6月の栞 『松尾峡ホタル童謡公園のゲンジボタル』

ル・マン24時間レースと巨人・亀井選手
18日、今月初の休日となり「さあ、 どこのホタル撮影に行こうか」と思いながら昼近くに起床。
秩父? 伊豆・冷川?箱根・千条の滝?、しかし「 午後から沿岸部を中心に所によっては雨」と言う予報は聞いていた が、それだったら海から遠い秩父の方が良さそう?
F氏にヒメボタ ルの発生状況でも聞いてみようかなと思っていると、いきなり降っ てきた。
小雨なら「行っちゃえ!」程度の乗りで、出かけちゃうけ ど、そんな降り方ではなく本格的な雨。
出鼻を挫かれた。
最も、秩父の21時の予想気温も18度と表示されていたので、チョ ッと低すぎ。
たとえ向こうは曇りで、降雨を免れたとしても過去何度か気温が低くて飛翔が少なかった事は経験積み。
伊豆や箱根はもっと沿岸だったり山間部だったりでパス。
実は昨日の22時過ぎから自動車レースの最高峰「ル・マン24時間耐久レース」が行われていて、毎年欠かさず見ている。
カテゴリ ーの中で最高位のLMP・1にはTOYOTAから3台のHVが参 戦している。
昨年は後3分と言うところで、トップチェッカーを受ける寸前に車が止まってしまった(勝負は下駄を履くまで判らない という教訓を教えてくれた)。
今年は宿敵ポルシェを倒す為3台体制で臨んだ。
今シーズンはWEC過去二戦は、トヨタが連勝っているし、ル・マンの予選でもトヨタが一位、二位独占、今年こそル・マンでの悲 願の優勝の可能性が大きいと大方のモータースポーツ・ファンが思 っていたと思う。
前夜スタートして間も無く、トヨタ7号車 が一位、少し遅れてポルシェが二位、しかも2台しか出ていないポ ルシェのもう一台の2号車は、早々にトラブル、約1時間の修理時間をかけて、13周遅れの56位でレースに復帰。
絶望的に順位を下げていた。
トヨタ7号車、ポルシェ1号車、トヨタ9号車、トヨタ8号車、そして 大分後方にポルシェ2号車の順だった。
午前2時頃、安心してテレビのスイッチを切り、Go to bed。
翌18日日曜日の14時にテレビをつけてビックリ。
ポル シェ1号車がトップ、トヨタの7号と9号がいない。
8号車も15位を走っていた。
そしてレース開始直後、一時間もかかって修理し 、大幅に遅れを撮っていたポルシェ2号車が一桁順位を走っていた。結局トヨタの2台は夜間走行中に、7号車がクラッチトラブル( クラッチなんか付いているのか?)、9号車はスピンしてタイヤが パンク、車を壊した(何も、あんなに速度を上げて戻らなくても良 かったのに)。
結局8号車にもトラブルが出て、ピットイン。
そして今回唯一ノン・トラブルだったポルシェ1号車も、後3時間あまり走ればと言うところでエンジントラ ブル発生。
電気モーターで時速30キロ弱の走行をしていたが、ピットまでは持たず絶 命。
結果、ポルシェ2号車が、総合1位で優勝、トヨタ8号車は総合8位、カテゴリー別(LMP・1クラス)では完走2台中2番だが 、総合順位8位で表彰台には揚れなかった。
ル・マンを見ながら、プ ロ野球セ・パ交流戦最終戦の巨人対ロッテも頻繁にチャンネルを変 えて見ていた。
3対3から、延長12回巨人の高木投手が2点を取られ 5対3と成ったところで、「アー負けたな」と思い、再びル・マン を見る。
ポルシェ1号車がトラブルを起こし、トロトロ走り、今にも止まりそうな映像をじっと見ていた。
そして完全に止まってしまい、オフィシャルが車を押し始めたのを見て再び野球へ。
いきなり写っ たのは、ロッテのベンチだ。
「あー、ロッテが勝ったんだな」と一 瞬思ったが笑っていない。
すると、画面は巨人のベンチを映し出し、その 中から、亀井が泣きながらベンチの奥から出てきた。
スコアボード の12回裏がアップで写り「4x」になっていた。
サヨナラホームランを打ったのだ。
別にそれだけなら感激しない。
しかし、過去二打席、亀井選手は前の打者マギーが敬遠のフォアボールで歩き、自 分と勝負した時、一打席目がキャッチャーフライ、再びマギーが歩かされた後の二打席目は空振 りの三振。
天を仰ぎベンチに戻って、バットやヘルメットを無造作 に扱って悔しがっていた。
普段、どちらかと言うと紳士的で、黙々と 仕事をするタイプ、派手さはないが信頼の厚い選手だ。
インタビュ ー(お立ち台)での答えも切羽詰った発言「ここで打たなければ、 命取られる。」の言葉が印象的だった。
過去二打席、インコース攻 めに遭っていて、ことごとくタイミングも、打ち方もぎごちなかっ たのに、三打席目の正直、一振りで仕留め、それがホームランとは・・・。以上二つの 話題を長々と記したのは、ポルシェ2号車が開始直後、修理に一時 間かかっても、亀井選手が二打席チャンスで凡退しても、決して諦めなければ 、勝利の女神は見捨てないという事を痛切に感じたからです。ポルシェチームのメカニック たちやドライバーが抱き合って喜ぶ姿、巨人の亀井選手をホームベ ース近くまで出迎え、背番号9を出迎え抱き合った高橋監督、何れ も二つの番組からは「人間、諦めるな!」と痛感した一日だった。
ただし、ポルシェにしても、亀井選手にしても、これまでにそれな りの歴史や実績がある点では、結果に至るまでの努力なくしては成 功はありえないことは言うまでもない。
ポルシェは大人(特に男性 )誰もが周知のスポーツカーメーカーだし、最近手がけたSUVの ジャンルに於いても、矢張り「並のSUV」とは一線を画す(ここで、 あえて、トヨタのプリウス派生のSUVと比較するつもりはない、 比較したら。ポルシェに失礼)スポーツカー的SUVだ。
ポリシー が一貫していて「ブレがない」、そこにブランド力も生まれてくる。
ベンツや、 BMWもその努力をずっとしてきた。
ベンツはベンツの顔があり、 BMWも然り。
ポルシェも、全体のフォルムを大きく変えることは しない。
ル・マンでは17年18年19年と3連勝したことになっ た。
今回、ほぼ優勝が決まりかけると、ポルシェ・ チームはHatttrick17・18・19のロゴの入ったTシ ャツをカメラの前に差し出した。
2位との差は、一周チョッとしか なかった。
もし修理が遅れれば、総合優勝はなかった。
勿論このTシャツもカメラの前に出ることはなかった。
底力を感じ ざるを得ない。
一方、巨人の亀井選手は、過去WBCにも選ばれて いるし、近年ではセ・パ交流戦で、MVPも獲得した事がある、 実績十分な選手だ。
日ごろの努力が実績を一つ一つ積み重ね、 こうしたドラマを起こすのだろう。
35年もこの仕事をしていると、正直半年も指導していれば、この 小学生は、このくらいの私立中学には合格できるだろうくらいは分 かる。
あえて、生まれつきと言っても過言がないだろうくらい、考 える事が好きな子もいれば、丁寧に教えたつもりでも、意味を勘違 いしていたり、理解が半分程度だったりする児童もいる。
思考力十 分な子は、これまで10年近く生きてきて、小学校では一目置かれ ていたり、頭のいい子で通ってきたりしているので、大した事 のない「向かい風」を経験した事がないがゆえに、大きな「精神 的マシントラブル」を引き起こす事もある。
だから快調に走って いるレース・カー同様、いつ何が起こるか判らない。
一方、少しば かり「のみ込みが遅い教え子」に対しては、ある程度頻繁に注意をした りしながら導いたり、テストの結果が悪かったりすることもあるので、きつい言葉を発することも。
そういうタイプの子 供は(実は多くがこの部類に入るのだが)、コツコツ、1歩1歩あ ゆみながら、解けるようになった問題に喜びを感じ、自信につなげ て前進してゆく。
打たれ強くすると同時に、過剰になり過ぎない自信も身につけさせていく。
本当は、こういったタイプの子供さんが、面白い発想の持ち主だったり、ユニークだったりするので、 嵌ると勉強する事が苦にならなず、自分のやりたい事を見つけて大 成したり、充実した人生を送る可能性も高い。
一定の年齢になった ら高校へ入り、卒業したら大学進学か就職か専門学校か?
まーあ、 そこまでは理解力の早い、暗記力の優れている生徒の天下だとして も、そこから先は、ベルトコンベヤーの上でなくても良いような、 もう少し幅のある選択は出来ないものか?
決して「皆と同じでなければ」と言う考えにばかりとらわれなくても、大丈夫なのだ。
人生で一番大事なのは健 康だろう。
次に生活に足るお金と多少の使途自由金、3・ 4は個々人違っていても、常に持っていたいのは精神力の強 さ、粘りの気持ちだろう!巨人の亀井選手が「既に心が折れていた んで(涙)、軌跡としか言いようがない」、心が折れた時こそ人間 、大きな力が出せると信じて、わが教え子たちも、1度や2度の失 敗に負けることなく挑戦し続けて欲しい。
又そのように導きたい。 勿論来年のトヨタにも、今度こそがある。


辰野のゲンジボタル
6月18日は通常の日曜日だからお休みったが、翌19日は当初か ら休日としていた。
この辺りが伊豆キャンプ・フィールドのホタル が見頃になるのでは?との思惑からだ。
前日のぐずついた天気から 一転、この日はよく晴れた。
気温も26度くらいまで上がり期待で きそうだ。
15時過ぎに出発して、18時半までに到着し、養魚場の おじさんに500円払えば好きなだけいられる。
と当初の予定はそうだった。
ふと、「辰野のホタルはどうだろう?」とHPを開いてみた。
すると、今年はここ数年に比べて桁違いに多くなっていた( 14日に21537頭)。
近藤師匠とご一緒したのが2009年。
この年、最高で6月23日の11044頭、2012年には教え子 二人を連れて出かけ、この年の最高は6月20日の11168頭、 その後は、2013年4384,2014年6455, 2015年1908,2016年6195と落ち込みが激しかった 。
あの広い公園内には、矢張り8000〜10000頭は飛んでいないと寂しいだろう。
毎年チェックはしていたが、 がっかりする数字が続き、半ば候補地から外れかけていた。
最も、 個人的にはメイン会場での撮影は遠慮して2012年も「平出側」 無料区域での撮影だった。
ホタル祭りは前日の18日で終了しては いたが、おそらくホタルが一番飛翔する20時から21時は、 とてもじゃないが、メイン会場の「下辰野」側に500円払って入る気にはならない。
例え無料でも行かない(祭りが終わっていても 、公園の駐車場はしっかり500円だけ徴収していた)。
人が多いのは当然だが、殆どイルミネーション状態でスマホのバックライト が写り込む事は、容易に想像できた。
又、CANONカメラは、 撮影中赤色ランプが点灯するので、 「ニコン」ユーザーからは白い目で見られるのだが、実際自分も含めCANONユーザーは多いので、あちらこちらで赤目が写ってしまう 。
結局落ち着いて撮影するほど、腰が据わっている訳でもないし、 人に気を使うのも嫌だ。
だから、この日もメイン会場へは帰り道 に通っただけだった。
もう一つの理由は、2012年に教 え子たちを連れて行った時、「平出側」に撮影したいポイントが2 ヶ所あった。
その時は21時過ぎに帰路につかなければならず、 撮影する時間が無かった。
今回、そのうちの一箇所をようやく撮影 する事で念願が叶った。
但し、ここは中央本線が直ぐ近くを通る為 、露光中に電車が通過すると赤っぽい色が写真に入り込んでしまうのが難 点。
とは言っても、本数が多い訳ではないので、何枚かは「光害」 を免れた。
隣のカメラマンが「何日か前、 この場所をNHKが放送していましたよ!」と教えてくれた。
流石NHKと言っておこう!19時半過ぎにスタンバイしてホタル の光るのを待っている時は、実際どのくらいの頭数がこの滝の前を 飛んでくれるか心配だったが、20時から約一時間、 十分すぎる数の飛翔があった。
時々、子供連れのファミリーが、 無造作に懐中電灯を振り回すので、相当枚数、草木が斑な写真にな ってしまい没となったが、文句を言うわけにもいかず、立ち去るの をじっと待った。
実は、今回カメラ2台体制で臨もうとしたところ 、自宅を出るとき70〜200ミリを持参した筈が、現地で暗くな ってからケースを開けてみたら、100〜400ミリが入っていた 。きちんと中を確認せず、バッグに入れたオッチョコチョイな自分が 居た。
おかげで、もう一箇所目論んだ場所の撮影が出来ず、ショック。
ヤケ気味で、7Dにその白レンズを着け、フルサイズ換算160ミ リで付近をいい加減に撮影。
おかげで「超どアップ」、 周囲の景色まで写せず、どこの場所のホタルだか判らない写真を掲 載することになってしまいました。
22時過ぎになると気温が急激 に下がってきて、ホタルは全く飛ばない状態に。
粘り強く待ってはみたのですが、事態は変わることなく、 お片づけと成りました。
帰路、天竜川を渡り、下辰野の有料エリア (23時近くになっていたので勿論自由に入れます)を通り、 左右を見回しましたが、ホタルはほんの数頭しか飛んでいません。
しかし背丈の低い草に止まって光だけは点滅、と言うより光ったま ま動かないので、それはそれで幻想的な光景でした。
急いで、 三脚を立て数枚撮影。
実際はもっともっと幻想的だったのに、 写真では・・・。
じっとしていると指先に冷たさを感じるほどにな り、相当冷えて来ていることを実感。
車に戻ると外気温14度を表 示していた。
ホタルの飛翔には5〜6度近く低く、 午前0時に辰野を後にした。
因みに、この日の平出側のホタルは4 76頭との記録がありました。
実際、もっと多かったような気もし ますが、この数字だけでも撮影には十分な数字です。
ピーク時( 20時から一時間程)には60〜90秒も開けていれば、 誰にでも素晴しいゲンジボタルの乱舞が撮れちゃいますよ。

撮影日:2017−6−18  長野県上伊那郡辰野町平出・ホタル童謡公園にて

拡大写真でご覧頂けます。

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