5月の栞 『茅ヶ崎・菱沼海岸前の「赤い海」と「青い海」』
| <赤潮騒動> 連休明けは何かと色々忙しい。 「教材の手配」「テキスト代金支払 い」「買出し」に「歯科治療」まで入っている。 12時半すぎ近藤 師匠から電話が入る。 生憎、銀行の振込機の前。 こんなところで携 帯電話に出て話をしていたら、ボケた高齢者が振り込め詐欺にでも 遭っているかのよう。 師匠には悪かったが不在にするしかなかった 。 折り返し電話をすると、「茅ヶ崎駅から海岸線を走るバス路線は あるか?」との問い合わせだった。 「あることはありますが本数が 少ないです。」と答える。 何でもTVを見ていると、先日鎌倉で大 発生した赤潮が、今日は茅ヶ崎海岸で凄い事になっているとか。 茅 ヶ崎駅から歩いても近藤師匠の足なら大した距離ではない(一日一 万歩など、なんでもない健脚の持ち主だ)事も付け加えておいた。 テキスト代金の振込みの為に行く郵便局は、拙宅の海側にある。 つ いでに電動自転車の後ろ篭にカメラを載せ、茅ヶ崎市汐見台から海 沿いのサイクリングロードに出る。 何てことだ!海が所々で赤い。 お恥ずかしいながら、地元で赤潮を見るのは初めて。 近藤師匠のお話の通り、どちらかと言うと茅ヶ崎よりの方が赤い。 白浜町辺りで 自転車を止め、この異様な海の色を眺める。 そのうち、ペダルをこ ぐ足は菱沼海岸のコンクリート構造物まで延びた(茅ヶ崎ゴルフ倶楽部の前)。 これ以上行くと、歯科医の予約時間に間に合いそうも ないので、ここ迄が限界。 地元及びTBSの2社が、この突堤の上に乗り、相次いで中継していた。 ピンクとも言えるし、オレンジと も言える、このプランクトンは食物連鎖ピラミッドの下から2番目辺りにいるのだろうけど、多すぎ。 魚のえさどころか、 魚のえらに詰まって魚が窒息死させる元凶にもなる。 江の島を遠くに見ながら赤茶色っぽい色が斑に広がる海を見て、 自然界の壮大さを感じた。 早速、下見報告を師匠にする。 間違えな く今夜は夜光虫が期待できると思った。 <満潮時刻がポイント> 夜光虫に関しての撮影方法を含め、全く予備知識がない自分は、赤潮発生後、その中の何種類かのプランクトンが波の衝撃で、青く光 る程度の一般常識しか持ち合わせていない。 夕方から夜にかけて光 っていて、ホタルみたいに時間が来ると、やがて光るのをやめるのかと勝手に思っていた。 だから、満ち潮で波が岸に向かって来る時に、その波に乗って一緒に岸に近づいて来なければ撮影に向かない ことも知らなければ、実際に見た事がないので、青く光るといわれても、どんな「ひかり方」をするのか?、薄ぼんやりなのか、ピッ カとなのか?興味津々だった。 授業中、9時頃だったが近藤師匠から電話が入った。 「今日の満潮 は日付が変わってからなので、今は沖合いで時々うっすらと光って いる程度。 岸に近づかないと、カメラにキャッチできない。 撮影は 続けたいのだが、このままでは電車がなくなった頃がピークなので 、撮影機会を逃してしまう。」という。 自分は夜光虫の光る時間など、とっくにピークは過ぎているだろう と思い、全く眼中になかった。 それが、これからがピークと成れば 、仕事が終わってからでもチャンスがある。 軽ワゴンに機材を載せて師匠と合流する事にした。 国道134号線、浜須賀から東海岸南にある第一中学校までは車を 止める場所がない。 菱沼海岸には公営の駐車場があるが、 夕方早々に閉ってしまう。 実はこの近辺から2名程塾生が通って来ており、そのうちの一軒は 広い駐車場を所有している。 よって海岸からは少し離れてはいるが 、そこに停めれば路駐でつかまる事はない。 国道を渡り、「ヘッド・ランド」へ到着、連絡を取るが電話もメー ルも返事がない。 おそらく波の音で聞こえないか、鎌倉で知り合っ た人と話に夢中なのだろうと思った。 「ヘッド・ランド」で海を眺 めてみたが、青く光って見える場所はなかった。 といっても実際に どのように青く光るのか全く見た事がないので、ただ波打ち際にボ ケーと立っているに等しい。 周囲には何人か人影もあったが、ウロ ウロ歩いているだけで、カメラをしっかり三脚に据えている「夜光 虫撮影スタンバイ」といったカメラマンはいなかった。 こうなると 近藤師匠からの電話が頼りと成る。 しかし目視できる範囲にそれら しき人は発見できず。 満潮までは時間もあるので、座って海を眺め 時間を過ごす。 やがて電話がかかり、江の島寄り800メートル くらいにある桟橋みたいな処にいるという。 なんて事はない、自分が日中テレビ局の人を目撃したコンクリートの工作物の処だった。 それにしても砂浜を歩くのは歩きにくい。 海を眺めながら、もしこの辺りで青く光れば、この辺で撮影して、わざわざ近藤師匠のとこ ろまでは歩きたくないな、と思える位かったるい。 しかし、結局自分では「青い光」を目撃する事はできなかった。 やがて遠くから赤色ランプを点滅させ、師匠が合図を送ってくれ、ようやく居場所が 分かった。 <近藤師匠の的確なアドバイス> 岸壁に上がると、どっと疲れが出て一休み。 その間にモニターを見せて、説明をしてくれる師匠。 微かに波の先端が青く写ったモニタ ー画像を見た時、一気に疲れは吹き飛んだ。 「百聞は一見にしかず 」だ。 実際に波を見ていると、時々薄ぼんやりと蒼くなる。 指摘されなければ、判らないくらいの弱い光だ。 時刻を経るに従って波が大きくなり、 しかも岸に近いところでバシャーンと波が壊れるようになると、 10回に一回くらいの割合で、はっきりと明るいブルーに染まる波頭(なみがしら)を目視出来るようになった。 近藤師匠の真似をして、とりあえず岸壁から海面を撮影する。 そうしている最中にも、 シャッタースピードやWBについてアドバイスの言葉を下さる近藤 師匠。 ありがたい限りだ。 それらを参考に、自分でも色々アレンジ を試みる。 短焦点でシャッタスピードを1秒にすると、F値はいく らになるか?、逆にF値を開放にしたらシャッタースピードは幾つ になるか?ISOを640,800,1250と次第に上げていっ たら・・・。 近ちゃんのお友達、HARUKO様の言葉をお借りすれば「夜の撮影はお手のもの」であるらしい、私めにとって?、 確かに一つだけよく使う手がある。 それはF値2,8を使いISO を800〜1250に上げ、焦点距離を∞にし、10メートル以内にはメインで写したいものは入れないか、前ボケとして利用するに 留める、というやり方だ。 そうすれば、ある程度今回の夜光虫もピンボケには成らないですむ。 それともう一つ、 到着して暫くその蒼い光をじっと観察していたのだが、夜光虫が本 当に明るく光るのは、そう長い時間ではない(一瞬よりはやや長め )という事。 そうなると日中、サーファーを波の上で止めるのと同 じで、それなりの速いシャッタースピードが必要なこと。 勿論シャッタースピード2秒くらいで、海面広く散ったブルーを撮 影もしたが、難しいのは近藤氏が夜光虫を形容して「青い稲妻」的 表現をされた、「ブルーの閃光的光跡」撮影だろう。 それも両端から青色の光が寄せる、諏訪湖花火名物の「KISS OF FIRE」のような光の流れだろう。 そのタイミングは何回かあっ たが、自分の腕では撮れなかった。 又、江の島をバックにF2,8 -70〜200ミリの白レンズで夜光虫を捕らえようと試みたが、 その全てがブレていて大失敗。 ただ、ブレさえなければF2,8のズームレンズでも十分夜光虫は撮影できる。 今回、重いレンズを軽く見て、強めの風が吹いているにも拘らず、三脚を砂地にしっかり 固定しなかった事が原因と思われる。 それでも、師匠が岸壁の石の上で撮影するよう、師事して下さったおかげで、短焦点レンズでの 撮影では、なんとか見られるレベルに収まった。 結局、 設定としてはISO1600〜3200、NRを強めにして一秒以下のシャッタースピードを稼ぐことで、ある程度、光が流れずに止 められる事が分かった。 初めての撮影ゆえ、とりあえずはこんなも のだろう!? 深夜に満潮を迎えるのは、半月程度の周期で来る。 日中赤潮が発生するのが必須条件だが、果たして? まあテスト週間に入るので、向こう10日間位は夜遊び(夜間撮影 )は自重しなくてはなりませんが・・・。 作品は、「昼の赤潮」と「夜の夜光虫」に分割いたしました。 撮影日:2017−5−8 神奈川県茅ヶ崎市菱沼海岸9-38・茅ヶ崎ゴルフ倶楽部前海岸に て |
| 第一部=「昼の赤潮」を拡大写真でご覧頂けます。 |
| 第二部=「夜の夜光虫」を拡大写真でご覧頂けます。 |
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