957年、流線型電車の元祖、ロマンス・カーの元祖でも有ります。
その後、改良型が1963年に登場3100形。
現在このカラーをまとった、LSE7000の登場は1980年ですから、すでに35年以上は経過しています。
2010年11両編成が、2012年(同)が廃車になり、残り僅かになってしまいました。
撮影現場にいた埼玉から来た大学生の2人連れの「撮り鉄くん」によると、「来年もアジサイと一緒に撮れるでしょうがその後は判りません。」と。
自分も何時とは分からなかったが、姿を収めておく時間が、それ程長くはないことは分かっていた。
だから、「矢張りそうか!」と言う裏づけにはなった。

展望室のあるもう一台、シルキーホワイトのVSE70000も撮影候補。
この白色は見るからに高級な塗装のようで、白色の軽いイメージではなく、重厚感のある豪華車両に見える。
一編成10両連結17億〜18億だそうだ(二編成あるようです?)。
日曜日には、箱根湯元駅を6往復ほどこのVSEだが、自分がここに到着したのが15時半過ぎだったので、15時20分発を逃してしまった。
よって、17時53分発とその15分ほど前に入線してくる2回のチャンスだけとなった。
18時45分にも発車するが、それを待っていると、千条の滝のホタル撮影にはチョッと厳しい。
白の車体を待っている間に、結局茶色のEXE(30000)とブルーのMSE(60000)も撮影する事が出来、LSEとあわせ、4種類を収める事ができた。

流石に新旧展望車(1980年と2005年)を比べると、時代の流れ、技術進歩を感じてしまう。
一つだけご紹介するなら、フロントウインドーの中央に、ピラーが有るか無いか。
おそらく展望デッキに座った乗客が、外の景色を眺めた時には、その差は歴然だろうと思う。
このVSE(Vault Super Express)が導入されてから、それまで「箱根フリーパス利用者が年間50万人弱だったのが、導入後2009年には74万人に増えたというデータも有るほど。
写真を撮っていて、前方から来る「天空の超特急」(自己流VSEのこじつけ訳)の最前列に座っている人(後で写真をプリントアウトしてみたらどうやらカップルのようで、しかも上品な感じ、向かって左側の方は、着物を着ているご様子))がとても偉そうに見えました。

                 第二部箱根登山鉄道アジサイ電車
こちらに使われている車両も、モハ1型103〜107、モハ2型108〜110、既に製造から60年以上たっているものから、1000系ベルニナ号、2000系サン・モリッツ号、そして2014年近藤師匠がデビュー間もない頃に乗車取材された3000系アレグラ号まで多種多様だ。
だから撮影していても、何が来るか楽しみ。
といっても、これら全てが一日中走っている訳ではないから、見られない車両も有る。
数回、場所探しで車を駐車場に置いてロケハンしたのだが、どうにも此れと言った決定打(場所)がない。
半ば雲をつかむようなあやふやな感触、この程度の撮影で満足すべきなのか?もっと頑張って場所探しをすべきなのか?
入試で言えば、模擬テストでも受けて判定を得たいところだ。
そこで矢張り頼りに成るのが近藤師匠、ご都合を伺ったところ7月3日は何とか都合をつけてくださるとのお返事を得た。
14時半過ぎ、お迎えに行く。

夕方、大平台に到着後、付近のポイントで撮影を試みるも、大平隋道付近のアジサイは病気にかかったとかで根こそぎ伐採、影も形もなかった。
その後、一旦彫刻の森まで車で行き、沿線のアジサイと絡め、その後再び大平台へ戻り宮ノ下まで電車に乗る。
宮ノ下駅のホームで、アジサイと入線して来る電車を撮影後、大平台駅に戻り付近のアジサイのライトアップを狙う。
チョッと、スケジュール的にはきついものがあったが、師匠はそれを難なくこなす。
単に、ここの撮影を熟知しているというだけでなく、取材のポイントと撮影経験(キャリア)がモノを言っているのだろう!?
自分と来たら、アドバイスに従い、ワナワナしながら撮影に追われ、煽られ通しだった。

師匠の大平台駅付近で撮影されている動画は、完璧なものですが、(⇒近ちゃんギャラリーをどうぞ)、その中を、まるで邪魔するかのように(本当に邪魔をして)、ウロチョロ三脚を担いで歩く人物が私です。
そう!ポイントが分からず歩き回っているうちに電車が来てしまっているのです。
最悪ですね。

今回、昼夜(時間差)の区別ではなく、場所的区分けでもなく、車両の古い順にモハT形、U形のグループ、1000系、2000系、3000系の順に車種を並べてみました。

                 第三部、宮ノ下駅のアジサイ
今年はアジサイの見頃が例年よりかなり早かったようで、師匠と出かけた7月3日には大平台のアジサイは枯れかかってっているのがチラホラ、皮肉な事に下見で訪れた6月19日には、そろそろ綺麗に咲き出していたし、26日は見頃だったのではないかと思いました。
宮ノ下のホームに鉢植えされている珍しい種類のアジサイも、10日から一週間ほど前はもっと綺麗だったそうで、大分、花(がく)が色あせてしまったものが多く、数が減ったと、小田急グループの警備会社に勤めるガード・ウーマンさんがおっしゃっていた。
確か、初めて師匠にご案内いただいた時のここのアジサイは、もっと綺麗だった記憶があるし、電車停車中は、線路にも降りられたのではないかと?
ここのガード・マンいえ、ガード・ウーマンさんは大変なおしゃべり好きで、撮影中も話しかけてくる。
まあ、情報収集には役立ちそうだったが、教えてもらった事は、今年の見頃が早かったことと、箱根ケーブルの「公園下」と言う駅の沿線にもアジサイが咲いている事、自らも結構写真を撮るのが趣味だと語っていた程度か。
そこで、試しに後日、ほんの一時間程度、強羅まで出向き、ケーブルカー沿線のアジサイを探してみた。
行かないで来年を迎えるより、行って納得(後悔)する方がマシ。
結果、それ程でもなかったが、ここで再び場所知らずの弱点を露呈したかも知れません。
数枚ですが、おまけとして付け加えさせて頂きます。

今回、師匠に多くのアドバイスを頂いたおかげで、課題も見つかり、又もう少し見頃の時期をしっかりキャッチしないといけないと感じた次第。
要するに、各自「見ごろ」と言う曖昧な言葉の中に、幅の広い狭い(期間の長い短い)があって、その最も絶対値が広いのが地元の観光に携わる方達、よって、しっかり見極めて撮影に臨まないといけませんね。

撮影日:2016−7−3 神奈川県箱根町にて 

作品は以下の三部構成となっております。
第一部・小田急車両とアジサイ
第二部・箱根登山鉄道とアジサイ
第三部・宮ノ下駅のアジサイ(付録として箱根ケーブルカー、強羅〜公園下間のアジサイ)

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