4月の栞 『第16回国際シンポジューム大曲の花火〜春の章〜「世界の花火 日本の花火」』

横手市増田町の「真人公園」を後にしたのは12時を過ぎてからだった。
花火仲間のW氏に「昼までには大曲に着けるようにします。 」とメールで答えておいたのだが、偽ってしまった。
それにしても 、向こうからも何の連絡もないので「変だなあ」と思いながら再び 秋田道に乗る。
大曲市内に入ってもメール受信なし。
まずは駐車場 探しから。
辺りを一周する。
しかし、花火大会の関連の立て札さえ 見当たらない。
例えば、路上駐車規制の看板だったり、個人が開設する臨時駐車場案内の矢印だったり・・・。
花火大会当日特有のそれがない。
試しに大曲駅まで車を走らせて、それらしき人物( 浴衣のお姉ちゃんはいないにしても、会場に向かうカップルや家族 連れ)を物色するも、全くいない。
仕方なく、SII(セイコー・ インスツルメンツ)下の畦道へ向かう。
ここは「裏撮影」を目論む 仲間が車を止める場所。
居た!いえ、人ではなく、車が。
湘南ナンバーのプリウス・アルファー、相模ナンバーのスバル・ レガシー、横浜ナンバーのステップ・ワゴンetc。
何だ来ている ジャン!神奈川でも花火撮影に関しては、相当幅広い知識と経験、そして物凄い撮影機材を持った面々だ。
実質プロ! でも皆さん仮眠状態。

そのうち秋田ナンバーのフィットが自分の後 ろに駐車。
知り合いが皆「夢のお国」 へ行ってしまっているので、すぐにホンダ・ フィットさんと仲良くなる。
立ち話をしている最中も小雨が降ったりやんだり。
18時以降回復との予報だから、今はじっと我慢。

そうこうしているうちに、伊勢原のA氏、厚木のA氏、 横浜のM氏らも眠りから覚めて挨拶を交わす。
岐阜のゴンチャンとも久しぶりの会話となった。
やがて、藤沢のW 氏からメールも入り、こちらに向かうとのこと。
実は、これまで列 挙させて頂いた知り合い全員が皆、有料席のチケットはお持ちだし、前日も観覧されていた。
そのくらい、この大会は素晴しい。
が、 しかし一般の見物客は皆無。
知り合いのカメラマンと言葉を交わす中で、冗談で「今日花火ありますよねえ?」が挨拶言葉となっていた。
勿論あるに決まっているが、その言葉の裏には、「 全然誰も居ないジャン!」の気持ちが込められているのだ。
夏にここから眺める景色とは違い、土手には桜並木が見え、水を入れる前の田んぼは、北国の遅い春を感じさせる。
夏なら場所取りが熾烈なSIIの土手もカメラマンが10人足らず、三脚がその倍くらい立っているだけだ。
この日はSIIは一般開放されず、場所取りのため、すずらんテープを張ったカメラマンについてはクレームが付き、引っ剥がすようご注意があった。
しかし三脚を立てることは許され た。
予報通り、18時前には背中から薄日が差し、うっすらと虹も出た。

しかし風は殆どなく、開催を告げる「雷」の煙も、どこかへ流れる意思を持たず、その場に漂っていた。
どんなに素晴しい花火であろうと気象条件には勝てない。
過去何度となくこうした苦い思いをしながらも、仲間同士はるばる遠方から集まってくる。
彼ら全員が感じる思いは 同じ。
一人だけ腹を立てたら、自ら「気のいい仲間」から外れて行くしかない。
本当に花火を愛しているなら、無風で、湿気で、全然見えなくても、写真に写らなくても、花火会場に来て、見られたことに感謝すべきなのだろう!確かにいい大会だった。

オープニング花火に続き、山崎煙火の中央に大玉を配した、バラン スの取れた花火。
2015年8月の「いなしき花火」を思い出した 。
プログラムナンバー3は、5号玉12発、同じく10号玉10発。
悪条件の中、少しはまともに撮れたのは、こういった単発モノ、 スターマインに至っては、完全降伏に近い。
世界の花火=中国は、 暴大な火薬量だと言う事はわかったが、殆ど煙を見ている状態、 シャッターを押す力が弱まりやがて押す気すらなくなった。
ややワンパターンすぎると言う感じはした。
プログラムナンバー5 ,6は再び5号13発、10号10発。19時40分頃からの打ち 上げだったが、前のプログラムの煙待ちで、時間がどんどん過ぎて いく。
今回はNHKの中継などないので、ジックリ煙の掃けるのを 待つことが出来るわけ。
そうは言っても、空にぽっかり浮かんだ雲 のように、煙は上空に漂い動こうとしない。
時間待ちで待っている間、それなりにレンズは拭いていた筈だったが、一分前に拭いたレ ンズが、再び直ぐに曇ることに気づくのが遅れ、途中の錚々たる煙 火業者の芸術玉が没になった。
後で、 ホンダフィットさんから聴いたところ湿度は95パーセントほどだ ったそうだ。
NO6はメキシコの花火、「 なかなかいい線行って居るなー」と思いながら、煙の充満するそれ をシャッターを押さずに見ていたが、 NO8に青木煙火店さんが登場すると、 レベルの違いを少しばかり嫌味的に思わせるくらい、凄い、凄すぎ るスターマインが延々と続いた。
殆ど下段のトラは見えなかったけ れど、長野えびす講を思い出しながら、頭の中で見えない部分の補填を繰り返しながら観賞した。

ラストのグランドフィナーレも良か ったんだろうけど、防寒対策をきちんとしてこなかった自分は、 気温7度の寒さに耐えられず、半分意識が遠退いていた。
唯一気を取り戻したのは、番外編として予告無しの2尺玉が揚った時。
もちろん事前にW氏から、正確に向こうに見える桜の木の左から○ 番目付近からその2尺玉は上がることは聞いていたが、 揚った瞬間は、てっきり忘れていて、「アッそうだった!」 ハイ手遅れ・・・。
こうして書いてくると反省文よりもレベルの低い、言い訳文でしか ない。
更に言い訳をすると、この観覧記自体をアップするのを止めようとさえ思った。
満足な写真も殆ど有りません。

ただ折角出かけ たので、すみません。
終了後は、再び地元のホンダ・フィットさんと感想兼反省会を30分ほどし、「8月も来られますか?」と聞かれた。
天気による事は勿論だが、体力的問題もある。
今回みたいに午後到着、帰りの渋帯ゼロなら随分救われるが。
失礼ながら、明確なお返事は差し上げられなかった。
それより、「もし秦野のお友達の処へお出でになる時は、お邪魔でなければ、この近辺ご案内させていただきます。」と申し上げておいた。
撮影は撃沈だったが、価値観の似た地元のカメラマンとお話が出来た事は、気持ちを満足させてくれた。

撮影日:2017−4−29 秋田県大仙市大曲西根鳥居58にて

拡大写真でご覧頂けます。

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