先日エクストレイルの点検に行った際、待ち時間に「ノート・
eパワー」を試乗した。
ご存知かどうか、昨年11月と今年の1月に、トヨタのプリウスを
抜いて一位(軽乗用車を除く)の月間販売台数を記録した車だ(2月は又プリウスに首位を譲ったよう?)。
以前からノートに搭載されるシリーズ・ハイブリッドシステムのこ
とは聞かされていて、もし出れば相当売れる事は予想していた。
何せ、日産が月間販売台数でトップを取るのは30数年ぶり(サニ
ー以来)だ。
日産プリンス藤沢店の自分の
担当カーアドバイザーA氏は31歳だ から、
当時トヨタ・カローラと日産・ サニーが販売を
競っていた事を目の当たりにはしていない。
昨年秋にテレビCMで、矢沢永吉が「やっちゃえ、
日産」 と言う言葉を発しながらセレナの自動運転
(プロ・ パイロットとか言っていたが、
本当の自動運転ではない)
をPRしていたが、正直「この程度かよ」と思っていた。
しかしNOTEが大幅なマイナーチェンジをして、
エンジンを発電 のみに利用した電気自動車並みの
走り(正確にはこれは、ハイブリ ッドの仲間に入る)を
実現したのが、今回の追加グレードだ。
このシステム、別段新しいものではないらしいが、
個人的にはこれぞハイブリッドと思えるくらい納得。
矢沢永吉の「やっちゃえ、日産」のフレーズは
こちらにこそ当てはまる。
以前、純粋な電気自動車「リーフ」を試乗した時、
電気自動車の発 進のよさにビックリしたものだ。
瞬時に、加速するピックアップの良さは、回転を
上げて加速して行 く内燃機関とは別物。
3,000ccクラスのトルク、静粛性はクラウン並みと感じた。
ところがいい調子でガンガン走っているとバッテリーもガンガン減
って行き、残念至極。
BMWなど外車には、エンジンを発電専用にして、電気で走る車が
出てきていたが、日本にはなかった。
一時期、 マツダがロータリーエンジンを発電用にしたHVを開発するとか噂
があったが、直ぐに立ち消えた。
個人的には、エンジンとモーターを共に駆動に使う、「シリーズ・
パラレル・ハイブリッド(トヨタ方式)」は、
友人のプリウスに乗る前から好みではなかったが、
助手席に乗った後も別段印象は変わらなかった。
今回ノートに乗ってみて、充電しない電気自動車の印象が強かった
。
リーフのパワーの8割ほどに抑えられているので、加速はそれ程ではなかったが、
アクセルを踏むと、瞬時に立ち上がるトルクは、病み付きで癖にな
ること間違えなし。
プリウスも、モーター駆動だから同じ体感だと思うけれど、余り強
くアクセルを踏むと、エンジンがかかり、エンジンの力でアシストする。
このアシストをさせない為、プリウスオーナーの多くは比較的穏や
かな発進をし、法定速度をキッチリ守って走ったりする。
だから、年配の方は勿論、女性から普通の若者にまで、トヨタのハ
イブリッドシステムは大いに持て囃された。
その点では、日産は話にならないくらい出遅れ、トヨタに追随して
HVを出したHONDAにまで後塵を拝する結果となった。
日産もHVのノウハウは持っているから、スカイライン以上の高級
車には燃費よりもトルク(スピード)を稼ぐHV搭載車ならあるし
、室内空間をスポイルしない程度の小さめのHVをセレナやエクス
トレイルには追加したが、
台数では軽自動車の次に売れるコンパクトカーにHVはなかった。
社長(CEO)が外人さんだから(もう直ぐ交代)、
マーチはインドで造ったり(先代に比べれば全然売れてない)、
以前はハリアー対抗のムラーノも国内では売られていない。
キューブに至ってはこのまま消えるかもしれない?
コンパクトカーには目もくれないのか?
逆に言うと、HVが逸っているのは、
日本以外、外国ではそれ程の人気ではないし、
グローバルな見方をして一足飛びに、電気自動車リーフを出した、
とも考えられる。
リーフを出した時、航続距離や充電設備の不足などで、購入
を考えた人の精神的不安を払拭しきれなかったようで、成功したと
は言いにくい。
しかし、電気自動車リーフが存在した事によって、HVではあって
も電気自動車の弱点をカバーした、
電気自動車のような走行が出来るHV車が、今回のノートeパワーだ。
その点ではリーフは先駆的役割を果たしたと言える。
なぜなら、リーフが存在したことで、
ノートのHVをより電気自動車としてのジャンルに近付けたから。

さて、いよいよ試乗(やっと本題かよ!といわれそう)。
スタートボタンを押しても、計器類の点灯だけで、勿論エンジンはか
からない。
ヒーターを入れて15分も車内で説明を受けていると、
ブルとエン ジンが始動する。
計器板に、エンジンマークからバッテリーマークへの
矢印が表れる 。
やがて、それも止まったころ、ノーマルモードで発進。
丁度エコとSの間のモードで、回生ブレーキの効きが、
殆どない普通のオートマのような走り。
勿論、エンジンはかかっていないから静かなのだが、
その分荒れたアスファルトだと、ロードノイズだけは
相当聞こえて くる。
アクセルを大きく踏み込むと、十分なトルクで加速していく。
4気筒の2000CCターボ車か2500ノーマルアスピレ
イショ ン。
力的には、そう表現するしかないが、ガソリン車と
比べられない全く 新しい走り方だ。
アクセルを踏むと瞬時にトルクが立ち上がるので、信号グランプリ
(出足競争)では相当有利(大人気ない)。
間違えなく、自分のエクストレイルと比べるべくもない。
アクセルを踏み続けると、エンジンはいつの間にかかかっているが
、スピードも出ているので周囲の音の高まりで、いつかかったかな
ど、余程神経を細かくしていなければ判らない。
第一、スピードを出そうとしている時に、
エンジンがいつかかるかな?なんて考えながら走る人は
殆どいないであろう。
そんな事を気にして走っても、この車、殆ど意味がない。
電気がなくなれば、エンジンは主役に躍り出ることなく、そして回
転数を上げることなく充電し続ける。
この辺がトヨタの「シリーズ・パラレル方式」と違うところ。
新型プリウスでさえ、高速ののぼり坂、山岳路ではいきなりエンジ
ンがかかり、その時はパワーも必要だからエンジン回転も上がる。
よって、いきなりうるさくなる。
新型プリウスは、旧型に比べ相当よく出来た車だけに、
静粛性も向上乗り心地もレベルアップした中での違和感はそこかも
しれない。
ノーマルモードの走りからエコモードにすると、加速は流石に鈍く
「もっさり感」が感じられる。
分かり易く言えば、車重が急に増した感じ。
最も、街中を40キロ〜60キロ未満で走るなら、これをセレクト
しておけば十分。
使い分けにもそれなりのメリットはある。
そして、雑誌のインプレッションなどで必ず話題にいているのが、
「ワンペタルドライブ」だ。
エコとSモードの時は、アクセルペタルから足を離すと、まるでエ
ンジンブレーキが利いたみたいに、可なりの強さで減速する。
可なりの強さと言うのは、A氏曰く「マニュアルミッションで4速か
ら2速へシフトダウンしたみたい」だと言われた。
でも、マニュアルミッションのシフトダウンより、この回生ブレー
キによる減速はすこぶる滑らか。
確かに、完全に足をペタルから離すと、可なりの力で減速し、
そのまま止まってしまう。
サイドブレーキは勿論、ブレーキ類は一切作動していないのにだ。
敢えて言えば、エンジンブレーキが停止するまで利きまくるといった感じ。
勿論MTならエンストだけれど。
但し、一度ブレーキペタルに足を乗せてから足を離すと、クリーピ
ング(少しずつ前に進む)現象が起きる。
普通のオートマ感覚なのが安心感に繋がる。
慣れると、アクセルペタル一つで前車との適正な車間で車を止める
ことが出る。
ブレーキパッドが殆ど減らないのではないかと感じた。
最後にSモードでフル加速を試みたが、とても気持ちよかった。
今まで赤信号が見えるとアクセルペタルから足を離していたが、
この車では足を離すといきなりブレーキがかかるので、
アクセルペタルに足を乗せたままゆっくり戻してゆく、微妙なコントロールできるかが
ポイント。
オートマで、ルーズなアクセル・ワークをしていた方は、
いい勉強になることだろう。
その点では、
マニュアル・ミッションを運転しているドライバーの方が、
慣れるのは早いかも?
実際20分程の試乗だったが、最後はブレーキ無しで白線手前ピッ
タリに止めることが出来た。
マニュアルしか乗っていない自分にとって、たまに代車でオートマ
に乗るが、運転に関して可なり暇なのに、ノートeパワーのワンペ
タルは王貞治の「一本足打法」ならぬ「一本足ドライブ」が可能な
のだ。
逆に、暇すぎる事を逆手に取れば、ハンドルに集中し、右足一本で
アクセルとブレーキ(ヒールアンドトゥの必要なし)が出来る。
まるで、マニュアル車で2,3速を使いエンジンブレーキを効かせ
ながら、ワインディング・ロードを上がるようなイメージが浮かぶ。
次期ジュークには、1200CCのエンジンのままこれと同じeパワーを移植するのは難しくはないだろう。
難しいとすれば、追浜工場のライン増設の方かも?
2000ccFR(シルビア・180)の登場なんて面白いかも 知れない。
ノートeパワー、トヨタ・アクア、ホンダ・フィット、
三台の室内長は順に2065ミリ、2015ミリ、
1935ミリで、ノートが一番広い。
実際、後席の広さは十分で、ヘッドクリアランスも悪くない。
気になる燃費は、順に34キロ・37キロ・33,6キロでアクア
がトップ。
敢えて申し上げたい事は、カタログの表示などで、燃費を判断しない
事。
メーカーの表示より、ご自分のアクセルワークの方が大きな差が出
るし、100メートル先の信号が赤なのに直前までブレーキを踏ま
ない運転、更にはタイヤの空気圧のチェックが甘かったりで(大体
低い車が多い)燃費は大きく変わる。
メーカーはカタログ燃費に異常なくらい執着しているが(とどのつ
まりが三菱か?)、
購入者はもっと自分の運転技術を省みた方が良い。
アクアは今年末に、 リッター40キロ越えで新型が出るという情報。
一方、日産のシリーズ方式(ノートと同じ方式の)ハイブリッド搭
載車はセレナとなりそう。
本当は、エクストレイルにも期待したいところだが、マイナーチェ
ンジでの導入はなさそう。
フルモデルチェンジ時には、三菱を傘下にしたので、アウトランダ
ーのプラグ・イン・ハイブリッドシステムを使う可能性もある。
しかし、ノートeパワーに乗ってしまうと、わざわざ重いリチュー
ムイオン電池を積み(人間一人分以上位の重さはある)、
充電コードを引っ張って充電するPHEVシステムすら、
急に古くさく感じてしまった。
言うまでもなく、これだけ普通のハイブリッドが普及し、車種が増
えれば、当然普通のHVが減税対象ではなくなる日も近い。
だからと言って、大型リチュームイオン電池を積んだPH(E)V
が取って代わるかも疑問(今後のプリウスPHVに注目)。
ヨーロッパでは半数近くがディーゼルと聞くが、日本では普及する
ほどの車種もない(マツダが頑張ってくれているが)。
電気自動車も全然増えないし、水素を使う燃料電池車なんて、まだ
まだ先の話。
かつて日本の自動車は、世界をリードしていた(排ガス規制など)
時期があったように感じるが、今は完全にヨーロッパに後れを取っ
ているように感じてならない。
*あくまでも個人的意見です。 (2017年3月20日・記)
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