2月の栞 『河口湖・母の白滝』

河口湖花火のついでに立ち寄った場所でしたが、付録扱いでは勿体無い、趣のある滝だったので一本立ちさせました。

面白い名前のついたこの滝は、以前から機会があれば「そのうち」程度の存在で、何かのきっかけで「行きたくなったら」行こうか位の立ち位置。
背中を押したのは、11日の大渋滞。
折角、平野のアイスキャンドルを撮影しようとしたのに、山中湖に 着いたのは17時半過ぎ。
何度も記して申し訳ないですが、2時間もかからないで行かれる山 中湖に何で4時間以上かかるんや!
アイスキャンドルどころか、花火の打ち上げにも間に合わなかった。
山中湖湖畔を素通りする時の虚しさと言ったら・・・。

それでも、本来なら2月5日で終了した、西湖野鳥の森の樹氷祭り が、特別に11日12日だけライトアップされているのを知って、 急遽駆けつけ30分ほど撮影。
しかし、冨士山は丁度雲隠れしていて、コラボには失敗。
どうにも消化不良。

その後冨士山の雲は退き、河口湖花火は冨士山とコラボできたものの、過去の作品と比 べて特段腕が上がった撮影が出来た訳でもない。
花火が8時20分に終わって、気持ちがすっきりしなかったので、 河口湖浅間神社の奥にある、「母の白滝」へ行く事にした。
そうは言うものの、可なり危険な決断だと言う事は百も承知。
雪の積った夜の林道を上がって行くのだ。
昼間ならともかく夜間なので、さらに注意が必要。
ただ、多少の危険が要素として加味されていないと、撮影後の満足 感も又無い事はそれなりの経験値。
ほぼ、1,5車線の林道は、時々アスファルトが顔を出している処もあったが、 肝心のヘアピンカーブ箇所は必ずと言っていいほど雪が積り、 その上勾配もきつい。
それでも轍が何本も残っているので、車が上がって行かれる確かな証 拠は残っていた。
時々2本の轍を大きく脱線し蛇行、明らかにスリップしたタイヤの 軌跡があったりして、緊張する。
四駆のスタッドレスで上れない訳はないのだが、帰りの坂道は相当 ヤバイかなと思ったりする。

河口湖神社から10分はかからない目的地が、気持ち的には10分 以上かかった気がしてならない。
最近、駐車場が整備されたとみえ10台ほどのスペースがあった。
勿論、一台の車も止まっていなかったし、誰一人いる訳がない。
ここからの河口湖と冨士山の眺めはそれなりに素晴しく、お手軽ビ ューポイント。
但し、道に雪が積っていない時の話。
積雪時には余りお勧めできない。

車を降り、下り坂を5分も歩かないで滝に到着。
道的には一本で、その行き止まりに「母の白滝」はある。
とりわけ大きいわけでもなく、高さは10メートルもない。
幅にしても5メートルあるかどうか?
可なりいい加減な寸法報告で、本当はもっと大きい(小さい)のかもしれない ので間違っていたらゴメンナサイ。
実は、真っ暗で全貌は把握し切れていません。
ただ、白く浮かんだ滝の水と、透明感溢れるツララがきらりと光っ ていて、周りはほぼ雪で覆われて、 不思議な空間がそこにあったと言うことです。
だから規模なんて、ある意味どうでもいいと思えました。
本当なら怖さも感じなければいけないのでしょうが、そこにじっと 立っていると、次第に何も感じなくなり、完全結氷ではないものの 周囲のツララの造詣に、たた感心するだけでした。
先程西湖野鳥の森公園で木々に人工で水をかけ凍らせたのと 違い、こちらは自然が勝手に作り上げた造詣です。
ここまで造ちゃうの!自然て凄い!

残念ながら撮影が下手で、真っ暗闇に近い滝に向かって焦点距離が 合あわず(本来、白いものにはカメラの焦点距離は合い難いのです が、MFにしても腕の悪さを露呈した感じです)、 その神秘的雰囲気はお伝えできているとは思えませんが、 少しでも暗闇に浮かぶ「母の白滝」の片鱗でもご覧いただけたら幸 いです。

実は、急な階段を登り、三ツ峠までのハイキング(登山に近いかも ?)コースがあり、少し登った所にもう一つ滝があることは調べて おいたのですが、いかんせん階段に雪が残り、足場も悪いので、い くら冒険心が多少あってもこれはチョッと危険すぎると思い、11 日の日は諦める事にしました。
勿論、靴には簡易のスパイクを捲きつけてはありましたが、一度滑 ったら命の保証はありません。
たとえ川の中にまで流されなくても、骨折などで動けなくなったら 、おそらく誰もこんな夜更けにここを訪ねる人はいませんから凍死 かも?
以前、深夜にホタル撮影の帰り、アキレス腱を半分切ってしまった 事があり、その時車のクラッチぺタルを踏むのに偉い目にあったこ とがありました。
あの時ほど、オートマであったらなあー思ったことはありません。
にも拘らず、未だにオートマは好きではなく、マニュアルミッショ ンに乗っていますが。

翌日、16時30分の山中湖平野でのダイヤモンド富士に間に合う ように家を出た。
しかし、先月新倉浅間神社で見たような山頂を覆う黒い雲が取れず 、多くのカメラマンが無言で引き上げる結果に。
「ダメだな」と独り言を言って撤退しようとすると、隣のカメラマ ンが「昨日よりはいいですよ。」とこちらを見て話しかけた。
「え!、昨日のアイスキャンドル、ダメだったんですか?」
「麓しか見えなかったです。一面黒い雲に覆われて・・・。」
そのことだけ聞いて、平野に立寄った価値は多少ともあった。
昨日、もし渋帯がなく時間通りに到着していたとしても、イベント の半分は叶わなかった事になる。
多少の諦めにもなった。

急いで機材を車にブッコンで山中湖ICから東富士五湖道路を河口 湖まで走る。
再びの「母の白滝」を目指す。
今日の目的はもう一段上の滝を撮ること。
17時過ぎに到着すると、駐車場にはスバル・レガシーが一台。
杉並ナンバーの乗用四駆。
矢張りここまで来るには、スタッドレスの四駆か?
てっきりカメラマンかと思いきや、手ぶらの青年だった。
何回か来た事があると言っていたが、解かるような気がする。
出来れば、彼には長居をしていて欲しかったが、 会釈をしてサッサと帰って行ってしまった。

17時も半分過ぎると木々に囲まれた滝周辺は、暗くなるのが早い 。
昨日全容が真っ暗闇ゆえ判らなかったので、改めてジックリ眺める 。
矢張り、雪とツララに覆われ水の落ちる場所は狭く、迫力はない。
水量が多い時は3箇所くらい、もっと多い時は川のように落水して いるらしい。
しかし、夕暮れの雪に覆われた「母の白滝」は、 矢張り神秘さをより一層増しているように思える。
個人的には、日中太陽の光で陰影がはっきり出て、斑になるよりは 曇りないしは早朝、夕暮れ後が滝の撮影には向いていると思ってい る。
勿論桜や紅葉にも同様のことは言えますが。

鉄製の急な階段を上がってゆくと、赤い鳥居がもう一つ現われ、そ の奥に二つ目の滝はあった。
鳥居を潜ると、大きなツララが一つ不気味に垂れ下がっていた。
一メートルはあるだろうか?
そして、その奥には岩肌から無数の小さなツララが暗闇に光ってい るのを見た時、一瞬恐怖を感じるくらい、 思わず声を上げてしまった。
次に、これをどうやって撮ればいいのか?いや違う、 どうやったら写るのか?が頭をよぎる。
バルブ撮影に決まっているが、露光時間にはほとほと苦労した。
雪の部分は白トビし、ツララ部分は上手く写らない。
やがては、自己流ライトアップ戦法を用いて、数枚ご覧いただける レベルのものが撮影出来た。

一瞬、もっと時間をかけて、この場所を借り切りたい思いになった が、不気味さも増してきてしまい、急ぎ河口湖花火へと移動する事 にした。

撮影日:2017−2−12  山梨県南都留郡富士河口湖町河口  母の白滝及び神社にて

拡大写真でご覧頂けます。

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