9月の栞 『第70回秦野たばこ祭り9月24日(権現山より打ち上げ花火)』

10年ほど前に一度、「秦野たばこ祭り」には行ったことがある。
その時は多くのイベントが行われる秦野駅近くの会場をウロウロし 、ねぷたや各種踊り、仕掛け花火などをカメラに収めた記憶がある 。
その後、急いで権現山の見える場所まで移動、 山頂から上がる花火を撮影したものだった。
山の上から上がる花火としては、1月1日午前0時を合図に上がる 長野県伊那谷の水晶山花火に好印象を持っているが、 秦野のそれは玉が小さく、殆ど一箇所打ちなので、「祭りの付け足 し」のようなものだと言う印象が強かった。
まして、お祭りの人混みを好まない自分としては、いくら花火が打ちあがると言っても、 「日ごろから撮りたい被写体」からは、遠い順位にあった。
但し、 今年は70回記念として例年の倍以上の花火が上がる。
2000発 という数字は決して多い打ち上げ数ではないが、「秦野たばこ祭り 」のプログラムの中で考えれば、花火だけを単独でアップするには、 ボーダーラインの打ち上げ数と言える。
もしも9月17日の愛知県の「田原祭り五町合同花火大会」が翌日に延期になっていなければ(雨の為、翌日開催になったおかげで、 又しても仕事の融通がつかず、行くことが出来なかった)、 わざわざ「秦野たばこ祭り」には行かず、地元藤沢北部の「小出川の彼岸花」でも撮影に行っていたかも知れないが、拙宅にも2輪程それは咲くのだが、今年は満開が早かった。
昨年までは、彼岸花とは良く言ったもので、 丁度墓参りの頃、綺麗に咲き誇っていて、時期をあわせた開花を凄い なと思っていたのだが、今年は夏の天候不順で、彼岸花も開花時期 を誤った感がある。
よって、小出川の彼岸花も同様、秋分の日より5日ほど早く見頃になったようだ。
しかもその後の台風の接近で風が強かった為、いっきに終焉となったようだ。
前日の天気予報で「南の風、風力3」、 すっかり行く気にになっていたのだが、 当日9時55分の天気予報を聞いてみたら「曇り」 に変わっていた。
それでも藤沢は薄日が差していたので、グーグル マップで場所探しを開始。
平塚と二ノ宮の境にある、愛宕神社、 中井中央公園、震生湖付近を探索し、見通しの利く場所を探す事に した。
午後3時にエンジン始動、最初のポイント愛宕神社を目指す。
と言 っても、地図には載っているものの県道77号から少し入った人気 のない神社。
歴史は古く、由緒ある神社のよう。
昨年鳥居が新しく 建立されたばかりで、色鮮やかな朱色が一際目立つ。
普通車一車線分しかない境内へ繋がる道を進むと、突き当りにはベンチがあり 小さな公園風。
残念ながら周囲は木々に囲まれていて全く見通しが利かない。
その先は車ではとても行かれない狭い道幅の下り坂ハイ キングコース。
歩いて草木で覆われた天井を潜って進む。
2度、蜘蛛の巣に顔を突っ込む。
ダメもとで50メートル行くと、 開けた草原に出る。
既に耕すのをやめてしまった畑の向こうに、 丹沢山系の稜線上部が微かに見渡せたが、前方の林が相当に邪魔。
花火は権現山の山頂付近から上がるので、 撮影は可能だったが前景が夜になれば真っ暗にしか写らない。
ここは打ち上げ場所のほぼ真南で、かつ正面であったので候補地と して選んだのだが、直ぐ下の土屋霊園の向こうに、 もう一つ小高い丘があることが判った。
微かに鉄塔の下を車が通っ ているのが確認できたので、ナビで調べる。
神奈川大学入り口交差点を左折し「ジャンボリー・平塚ゴルフ練習場」 を右手に見ながら坂を上がる。
愛宕神社から見た鉄塔を確認しながら、車を走らせる。
畑の広がる向こうに先程よりは多少大きく権現 山が見えるが、矢張り前方に木々が林立する。
しかも、やや右方向 へ来てしまっていた。
この頃から丹沢山系に低い雲がかかり始め、 風も殆どない状態になって行った。
今年何度も経験した、「 煙の中の花火」が容易にイメージできてしまうのが情けなかった。
一挙にテンションが下降し始め、中井中央公園はここより距離が離 れているので、もっと視界がクリアーでなくなることは自明。
諦めて帰る気持ちが半分に達していたのだが、ドライブがてら震生湖経由で帰ることにした。
県道71号「西大竹交差点」を左折、 県道62号へ入り、震生湖を目指す。
途中、立野地区の住宅街に上 がり見晴らしの良さそうなところを捜すも、敢え無く撃沈。
再び62号に戻り、渋滞していることをいい事に、左方向をキョロキョロ 。
丘陵地に畑の広がる光景を見てピンと来るものがあった。
白笹稲荷交差点を左折、狭い農道を上がる。
高度を少し稼いだ辺り に三脚を構えた人物一名「発見」!車を止めその人物に近づく。
挨拶は二人殆ど同時だった。
一瞬、どこかの花火大会で会った記憶 があるような、親しみを覚えた。
山形県山形市出身で、 東海大学3年在学中と言う彼は、本来は「撮り鉄」だと言う。
しか し今日に限れば「良き花火撮影仲間」に違いない。
打ち上げまでの 二時間があっと言う間に過ぎ、どれだけ話が盛り上がったかが、 想像できると言うもの。
更なる別な場所を探す時間もなく、 三脚も立てずに話し込んだ。
彼は昨年もこの近くで花火を撮影した経験をお持ちで、大いに参考になる話を伺うことができた。
昨年は 秦野駅からタクシーに乗り、運転手さんに見晴らしのいいところま で連れて行くように頼んだそうだ。
降ろされた場所は、今日の場所 より高台で良かったそうだが、今回は駅から徒歩で約2,5キロを 歩きながらロケハンしたと言う。
自分は今日の天候がかなりよろし くなく、ケムケム花火を覚悟していたので撮影は半分諦めていた。
会話中も野焼きをしている煙が、そこまできれいに垂直か!と思え るほど真っ直ぐに上がっていた。
よって、時間つぶしも兼ねて( お互いに言えることだが)、ここでの撮影を決め込んだ。
秦野の町に灯りが灯る頃、車に機材を取りに行く。
気温20度、 湿度80パーセントほどで、無風に近いが風力1としておく。
秦野 の市街地の灯りは結構賑やかなのだが、山の麓は住宅地の灯りの為 か、非常に寂しい。
広角で街の灯りを入れて撮影すると、花火が相 当小さくしか写らない。
縦位置で花火を大きめに撮ると、花火はそこそこいい感じなのだが、下半分がイマイチ物足りない。
結局どっ ちもどっち、好みの範疇だ。
それでも花火としては2000発のう たい文句だけあって、プログラム後半は、 あの山頂から7号クラス(間違っていたらゴメンナサイ)の( ここでは)大玉が二箇所から打ちあがり、山火事にならないか二 人で心配したほどだった。
70回記念のこの日、危惧していた低い雲も発生せず、プログラム後半の煙の掃けが、 やや左後方への滞留となった程度で収まった。

撮影が終わってからは話は一転、「撮り鉄」へと移り、彼はイース ト・アイのダイヤまで教えてくれた。
下宿は東海大学駅前に近い場所だと言うので駅まで送り、分かれた。
朝日新聞社でバイトをし、 就職活動を控える彼にエールを送りたい。

撮影日:2017−9−24  神奈川県秦野市今泉にて

拡大写真でご覧頂けます。

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