4月の栞 『桧木内川沿い桜並木』
| 2013年5月5日に角館を訪れた時には、弘前からの序でだった事もあって、武家屋敷のライトアップを撮影するに留まった。 桧木内川は武家屋敷の直ぐ近くを流れる川ではあっても、そこに咲く ソメイヨシノの並木までは2キロもあるという。 当然それなりの時間をかけなければ、それなりの写真は撮れない。 今回丸一日かけて、武家屋敷と桧木内川を撮影した。 武家屋敷の枝垂れは「散り始め」 から「落花盛ん」と言える状態だったが、 桧木内川のソメイヨシノは満開で、桜のトンネルは、多くの観光客が行き交っていた。 8時頃に土手に立つと、桜並木は後方が東方向ゆえ、まだ花に光が差し込まない位置関係だ った。 もう一度武家屋敷に戻っても良かったが、既に若葉の出始めた枝垂れを、いくら工夫して撮ろうとしても、緑がかった写真にな ってしまう。 一方、桧木内川の桜並木は隅から隅まで歩くと往復4 キロ歩く事になる。 どうしたものか考えた末、下流に向かって左側 のメインである桜のトンネルの中を歩かず(日が入りにくい斑状態 を撮影しても意味がないので)、思い切って橋を渡り対岸を歩いてみる事にした。 時間と共に人出が増して来た武家屋敷側の桜のトンネルと違い、 古城橋から対岸に渡った土手道路は、たまに歩いている人(おそらく地元の人)や、人目を避けた?カップルが二組くらいいた程度で 、「みちのく」の静けさそのものと言った感じ。 対岸から見る桜は 壮観で、延々と続く様子が本当に手に取るように解る。 当然カメラ のファインダーを覗いたところで、フルサイズ16ミリではピンク の帯にしか写らない。 勿論画郭にも収まらず、この光景をどのよう に表現すればよいのか迷う。 とりあえず、考えられる場所と画郭で 撮影してみて、モニターを確認。 初めての場所故、イメージが浮かぶわけでもないし、川の蛇行の仕方橋の構造すら、渡ってみなければわからなかった。 上流にあるR341号に架かる古城橋は下流側に歩道があり、 車道を挟まずに桜並木を撮影できるのだが、下流側の横町橋は、これまた下流側にしか歩道がなく、しかも狭いので橋上で写真を撮 ろうとする人と、通行する人とがごちゃごちゃに入り混じり、 ラッシュ時の駅舎のようだった。 それはそれで仕方がないとしても 、この橋は見た目も古そうで、車道部分の幅も狭く、 決定的にダメなのは、上流側に歩道がないため、行き交う車の合間 を縫ってシャッターを押すという、観光地らしからぬ貧弱さ。 車間を狙ってシャッターを押すだけでなく、橋の欄干の高さギリギ リを狙って(赤色の橋の欄干を入れてもいいが)上流の桜をコラボ しなくてはならないので、より混雑に拍車がかかる。 用意のいいカ メラマンは、踏み台を持参していたが、何回か来ている方なのだろうと思う。 車道に出て撮影するには余りにも道幅が狭く、車の通行 を妨げる事になるので、さすがにそう言った常識外れはいなかった 。 横町橋上での撮影は数枚にし、いよいよ国の名称指定2キロの桜の トンネルに入る。 記憶が正しければ、2014年4月に行った宮城県柴田町の一目千本桜のほうが、桜の樹勢は良いように思えたが、 それでも丁度満開を迎えた桜並木は素晴しいものがあった。 むしろ、こちらのほうが土手から降りた河岸が広く、 尚且つ整備されているので、土手道路の混雑は随分緩和される。 よってカメラアングルも自由度が広く、なかなか面白い。 とは言っても桜並木駐車場まで戻る頃には、 撮影もワンパターン化してしまい、早朝の防寒着姿では一人だけ服装が浮いている事に気づき車に戻った。 休憩後、武家屋敷でのイベント用に望遠レンズを装着したまま、桜並木駐車場の臨時イベント会場へ向かう。 そこからは秋田民謡の数々 が聞こえてきて、民謡など全く知識がない自分としても、 みちのくへ来た雰囲気を味わいたくて、立寄ってみた。 一口に秋田民謡と言っても10程あり、秋田おばこ、秋田音頭、 秋田船方節・・・。 中でもドンドンパンパンで始まるドンパン節は 自分でも聞いたことがある位有名。 次から次へと三味線や太鼓など で演奏され、そして最後には見物客の目前で踊りを披露、 いい催し物を見させてもらいました。 とりわけ小学校に入学するか しないか位の小さな少年が、体全体を動かして懸命に笛を吹き、 提灯を上下左右に振る様には感動。 「秋田県の民謡を後世に伝承するのはオレ様だ」位の勢い。 法被も凄く似合っていました。演奏や踊りを披露してくださった女性は粒ぞろいで、秋田美人といえる方が目立ちました。 その中から代表して綺麗どころ二名の演奏と踊りを合わせてアップいたしまし た。 夕方近くになって、次第に雲が出て来て、ブルーの空がグレーにな り丁度トワイライトタイムには、生憎の曇り空となってしまった。 車に戻り夜用に比較的明るめのF2,8を用意。 横町橋を渡って対 岸へ。 橋の袂から対岸の桜並木と川面に反射する電球の並ぶライト アップを狙う。 折から地元のカメラマンが近くで撮影されていたので声をかける。 桜並木保護の為、地元の方が努力されている話を伺 いながら、シャッターを押す。 話は終わりそうもなかったが、 自分はぐるっと一周する予定だったので 失礼し上流に向かって河川敷を歩く。 古城橋の上から横町橋を眺めると、どこまでも続く光の帯が印象的だった。 ここがいいのは、 繰り返しになりますが川がカーブしている事。 古城橋は可なりしっかりした構造で、 車が通っても人的には揺れを感じない。 しかし、 三脚にセットしたカメラを覗くと微妙に水平器のユレが収まらない。 やはり橋の上での撮影は基本的には避けたほうがいい。 古城橋を渡り終え右へ曲がり、メインの桜のトンネルに入る。 桜のトンネルの中央に、一本だけコードが張られていて、 等間隔で裸電球が吊るされている。 以前はこの電球に提灯のようなものをかぶせていた時もあったそう だが、暗くなってしまいライトアップの役割と、 照明の能力を発揮しないので、裸電球に戻されたそうだ。 この電球下で撮影を試みるものの 電球の色がきつ過ぎて、桜は殆ど茶色、 枯れ木のオンパレードとなった。 何とか少しでもピンク色を出すべ くWBをいじくって努力はしましたが、限界。 多少見られる程度の桜のトンネル写真を数枚挙げておきます。 この見事な桜並木をなんとしてでもカメラに収めたくて、 河川敷に下りたり、土手の中間から桜の花越しに延々と続く光のカ ーブを捉えてみたり、 色々と試みるうちに雲も消え三日月が西の空に見えるまでになった。 気がつくと、ようやくブルーで空が写っている。 自分でもシメタと思ったが、今度は風が強く吹き始め、 シャッター速度を長めに取ることができにくくなり、 ISOを上げる。 何とか満足の行く一枚を撮り終え、「ブレ」 などを確認していると、 背後でカップルが同じアングルで狙っていた。 その時、女性が「 ヤベー」と叫ぶ。 何か悪いことでもしたかと思い、振り向く。 自分たちの世代「ヤバイ」は情況がまずい時に発した言葉。 「あ、 イケネェー宿題を忘れた!ヤバイ!」といった時に使った。 しかし今は違う。 凄かったり感動したりした時に用いているようだ。 実は「やばかった」のは、 モニターに写っていた自分の写真だったのです。 「ワー綺麗!」 そう言って欲しかったけれど、今の女性の多くが「ヤバイ」 をお使いなさる。 「写真が欲しい。」と言われたので、近ちゃんギャラリーのアドレスを口頭で言うと、しっかりスマホで目盛っていた。 ふと時計を見ると22時近く、慌てて武家屋敷のライトアップ撮影をスナップ写真程度で30分程でこなし、二日間にわたる秋田の撮影は終了となった。 撮影日:2017−4−30 桧木内川沿い桜並木にて |
| 第一部=昼間の桜並木の様子を拡大写真でご覧頂けます。 |
| 第二部=白熱電球によるライトアップを拡大写真でご覧頂けます。 |
| 第三部=桜並木駐車場特設ステージにおけるイベントを拡大写真でご覧頂けます。 |
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