8月の栞 『第90回全国花火競技大会(大曲の花火)』

丁度一週間前の赤川花火は、内容は勿論、風向きが良かったので殆ど煙の目立たない傑作が何枚か撮れ、大満足、 満腹感の余韻に浸っていた。
だから大曲は少しでも天候が悪かったら、お断りする可能性もあった。
しかしそんな理由よりももっと決定的な、不参加理由が発生してしまった。
28日の日曜日に親戚の病気見舞いが入ってしまったのだ。
いよいよ厳しくなった。
なぜなら毎年70万人を越える見物客が、大曲に集まり、帰って行く。
脱出できるのは日付が変ってからだ。
そして、秋田道のノロノロ運転は、所要9時間は見ておかないと自宅へ辿り着けない。
しかも、必ずと言っていいほど、福島県境から栃木県に入った頃、一瞬にせよ完全に意識を失った運転に陥る。
そうなると、SAでの休憩を余儀なくされる。
一度寝るとやはり一時間は欲しい。
本当はもっと眠りたいが。
そう考えると、大曲行きは時間的にも体力的にも無理っぽい。

実は、W氏から「C席の余りがあるのでよろしかったら・・・。」と案内されていた。
昨年も彼はカメラマン席が外れた場合の、保険としてC席を確保していて、「如何ですか?」と連絡をしてくれた。
生憎、昨年は天候を読み間違え、雨予想を信じてしまい不参加,実 際には湿度は多かったものの撮影には差して影響無しだったそうだ 。
今年も水曜日の夜までは降水確率が高かったので、行こうかどうか 迷いながら、金曜日まで天気予報とのにらめっこが続いた。
それが突然金曜日には予報ががらりと変わり「午後から晴れ」に変わり、「オ ー、これなら・・・」の矢先、日曜日の個人的用事が舞い込んだと 言う訳。
仕方無しに、W氏に欠席を伝えた。
しかし、お断りをしたものの、その後モヤモヤした気持ちがズーッと続き、気分がすっきりしない。
90回大会だし、風向きは有料席有利の予報だし、まともにお金を払って見た事ないし・・・。
ここは一か八か、日曜日のお見舞いの時間を夕方にしてもらい、後は自分の体力を過信?するしかない!
そう決断。
「矢張り行きます。宜しくお願いします。」とメール。
前日仕事を22時半に仕舞い、撮影機材を慌てて準備、自分用の食い物と車用のそれを詰め込んで、12時(勿論真夜中の)出発。
先週の赤川同様、東北道は似たような雨模様。
と言っても東北道に合流したのは常盤道、磐越道経由で。
首都高速、三郷JCの先「新井宿」付近が事故で通行止めになっていたため、東北道に入れず、やむなく常磐道を選択。
先週同様、時折土砂降りの雨で、かなり視界が悪くなることも。
しかし、常磐道・磐越道共に東北道の比でない空(す)き様。
自分の運転だけ注意すれば、前を走る車を気にすることなく走行できた。
秋田道へ入り、横手IC手前からようやく前方の空が明るくなり、 路面も乾いた部分が多くなってきた。
朝の8時とは言え、車はすいているとは言いがたく、70キロ程度 のスピードで等間隔で流れていた。
今年はいつものスポーツセンターではなく、少しでも帰りの脱出が 早くなるようにと、大曲駅の花火会場とは反対側の2000円駐車場 を目指す。
大体、毎年9〜10時には満車になるとの情報を得ていたので、8 時過ぎ9時前到着を目標とした。
しかし、大曲も前日かなりの雨が降っていて出足に影響したのか、 8時半過ぎ着で14番入庫だった。
実際この駐車場が満車に成ったのは昼少し前。
駅の反対側は、概ね満車になる時間が遅いかもしれないと感じた。
既にいつもの仲間達はもっと早く到着していて、仮眠や休憩時間のようで連絡無し。
一時間程、仮眠をした後大曲駅へ。
3歳の甥の娘に「こまち」を撮って来るように頼まれていたからだ 。
生憎の暗い空、こまちのグレーの車体と同化して全く写りは悪い。
行って来た証拠写真にしか過ぎない撮映となった。
大曲駅近くの踏切で、待っていると奥羽本線と並行して走っているので、高架橋を走っていない新幹線は不思議な感じだ。
スピードも遅く、シャッタースピードに気を遣う必要もなかった。
もし青空なら、きっと綺麗な「こまち」が撮れただろうと悔やんだ 。

午後2時に、「アップル」の入口でW氏と待ち合わせ。
ところが大曲駅のコンコースが異常に混んでいて、ラッシュ並み。
立ち止まっている者、座って休んでいるグループ、色々いて通行の妨げになっていた。
まさか、ここでポケモン・ゴーをやっている輩はいないとは思うが 、約束の時間に10分も遅れてしまった。
C席は定員5名、板の座席で2段分。傾斜は長岡の比ではなく緩やか。
ただ、緩やかゆえ前の人の頭が気になる。
そしてこの板の上に座っていると、尻が痛くなる。

静岡のM氏、伊勢原のK氏もいらしていて3人で三脚を構える事になった。
3時を過ぎる頃から、真夏の太陽が強烈に降りそそぎ、終わり行く夏とは思えない炎天下での開始待ちとなった。
それでも、今年の各地の花火大会での思い出話や、これから始まる競技花火の情報など、時間と暑さを忘れての話が続いた。
17時30分、昼花火の開始。
大会開始号砲大雷の後、北日本花火興業さんの標準審査玉が揚る。
しかし、ここからは花火がほぼ西に近い方角に揚る為、ただでさえ 撮影しにくい昼花火の撮影を一層難しくしている。
他の仲間は必至に捕らえていたが、自分は余りやる気なし。
プログラムにして、28番も有るのに、たまたま写った数枚を並べて、お茶を濁す事に。
どうかお許しあれ!

夜花火の開始は18時50分、この間に会場は凄い勢いで埋まって行く。
どこかの花火大会で、屋台の事故が数年前にあってから、大曲も通 路全体に有った屋台が両脇のみになり、被写体とすれば少し寂しく なった感じ。
もっとも自分が表側で撮影したのは、もう10年近く前で、しかも 自由席の左端だったので、写真を撮るどころか大曲のスケールの大きさにビックリしっ放しだった。
その時は撮影したと言う実感より、素直に感動した事(涙が出そう な位)をはっきり覚えている。
とりわけ、花火大会の終わりを知らせる終了雷が揚った後、南こうせつの「満天の星」の曲に合わせて、観客と花火師さんとの光の交流がジーンと心を揺さぶるのです。
今回、あえて花火ではなく、会場のフィナーレの雰囲気を知っていただくために、揺れ動く光の動画をアップいたします。
それは時代の流れでしょうか、あの時は単なる懐中電灯が主流で、時々LEDの青白い色が混ざる程度の単色ライトが客席からのメッセージだったのが、今回A席に居られた観客のライトがなんとカラ フルな事か!
コンサートでファンが振るあのペンライトに勝るとも劣らぬ(いや 人数では絶対勝っている)、その色の多さと横幅には圧倒された。
帰り支度を始めた自分が慌ててカメラをセットし直し、動画スイッチを入れる程綺 麗でした。
写真は今回も上手く行きませんでしたが、ひねくれた言い方をすれ ば、このラストシーンが一番印象に残ったと言っても過言ではない 。
「これがあるから大曲はいい!」と思われる方も多いのではと思い ます。

大曲の花火は、横幅が900メートルほどあり、10号は右手、創 造花火は左手から、仕掛け花火も、2箇所くらいに分かれているため、有料席での撮影は結構忙しい。
更には、大会提供花火は幅一杯に使うため、かなり広角が必要。
初めて座ったC席で、失敗の連続となった。
個人的には、風向きにも因りますが、撮影をバッチリ決めたいなら「裏」のセンターから、70万人を超える観客と共に迫力ある花火を真近かで見たい(エンディングのライト振りに参加したい)なら「表」と言 う気がしました。
10号自由玉は、各煙火店さんの特徴が色々出ていて感心させられ 、創造花火には凝ったものが多く、力の入れ方が半端でないなと感 じた。
勿論、競技大会なので、ここで最優秀賞である内閣総理大臣賞を獲得すれば、メーカーの知名度は大幅にアップし、引き合いも計り知 れない。
今年は創造花火で優勝した野村花火工業さんが、総理大臣賞を受賞しましたが、当然とも思えるし、その反面割り物10号や10号自 由玉では、優勝、準優勝されていないのになぜ?との疑問も少しあ りました。
でも、自分なりに判断して、3っの作品の得点合計なら納得出来ます 。
大曲の競技花火に関しては、撮影よりもジックリ眼(まなこ)に焼き付ける方が、心が満たされるような気がしました。
やがて、重い機材を持つだけの体力がなくなった時は、ジックリ観 賞する側に回ることに成るでしょう。

帰路、思惑通り信号一回待ちで、国道13号線に出、その後直ぐに 左折、大回りし、「みずほの里」ルートへ合流。
ナビではそれ程広い道には思えなかったが片側一車線とは言え道幅もそれなりで、第一車が少ない。
しかし、調子に乗って走っているうち、どこで間違えたか県道12号に入り黒森山方面の一本道へ入ってしまった。
両側から草が道路にお辞儀をする完全なる登山道、勿論所々に退避場所はあるものの対向車とのすれ違いは無理。
さらに峠を越えた辺りから、ナビの道幅は一本の細い線、車が通れるのか心配になった。
呼応するかの如くアスファルトは切れ、二本の轍だけの農道のような頼りない道とな った。
下るにつれ前日の雨の影響で、ぬかるみが増え運転が慎重になる。
チョッとでもハンドルを誤れば両側にある水の流れる溝の餌食だ。
水溜りが目立ち水を跳ね飛ばしての走行となって間もなく、前方5メートルほどが道幅一杯のプール状態の現場に差し掛かった。
突っ込むには深さが判らない。
水面下がどういう情況なのか?フラットなのか?凸凹ダートなのか?
仕方無しに一旦車を降り、いくつかの小石を放物線上に投げてみる 。
水の跳ね返りと音で5センチ程度と判断。
丁度、橋の部分だけがコンクリートでできていて、そこだけが周りより低くなっていた為 水が流れ込んだのだと判明、それでも少し度胸をすえてゆっくり走行、事なきを得た。
ホッとする気持ちと、この先の道路状態に大いに不安が募った。

県道?273と書かれた道に出、舗装路になった時はシメタと思った。、
緊張から開放されると、ふと行きたくなる生理作用がある。
勿論こんな山の中、人家もなければ通る車もない。
我慢も限界、大松川ダムと掻かれた駐車スペースで車を止め 、あるわけないトイレを探す。
やっぱり在る訳ないので・・・。
「アーすっきりした」と思いながら何気に空を見上げてみた。
おそらく冨士山大渕地区や西臼塚で見るより多くの、いや多さではなく、空一面に星があるのだ。
方角によって少ないとか多いとかそういう話ではなく、どこを見ても滅茶苦茶ある。
さすが?秋田県の山中(失礼)、ネオンの光とかで空が明るくなら ないので、星が目立つのだろう、暫く見とれていた。
心のどこかで、カメラに撮りたいという気持ちが頭をもたげたが止めた。
この時ばかりは、記念に撮るべき被写体の遥か上をいっていた。
上手く表現できないが、機械(カメラ)で自然を捕らえる気にはなれなかった。
大曲花火のエンディング・テーマ曲、南こうせつさんの「満天の星 」のメロディーが流れてきたのは言うまでもない。
♪ 一人ぼっちの君に 満天の星 ♪  正に我の事・・・。
花火も良かったが、迷い込んだ静寂な道で、凄くいい空を見させてもらった。

高速に入り、即、とんでもない睡魔が襲ってきて、吾妻PAでダウン、一時間程の睡眠と思意目を閉じた。
しかし完全に爆睡、ふと目を覚ますと6時半、二時 間半も寝てたことになる。
夕方から親戚のお見舞いがあるというのに大失態、空き空きの東北 道を言えないスピードで爆走、10時半過ぎに自宅着。

今回、競技花火の入賞作品については枚数が膨大なになってしまう為(現状でも膨大ですが)、一部に留めさせて頂きました。
動画に付きましては、大曲花火の雰囲気を感じていただけたら何よりです。

<花火撮影後記>
今年も、7月に3箇所、8月に7箇所計10箇所をアップする事ができました。
また月当たり1,000を超えるアクセスがありましたことに鑑み、多くの来館者がいらして下さった事も大変ありがたく存じます。
正直、 体力的に無理そうな時もあり2箇所ほどキャンセルしてしまいましたが、来年もマンネリ化をさせないように気をつけつつ、 矢張りいい花火大会はそれなりに出向き、 頑張れたらと思っております。
9月はなかなか出かけることが出来ず、少なくても花火はお預け、10月の土浦と江ノ島を楽しみに待つことにいたします。
今後とも近ちゃんギャラリーを宜しくお願いいたします。

動画・・・ENDINGテーマ・南こうせつ「満天の星」

撮影日:2016−8−27  秋田県大仙市雄物川河畔にて

拡大写真でご覧頂けます。

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