6月の栞 『辰野・Aagain』

二週続けて、湘南は曇り時々雨。
全然撮影のテンションが上がらず。
雨のアジサイも良いが、柄でもないし。
だったら再び、辰野のホタル童謡公園か?
しかし、不確定要素が二つあった。
一つは現地の天気=霧雨程度なら良いが 、小雨が降ったり止んだりだとチョッと困る。
もう一つは、飛翔数 の減少=23日(金)の数がだったが、土曜日には7678頭へ、 約63パーセント減。
土曜日は気象条件は悪くなかったので、単純にホタルの頭数が減ったと見ていい。
日曜日はどこまでマイナスさ れるのか? それが心配。
午後2時半、案の定、海沿いの雨は止まな い。
かえって雨粒が大きくなってきた。
辰野の天気予想(この時期、 予報とまでは信じていない)は18時〜21時頃一ミリの雨。
少なくても、こちらよりは良い筈。

当初、近場の伊豆か、 箱根を考えていたが、先週の月曜日に辰野を訪れた時、レンズを間違える失態をやらかし、もう一箇所の撮影が出来なかった。
と言うよりする気がなかった。
この時期、大体夏至の前後の源氏ホタルの光りだすのは19時40分頃から、20時前後が辺りの風景 とホタルの光がコラボして、ブルーに写る時間。
明るいうちにピンと合わせをしておいたとしても、露光時間の長さを考えると5カット程度が限度。
だからカメラ一台では角度や画郭 を変える程度なら可能だが、撮影したいものが150メートル離れていたら、カメラ一台ではまず自分には無理。
もう一箇所は来年の宿題でも良かったのだが、沿岸の天気が梅雨前線の北上に伴って、 愚図つき気味なのを逆手にとって内陸を考えた次第。
19時前には着きたかったので余裕で15時に出たものの、岡谷J C〜伊北の間の工事(片側交互通行)で、諏訪南ICの手前の電光 掲示板にいきなり9キロの渋滞表示、その後諏訪IC手前で10キロに増え、中央道を下り一般道で辰野入り。
到着はホタルがそろそろ光りだす頃。
助かったのは公園駐車場が、 まだ駐車可能だった事と、無料だったこと。
雨は御殿場辺りで止み 、山中湖手前では路面も乾いていた。
中央道も諏訪南までは曇り空 が続いたが、IC手前辺りから黒い雲が出て、土砂ぶりの雨となった。
しかし直ぐに雨は止み、霧雨に変わり一安心。
現着19時半。
車から降り、空を見上げたが黒い雲が一面に出 ていて、いつ降ってもおかしくはない状態。
傘二本と雨合羽、 タオル3本を追加持参品として、今日の目標ポイントへ。
車内での外気温度表示は20度で、それ程高くなかったが、 運転中も湿気を感じ(いつの間にかホタルの気分)曇天なのにエアコンを入れた。
支度を急ぎポイントまで足早にカー トを引くと、ジワーと汗が出る(人の2倍くらい汗っかき)。
風は殆どなく雨の心配だけだった。

今回の狙いである水車の付近にはカメラマンどころか誰も人がいなかった( 前回は早々と一名がスタンバイ)。
時間が押していて焦っていたのと、雨を気にしていたのが災いして、その場で、ブルートーンをRAWで撮った後、タイマーレリーズをセットしスイッチ・オン、 カメラをその場に残して10分以上その場を離れていた。
戻ってみ て画像確認したら、全くホタルが写っていない。
おかしいなと思いながら焦点距離をあわせ直し、レンズを拭いたり、レンズをはめな おしたり、バッテリー残量を確認する。
手動でシャッターボタンを押してみたが、シャッターが下りない。
ようやく「あほな頭」が、 AFだった事に気づく。
このくらいの暗さになってしまうとAFが ウロチョロして、さっきまでAFで切れていたシャッターが焦点を 決められないのだ。
切り替えてMFにすれば全て解消。
水車から落下する水音で、「カシャ」 と言う音が聞こえなかったので、てっきり作動しているものと思い込んでしまった。
と言い訳しておこう!
WBを電球BKTをB9にして、何とかやや青味が残せた撮影が何 枚か出来た。
本日の20時頃の蛍の発光数は、 19日に比べて明らかに減っていた。
それでも、驚くほどダメと言 うことはなかった。
しかも、この日は明らかに気温も湿度も高かっ たので、21時半には飛翔をやめてしまった19日より、 長く沢山飛び交ってくれた。
23時になっても24時になっても 、多く飛び交う場所が2箇所から3カ所あるのだが、 もしそこで時間を気にしないで撮影できるなら、明るくなるまでENDLESSだったかも知れない。
この日は下辰野側が既に無料にはなっていたが、全く足を向ける気がしなかった(時間が無かった こともあるけれど、平出側ですら撮りきれなかった)。
カメラマンもホタル観賞に来る人も格段に減ってはいたが、数枚は画郭に人が入り込むなどして没になった。
22時頃から霧雨も降ってきて、 二箇所で離れた撮影も、いつ本降りになるかも判らないので一台体制にし、帰宅準備を開始。
しかし、霧雨も降ったり止んだりの状態だったので、カメラ一台に傘を差しての撮影続行。
比較的大きな木の下では盛んに飛び交ってくれているのだが、水車付近はサッパリ 。
飛沫が盛んに飛ぶせいか、葉っぱの上で休む姿が多数。
幸いにも 、時々飛んでくるホタルが水車の前を行ったり来たり、時々飛沫が かかって水中へダイブ、強い光を出しながら緊急脱出、それを合図に他のホタルが思い出したように飛び立つ。
それを待って、 こちらも露光を始める。
ネイチャー・フォトの面白さかも知れない。

この日の「平出側」の発生数(と、辰野では表現するが、発生は 数日前からしている蛍もいるし、新人(ホタル)デビューもいるだろう、あくまでその日の飛翔数だろう思うが)287頭で、 昨日より137少ない。
自分が行った19日の「平出側」 の数は476だから、それと比べても189も少ない。
でも、 でも、である。
気温と湿度によってホタルが90分で飛行を止めて しまうか、蒸し暑さから一旦休憩はしても再び飛んでくれるかでは 、一概に「多い、少ない」は言う事ができない。
20時ごろの飛翔 の例え半分(実際には7割から9割は飛んでいる様に見える)が、 その後時間を置いて舞ってくれたとしても、 同等かそれ以上の頭数がいたことになる(延べ計算的に)。
だから辰野も20時から21時と時間を区切っての掲示なのだが、 それは参考程度にしか過ぎない(一時間程度で帰る人には素晴しいデータだが)。
気温が低く、 その一時間で「今日は寒いから、もう飛ばないよ!」と言うのと、 それ程寒くなく、ジメジメ感があれば、「今日は動きやすいから、 何度も飛べるよ!」と言うのとでは、大違いだ。
一番大事なのは、ヒメボタルの時も何度となく記しているように気温 と湿度だ。
一番判りやすいのは「蚊」が耳元でプーンと聞こえる気象条件が最高なので、蚊に差された後の痒さと、沢山のホタルの頭数を結び付けて置くと良いですね。
因みに日付が変わってから30分ほどして、車に戻り、気温を見ると18度を示していた。
諏訪の国道20号でも20度をマークしていたので、 殆ど2度程しか、気温が下がっていなかった。
雨も少しだけしか降らなかったので、 出かけて正解だったと言える。
来年も、一万頭を越えるなら、「平出側」も期待できるのではと感じた。
そうしたらもっと頑張って、より納得の行く写真を撮りたい。

撮影日:2017−6−25  長野県上伊那郡辰野町平出にて

拡大写真でご覧頂けます。

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