6月の栞 『湯河原万葉公園(花木園)ホタルの宴』

湯河原のほたる祭りも11日で終了してしまう。
今年はホタルの発生時期が例年より1週間ほど遅く、 湯河原のHPで発生状況を見ても80頭までで頭打ちになったまま、 いきなり「見頃です」と掲示されても帳尻合わせとしか思えない。

以前にも、この湯河原のホタル頭数を記した事があったが、 過去には200頭と言う数字もあった。
その時は、引っ切り無しに 飛ぶホタルを、シャカシャカ撮るだけで撮影枚数も多く、 撮影後の取捨選択も自由度が広かった。
ここの会場は、例の「グリ ーンのイルミネーション」だから期間が過ぎると撤去され、柵もな くなる。
「普段」に戻った公園には普通の街灯が灯り、ほたるが「 これからがピークだよ」と叫んだところで(叫ばず、何も言わない で、飛んでいるだろうけれど)、お構い無しの放置状態になるのだろう?
家から近いので(車で50分)ほぼ毎年出かけているが(昨年は行かず)、いよいよ「ホタルの宴」も期間が終盤になり」「グ リーンのイルミ」期間中に出かけるチャンスが僅かとなってきた。
やむを得ず、9日の金曜日、23時に軽ワゴンに機材を積み出発。
「グリーンのイルミ」会場到」着は、日付も変わろうとしている頃。
だーれもいない!蛍もさびしい頭数。
6月6日に近藤師匠が撮影に出向かれた時は、 おそらく一番活発に飛翔する20時頃だったのかも知れませんが、 それでもカメラのアングルに収まってくれたのは20頭ほどだった とか近ちゃんギャラリーに案内されていました。
北からの高気圧のせいか、気温も低く湿度も低いのでホタ ルさんたちには厳しかったと思われます。
自分が出かけた日は、日中の気温も上がり、湿度も少しは高かった事もあり、多少はモノ になりましたが、例年に比べても数は少なかった。
それと、ここのホタルはイマイチ飛んでいる姿に勢いがなく、良く言えば優雅であるが、飛翔時間も短い。
気温のせいで体温低下状態で頑張ってくれているのは分かりますが、カワニナの摂取不足、又はこの「 緑のイルミ」のせいでないことを願うばかりだ。
満月に近く、園内が明るかった事にしたいが、ここに限っては、満月より「グリーンのイル ミ」の方が明るいので、月のせいではないかも? 23時半過ぎ、 表の駐車場(会館前)には4〜5台の車が止まっていたが、メイン 会場まで足を運んで来たのはカップル一組と、年配の男性一人。
おそらく、入り口階段左の滝付近で、飛沫を浴びながらの撮影連中の車だろう。
自分もポイントとしてはお気に入りだが、通路が狭く、ポイントが限られているので先着がいる時は遠慮する。
今回も、午前2時ごろ、帰り際に下りてみたが、誰もいなかったので2枚ばかり撮影(アップに耐えるのはそのうち一枚)。
もっとも、 ホタルも目視で止まっているのを5頭確認しただけ。
暫くの間、 飛ぶのを待ってからの撮影。
勿論、飛沫を避ける為、タオルでカメラ を覆ってのチャンス待ちなので、そう長くは辛抱できずに撤退。

6月11日(日)追加撮影
今月の4日と11日の日曜日は、仕事が立て込み休めず。
従って、 例年なら秩父へヒメボタル撮影に出かけているところだが・・。
律儀な地主さん(F氏)は、金曜日に電話でホタル発生を状況知らせて下さった。
「残念ながら、今年は無理そうです。」 と伝えるととても残念がっていらした。
F氏の[そうですか] の言葉を聴いてしまうと、ピークは過ぎていてもお伺いしなければ ならないな、とは思った。
F氏によると、 6日と8日にカウントしたヒメボタルは100頭台で、 ここも例年より発生が遅い。
ヒメボタルは気になるものの、今、 自分が動く事の出来る時間は仕事が終わる22時半以降の深夜のみ 。
仕方なく、もう一度湯河原へ行き、発生数でも調べてくる事にした。
勿論半分は、頭数が増えていることを期待したのだが・・・。
全然だった。
この日も日付が変わる頃にしか、到着できなかったが 、減ったとも増えたともいえない冴えない情況。
万葉公園に着くと 、車が一台止まっているだけで、明日が仕事だという一般人は、 おそらく土曜日に来てしまったのだろう(その土曜日が今年はピー クだったらしい)。
左手の滝に立寄ってみたが、前回よりもっと飛 んでくれない。
頭数も多くなったという印象はなく、木に止まったままだった。
ものになったのは一枚だけ。
そのまま「グリーンのイルミ会場」へ行ってみた。
若いカメラマンが二人、 近藤師匠がおっしゃる「定位置」で撮影中だった。
「こんばんわ」 と声をかけると、すぐさま挨拶の後に「聞きたいことがあるんです けど」と、いきなり画像を見せられた。
「このように撮影するにはどうしたらいいのですか?」と。
いきなり 見せられたのは、なんとヒメボタルの写真だった。
おそらく、どなたかの作品を記録してきたのだとは思ったが「これは、ヒメボタル といって、ホタルの種類が違う」ことを指摘。
そこからは、 ヒメボタルの話や、ここでの画郭の決め方など、「ホタルに関する 薀蓄の大風呂敷」を広げる事となった。小田原から来たという二人には、とりあえず御殿場と冨士山のヒメボタルを紹介しておいた。
自分のカメラ設定もせず、彼等の相談に答えたり、自分の撮影ポリ シーなどを話している間に多重露光をした彼等の写真が出来上がっ た。
それを見て、その完成度の高さに舌を捲いた。
程よく背景も写り込みホタルも結構な数。
近ちゃんギャラリーのHPを教えておいたので、できれば写真投稿して頂きたい程だ。
話が一段落し、自分のセティングが完了し数枚撮影した午前1時30分頃から大粒の雨、とりあえずは木の下なので直ぐに濡れる事はなかったが、やがて葉から雫が落ちてくるようになり、 ボタボタカメラの上に落ちてくるようになり、撮影困難。
同時にホタルも葉の裏側に隠れてしまい、万事休す。
結局追加枚数 を稼ぐことも僅かで、今年の湯河原は終了となった。

6月15日(木)再追加撮影
ホタルの宴は11日で終わったので、「撮影観覧記」 も書き終わり、ようやく「6月の第一作」が出来上がったと思い、 湯河原のHPで今年のホタル発生状況を最終確認した。
すると、 万葉公園内の「グリーンのイルミ」は木曜日まで延長、そのまま撤去せず置いて置くとの案内があった。
矢張り、ピークは過ぎたものの、一週間弱は綺麗にホタルは飛ぶだろうとの考えだと思った。
前回は途中から雨が降り出し、雨粒も大きかったので撤収するしか なかった。
決して梅雨時のシトシト雨ではなかったので湿度も低く 、気温も上がらずムシムシ感もなかった。
折角生まれてきたホタル さんたちにとって、今年は厳しい「出会いの場」 となってしまったに違いない。
この日は日中気温も上がり、 多少湿度も高めだったので、「来年のデータ取り」と思い再び現地へ。
観光会館左の滝を見学。
前回とあまり変わらない頭数が木に止 まっていたが、カメラは用意せず、 増えていないことだけを目視で確認。
そのうち県道側から、 多少生暖かい気持ちが悪くなりそうな風が吹き込んで来た。
やばい 物でも見なければ良いが・・・(霊感は全くないので、 大丈夫とは思いつつ)。
明らかに、これまでの冷たい風と混 ざり合うような異なる風だった。
上部は周囲の街灯の灯りが漏れてくるので、 多少の明るさはあるが、足下は真っ暗、何度段差に躓いた事か!
歩く時にはライトをつけなければ危ない。
滑れば、あるいは、 よろければ一気に急流に流されてもおかしくはない。
実際、滝付近 を飛んでいたホタルがその飛沫が当たって、流されて行くのを2回 見た。
音も半端じゃなく、滝の流れるゴーゴー、ザア−ザア−が、 途切れるわけがなく、話し声などまず聞こえない。
「助けて」と言 って大声を上げても、ホタルが聞いてくれるだけ。
やがて、その生暖かい空気が上流に向かって流れたせいか、それを感じたのか 一匹のホタルが飛び出した。
するとそれに呼応して、5頭ほどが飛 んでくれた。
急いで万葉洞門を潜り、車に戻りカメラをスタンバイ 。
上手い具合に、暫くの間飛んでくれたのを2枚ゲット。
これなら 会場である花木園にも行ってみる価値は有りそう!と思い階段を上 がる。
花木園のベンチにリュックを置くと、確かにこれまでは暑さ を感じなかったのに、今夜ばかりは着ているものが暑いと感じた。
頭数は相変わらずだったが、時々飛ぶホタルの飛翔範囲が格段に広 くなっていた。
3頭から4頭が後ろの千歳川の上をスイスイ飛んで いるのを目撃して、シャッターチャンスを逃したとさえ思った。
この日も、 午前2時近くまで居たが見学に見えた人はゼロ。
安全上の理由だろうが、 そもそも懐中電灯をもって来ない人など考えられないし、 周りから旅館の灯りが差し込む。
暗ければ暗いなりに、 目も慣れてくる。
他のホタル会場(伊豆湯ヶ島や、 伊豆キャンプフィールドなど)は、もっともっと真っ暗だし、懐中電灯も自粛している。
湯河原に限って言えば 源氏ホタルを「優雅に、 時を忘れて観賞しましょう」という雰囲気にはなっていると は思えない。ここでの撮影は、 一般的には柵に沿って平行にカメラを構えるのが常套手段。
しかし10頭未満の場合、露光ばかり長くしてしまうと、 ホタルの数は僅か、 その代わり、木の幹は緑色一色に染まってしまう。
従って頭数が少ない時は、奥行きを出さない限りはそれなりの頭数 は稼げない。
ホタルたちは休んでは飛び、 再び木に止まって点滅を繰り返し、どこからか一頭がせせらぎの上 を飛んでくると、刺激されたのか一斉に飛ぶ。
矢張り気温との関係 は大きく、これまで2回の訪問で元気がなかったのは、 第一義的にはやはり気温だったのかと言う結論を得た。
昨年は、 ここを訪れていなかったが、今回の3回の訪問で、 多少の埋め合わせが出来たかもしれない。

撮影日:2017−6−9、6−11、6−15  神奈川県足柄下郡湯河原町宮上566・万葉公園花木園にて

拡大写真でご覧頂けます。

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